★★★ 日本再生ネットワーク 厳選ニュース ★★★

sakura4987.exblog.jp
ブログトップ

◆移民政策の見直し進めるフランス (世界日報 07/10/3)




人権重視から選別へ


 フランス国民議会(下院)は九月二十日、同国に在住する移民が、家族呼び寄せに際して、血縁関係を証明するDNA鑑定を導入することなどを規定した法案を可決、上院に送った。人権への配慮の欠如などの批判が起きる中、サルコジ新政権は、同国に流入する移民の選別やフランスの価値観教育などの同化政策や新たな移民政策を打ち出している。



≪■国家の価値教育を強化≫


 移民改正法は、ブリス・オルトフー仏移民・国家アイデンティティー相が提出した原案に、幾つかの修正が加えられた。理由は野党が反対しただけでなく、クシュネル仏外相はじめ、政府与党内にも慎重論が存在したからだった。



 下院の争点となったのは、フランス国内に仕事を得て定着した移民が、出身国から家族を呼び寄せる際、DNA鑑定で血縁関係を証明できる制度についてだった。原案ではビザ申請者にDNA鑑定が義務付けられ、その諸費用も本人負担とされていたが、鑑定は本人の希望で、血縁関係が証明された場合、費用をフランス政府が負担するように修正された。



 今回の移民法改正案の背景には、出生届や戸籍管理が整備されていないアフリカ諸国で血縁関係を証明することが困難な現状が存在することや、セネガルなどアフリカの数カ国で家族呼び寄せのビザ申請の三-八割が虚偽の申請で血縁関係にない者が家族として流入している現状があることなどが挙げられている。



 この法案には、DNA鑑定のほかに、フランス語の習得義務や「共和国の価値観」への理解を求めることが盛り込まれた。この背景には、イスラム教徒移民が、フランス社会とは距離を置いた生活を続け、同化を困難にしている問題がある。政教分離を共和国の価値として掲げるフランス政府は、移民にもその考えの受け入れを迫っている。



 フランスは他の欧州連合(EU)の大国同様、これまで多くの移民を域外から受け入れてきた。だが、フランスは他のEU諸国とは異なった特殊事情を抱えている。それは職を求めてフランスに移住した人々は、移民全体の5%にすぎず、全体の77%が、本国から呼び寄せられた家族という現状があることだ。



 その呼び寄せられた家族も、出身国で一夫多妻制であったり、子供が十人以上いたりするケースも珍しくなく、社会保障財源を圧迫している現状がある。そのため、サルコジ大統領が内相時代の数年前から、移民受け入れ規制強化を進めており、今回は同大統領の公約の一つにも挙げられていた。



 政府は、人権問題への配慮の欠如に対する批判に対して、血縁関係を証明できないために審査期間が長引き、移民申請当事者が長期に待機させられる現状も多いため、審査を迅速に行える利点があると説明している。また、血縁関係を確認できなかったために、家族の一部を呼び寄せられず、離散状態にある家族を救うことにもつながるとしている。



 DNA鑑定自体は、他のEU諸国十一カ国で、同様な鑑定が実施されており、一般化していることも政府は強調している。結局、二〇一〇年十二月までの二年間を実施試験期間とし、その後再審議するよう修正が加えられ、改正案は上院に送られた。



 移民問題には、受け入れ政策、受け入れ後の同化政策、不法移民の処理問題が大きな柱になっている。受け入れ政策では最近、EU欧州委員会のフラティニ副委員長(司法・自由・治安担当)が、移民を対象とするEU域内共通の労働許可証「通称、欧州ブルーカード」の導入を加盟各国に提案する方針を表明した。



 これは米国の永住許可証であるグリーンカードに習ったもので、加盟各国で独自に基準を設けている移民の選別方法のほかに、熟練した高度な専門知識を持つ労働者に限りEUとして選別基準を共通化する試みと説明している。同案の背景として世界の移民のうち専門性の高い熟練労働者の55%が米国に移動し、EUには5%しか来ていない現状を挙げている。



 EUは現在、二十七カ国に拡大し、総人口では米国を超え、五億人に近づく勢いだが、経済成長の視点から、多くの専門家は移民のさらなる受け入れの必要性を指摘している。事実、アイルランドやスペインなど移民労働者を積極的に受け入れている国の経済発展は目覚ましい。



 その一方で、質の高い労働力確保が課題で、ブルーカード案もそこから出ている。フランスではサルコジ大統領が内相時代、同問題で、専門性の高い熟練労働者を優先的に受け入れ、単純労働者の受け入れのハードルを高くする政策に転換している。留学生も成績優秀者を優先する方向にある。



 一方、フランスにとって、移民問題の長年の課題は同化政策で、特に北アフリカ・マグレブ諸国出身のアラブ系移民が、フランス社会に同化しない問題だ。一昨年の移民の若者による大規模な暴動も同化政策がうまくいっていないことから起きた問題だ。多文化共生主義を採用していないフランスでは、出身国の慣習や価値観、宗教よりは共和国の価値観を優先しているが、信教の自由との関係などで難しい側面もある。



 一方、不法移民に関しては、サルコジ大統領が内相時代に年内に二万五千人の不法滞在者を国外追放するよう要請していたにもかかわらず、今年は九月までに一万一千人しか目標を達成できていないことが報告された。このため、年内の目標達成が困難になっており、政府は関係警察署長に対して、努力を促した。



 移民問題は、人道問題や経済効果にとどまらず、テロの問題とも深く関係している。アルジェリアでは九月、フランス国籍を持つアルジェリア系男性が自爆テロに失敗する事件が起きた。フランスの国家警察のペシュナール長官は九月末、フランスでは「テロの脅威が高まっている」との認識を示している。



 サルコジ政権は、移民の受け入れのハードルを上げる一方、移民のフランスへの同化政策を強化し、国内で移民がフランス人化することを促進する構えだ。かつて政治不安定な地域からの政治移民、貧しい国からの経済難民を積極的に受け入れていた時代とは、大きく様変わりしようとしている。
[PR]
by sakura4987 | 2007-10-10 13:58

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


by sakura4987