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◆クローズアップ2008:日本の食料自給率、39% 輸入依存脱却遠く



http://mainichi.jp/life/food/news/20080217ddm003040074000c.html

国内流通量に占める輸入・中国産の割合
 ◇安全に懸念、でも安さは魅力

 中国製冷凍ギョーザ中毒事件は、中国など海外からの輸入食品に依存する日本の「食」の危うさを印象づけた。日本の食料自給率は先進国で最低水準の39%。事件をきっかけに、「値段は高いが安全」な国産食料への志向が強まり、自給率引き上げ論議も活発になっている。だが、消費動向や生産・流通の構造を変えるのは容易でなく、政府が目指す自給率アップには多くの難問が立ちはだかっている。

 「BSE(牛海綿状脳症)や野菜の残留農薬など、これまでも輸入食品の安全性は何度も問題になったが、(低下した)自給率は変わらなかった。自給率アップはそれくらい大変だ」。農林水産省幹部はギョーザ事件が国産増産の「追い風」になるとの見方に疑問を呈した。

 1960年代初めに80%近かった日本の食料自給率は06年度に39%にまで落ち込んだ。日本人の食生活が変化し、自給が可能なコメの消費量が減る一方、輸入依存度が高い畜産物や油脂類の消費が増えたことが主因だ。

 また、近年はデフレ経済下、海外の安価な食品が歓迎された。中でも中国からの農水産物の輸入が急増し、米国に次ぐ2位となった。98年に7712億円だった輸入は06年には1兆2232億円と6割近く伸びた。輸入全体に占める中国産のシェアも10・2%から15・1%に上昇した。

 今回問題となった日本たばこ産業(JT)の生産拠点は、生産委託も含めると国内よりも海外の方が多い。海外26拠点のうち17拠点が中国だ。外食大手のすかいらーくでは事件後、メニューの一部で中国産食材の取り扱いを一時やめたが、グループの店舗で使う中国産食材は260品目にも上る。

 「食料自給率が低い日本では中国産の加工食品や原料なしには食卓が成り立たない」(食品卸最大手の菱食の中野勘治副社長)のが現状だ。大手食品幹部は「農産物や魚介類など豊富な食材が手に入るうえ、人件費が日本に比べて格段に安い。中国での生産は不可欠だ」と語る。

 しかし、ギョーザ事件で「安さと引き換えに安全を犠牲にはできない」との声が出て、食料を海外に頼りすぎることへの不安も国民の間に広がってきた。さらに、一昨年から小麦などの穀物価格が高騰し、「日本が将来、十分な食料を調達できなくなる可能性」も杞憂(きゆう)ではなくなっている。

 農水省は05年策定の「食料・農業・農村基本計画」で、15年度に自給率を45%に上げ、将来的には5割以上にする目標を定めた。目標を実現するため▽食育の実践と、地域の産品を地元で消費する「地産地消」の推進▽国産農産物の消費拡大▽需要に即した農業生産--などの対策を打ち出した。

 自給率の40%割れが判明した昨年からは、テレビCMでコメを食べるよう国民に呼びかけるなど国産食料のPRに懸命だ。

 だが、安くて手軽な輸入食品、加工食品への消費者のニーズは根強い。全国消費者団体連絡会の神田敏子事務局長は「高齢者、1人暮らし世帯、収入の少ない若者などさまざまな生活様式があり、安い食品を否定するわけにはいかない。輸入品も国産品も同様に安全を確保する必要がある」と話す。

 一方、農村では高齢化や農業従事者の減少が続く。コメは過剰生産だが、麦、大豆、飼料作物など自給率の向上に寄与する作物への転換は思うように進まない。自給率アップのカギを握る国内農業の足腰は弱いままだ。【位川一郎、工藤昭久】

 ◇↑英国、保護で小麦輸出国に/↓韓国、いずれ日本と同水準


主要国の食料自給率(カロリーベース)の推移
 海外主要国の食料自給率はどうか。自給率が上昇した例として知られるのは英国だ。60年代には日本を大きく下回る40%台だったが、82年以降はほぼ70%台で推移している。

 転機となったのは、欧州連合(EU)の前身、欧州共同体(EC)への加盟(73年)だ。補助金を柱とするECの農業保護政策の恩恵を受け、英国の農産物はそれまでよりも高い域内価格で取引されるようになった。73~78年に1トン当たりの小麦価格が約1・9倍に上昇し、農家の生産意欲を刺激した。加えて、EC加盟前の競争で経営基盤の弱い農家が淘汰(とうた)されていたこともプラスに働いた。

 東北大大学院経済学研究科の柘植徳雄(つげのりお)教授は「EC加盟効果は絶大で、80年代には小麦の輸出国に転じた。だが、英国の主導で自給率が上がったわけではない」と話す。

 一方、日本同様に食料自給率の低下に直面しているのが韓国だ。70年の80%から徐々に低下し、02年は47%にまで落ち込んだ。韓国は70年代に高度経済成長を達成し、96年には経済協力開発機構(OECD)にも加盟。食生活は多様化し、畜産物など副食物の摂取量は日本と同水準となった。

 農家の高齢化や、コメ離れが進んでいるにもかかわらず、農家の稲作依存度は高いままだ。鄭英一(チョンヨンイル)ソウル大名誉教授(農業農村政策)は「1人当たりの年間コメ消費量は70年代には120キロだったが、今は80キロを切る。李明博(イミョンバク)次期政権では農地転用の規制緩和も見込まれ、農地が減少する。遠からず自給率は日本と同水準まで下がるだろう」と悲観的だ。【西脇真一】

毎日新聞 2008年2月17日 東京朝刊
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by sakura4987 | 2008-03-03 13:09

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