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◆「少子化」対策は有効か



         【土・日曜日に書く】論説委員・福島敏雄

 (産経 08/2/2)


 ≪■人口減はいけないのか≫

 正月に発表された総務省の「子(ね)年生まれの人口は1069万人」というデータには、少しばかり暗然とした思いにとらわれた。世代ごとの人口の差が、あまりにも大きかったからである。

 12歳(平成8年生まれ)の120万人を基点にし、24歳148万人、36歳199万人と増え、48歳154万人といったんは減る。問題は60歳(昭和23年生まれ)の227万人である。12歳より107万人も多い。

 72歳でも142万人である。いかに日本の人口構成が大きく歪(ひず)み、少子化が加速度的に進んでいるかが分かる。

 だから、と国はさまざまな少子高齢化対策を進めている。だが筆者は、この「だから」がわからない。人口が減っては、なぜいけないのだろうか。

 すぐに反論がくるだろう。世代間の社会的な仕送りにあたる年金の賦課方式が破綻(はたん)し、医療費をはじめとする社会保障費が急増し、消費人口や勤労人口の減少によって国内総生産が落ち込み--などなど、数えあげたらきりがないほどの悪影響があるのだという。

 それは分かる。だが、「だから」と言って、人口を政策的に増やしたり減らしたりすることは、原理的に可能なのだろうか。中国のような強制力のある国家ならば、「一人っ子政策」は可能かもしれない。しかし自由な意思で赤ちゃんを産んだり、産まなかったりすることができる日本のような国では極めて困難である。

 ≪■「司令」などできない≫

 政府の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議は昨年12月、「重点戦略」を発表した。出産後の女性の継続就業を促進し、保育サービスを充実させ、子育て支援にカネをつぎ込むという。地方自治体には、少子化対策の「総合司令塔」の設置を要請するという項目もあった。

 赤ちゃんの出産という極めてデリケートな問題の対策として、「重点戦略」とか「司令塔」などという軍事用語を使う言語センスは噴飯ものである。女性は「産む機械」ではないのと同様に、「産む戦士」でもない。

 それにしても職場環境をととのえ、保育サービスを充実させ、子育て支援にカネをつぎ込んだら、女性が赤ちゃんを産むようになるのだろうか。フランスなどでは出生率が回復したとされるが、それが日本にそのまま適用できるとは思えない。

 少子化の最も大きな原因は、女性の晩婚化・非婚化がすすみ、独身女性が増えているからだ。女性の初婚年齢は昭和50年には24・7歳だったのが、平成17年には28・0歳にまで上昇した。その結果、合計特殊出生率が年を追うごとに減りつづけ、平成17年には過去最低の1・26まで落ち込んだ。その後、やや上向いたものの、長期的に現状の人口を維持できる水準(人口置換水準)の2・07を大きく下回ったままだ。

 少子化の現状を食いとめたいのならば、女性の早婚化をうながすしかない。民俗学者の柳田国男は『婚姻の話』のなかで、「女の勤労の高く評価せられる階級では、自然に嫁入は出来るだけ遅く」行わざるを得なかった、と書いている。「女の勤労」が高く評価されている現在の社会では、政策としての早婚化は困難である。

 ≪■「団塊世代」が救い?≫

 日本の人口は現在、約1億2700万人である。歴史人口学の研究家、鬼頭宏氏の『人口から読む日本の歴史』によれば、縄文早期の2万人を基点に、弥生時代59万人、慶長5年(1600)1227万人、明治23年(1890)4130万人、大正9年(1920)5596万人、昭和25年(1950)8389万人--などとなっている。

 このうち人口が減少したのは、縄文期後半、平安期、江戸期後半の3回である。とくに江戸期後半には育児手当を出したり、間引きを取り締まったりしたが、人口停滞の歯止めにつながったという証明はされていないという。

 人口の増減は、この列島に大昔から住みついた人たちの「自然の摂理」ではないだろうか。柳田は先の著書で、「民族一個体としての、寿命といひ健康ともいふべきもの」とまで書き、人口の増減の不可思議さを指摘した。この大いなる力のまえで、有効な対策や政策があるとは思えない。

 わずかながらの光明はある。昭和22年から24年生まれの団塊世代は筆者も含め、意外とキップがいい。干支(えと)で言ったら、イノシシ、ネズミ、ウシの順番である。

 どれも走りだしたら速い。延命治療も求めず、介護にも頼らず、従容として死の床につく覚悟はできている。もっとも例外だらけのような気がしないでもない。
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by sakura4987 | 2008-02-16 11:45

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