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◆【岩崎慶市のけいざい独言】「創造的破壊」につながるなら



 (産経 2008/3/10)


 もめていた温室効果ガス削減をめぐる排出権取引(キャップ・アンド・トレード)問題で、政府、産業界とも導入の方向で議論に入った。

 政府が導入に傾いた背景には、7月の北海道洞爺湖サミットがある。「ポスト京都議定書」が重要テーマとなるのは確実で、この問題を避けて通れないからだ。

 すでに排出権取引は欧州連合(EU)が導入しており、米国も積極姿勢に転じている。日本があいまいなままでは議長国として主導権を握れないと判断したようだ。

 「国際競争力を削(そ)ぐ」として猛反対していた日本経団連も、これに押される形で容認姿勢に変わった。新たなルールづくりに参加しないと、不利な条件を強いられる懸念もあったのだろう。

 それにしても、この問題は悩ましい。最も省エネ技術が進んだ日本に厳しい削減目標を設定した京都議定書が不公平だとの根源的不満は産業界に限らない。その二の舞いへの強い疑心暗鬼は簡単に消えない。

 最大排出国の米国は不参加、急激に排出量を増やす中国、インドに削減義務はない。産業界はその条件下で、自主的省エネ努力とそのコストを負担して国際競争を戦ってきたのである。

 まして排出権取引は国だけでなく、企業ごとに削減義務が課される。政府が排出枠(キャップ)を設定、それを超過した企業と下回った企業が金銭で排出量を取引(トレード)するのである。

 だから産業界は排出枠設定が不公平だと、EUのように訴訟が相次ぐと反対してきた。排出量は取引されるだけだから、総排出量は減らないとの主張もなされた。

 一方で、導入論者は排出枠全体を厳しくすれば総排出量を減らせるし、削減義務化は技術革新を促すとする。省エネ技術を開発しないで、ずっと排出権を買い続ける企業はコストが増大し競争力を失うからだ。

 どちらの理屈もなるほどと思うが、小欄はあえて技術革新に注目したい。産業の発展は新技術による「創造的破壊」抜きに語れない。それが強制によるものであっても、排ガス規制がハイブリッド技術を生んだように、技術進歩を阻害することにはなるまい。

 排出権取引は万能ではないが、導入が不可避なら「創造的破壊」にどうつなげるかが肝心だ。そのためにも公平な排出枠設定は欠かせない。

 角を矯(た)めて企業という牛を殺してしまっては元も子もないのだから。
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by sakura4987 | 2008-03-12 16:00

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