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◆【凛と生きる】「溶けゆく日本人」番外編(4) (2008/3/13)






「晴れてる日が危ない。みんなが活動していると、逆に気持ちがふさぐのかな…」と話す茂幸雄さん


東尋坊でいったん保護したカップルが書いた遺書。茂さんへの感謝の言葉とともに、役所の対応への失望がつづられていた


 □東尋坊で自殺防ぐ 茂幸雄さん

 ■元刑事「見て見ぬふりできん」

 日本海を見下ろす断崖(だんがい)絶壁の奇観が続く東尋坊(福井県坂井市)。年間100万人近くが訪れる景勝地は、毎年20人以上が身を投げる「自殺の名所」としても知られる。その汚名を返上しようと、平成16年4月、NPO法人「心に響く文集・編集局」を開設。岩場周辺のパトロールを続け、120人を超える自殺志願者を救ってきた。

 周辺の土産物店が一斉にシャッターを下ろす午後4時すぎは最も緊張する時間だ。双眼鏡片手に、約1キロの岩場を1時間かけて一巡する。「こんにちは。どこから来られましたか?」。カメラや土産を持っていない。景色を見るでもなく動きが緩慢…そんな自殺志願者を見つけると、優しく話しかける。

 死のふちから救い出すと、事務所に併設した茶店で名物の「越前おろしもち」を振る舞い、相談に乗る。「あんた、今日までつらかったなー。一緒に解決しようか」。病気、リストラ、借金苦…自殺を考える理由はさまざまだ。不安の根を取り除くため、生活保護の手続きをしたり、住み込みの働き場所を探したり。六法全書を携え、夫婦げんかの調停に臨んだこともある。

 「自殺志願者の8割は県外から訪れ、片道切符。でも、何時間も岩場をさまよい、心の中では『誰か助けて!』と叫んでいる。本当は、みんな生きていたいんや」

                   ◇

 福井県警の刑事としてマルチ商法やゲーム機賭博といった生活経済事犯を数多く摘発。「他人の顔色はうかがわない。正しいと思ったらとことん進む」突進型のリーダーだった。

 定年まで1年を残した15年、東尋坊を管轄する三国署(当時)の副署長に着任し、自殺の多さに愕然(がくぜん)とした。ところが、現場では日常的なパトロールは行われず、保護さくや悩み事相談所もない。「それなら自分が」と、朝夕1人で岩場の見回りを始めた。

 数カ月後、自殺志願の中高年カップルを保護し、地元の福祉課に引き継いだ。その5日後、チラシの裏に書かれた長文の遺書が届く。「頑張り続けた二人の努力は認めてください…」。行く先々の役所で交通費を渡されてたらい回しにされた末、2人は新潟県内で首つり自殺していた。

 「助けを求める人がいたら、誰かが手をさしのべてくれる国だと思っていたが、現実は違った。2人に二重の苦しみを与えてしまったのではないか」

 問題の根を解決しなければ真の救出にはならない…。苦い経験が、水際での自殺防止に第二の人生をささげるきっかけになった。

                   ◇

 NPO設立からもうすぐ4年。「常駐のスタッフは手弁当で駆けつけてくれるが、収支は赤字」と苦笑する。今、茶店は「命の灯台」と呼ばれ、救われた人から「声をかけてくれてありがとう」と感謝の声が届く。

 国内の自殺者は9年連続で3万人を超える。国も自殺総合対策大綱で行政と民間の連携強化をうたうが、地元自治体の腰は重い。「防止対策自体がイメージダウン」と反発する観光業者もおり、肝心の足元は一枚岩ではない。それでも、その信念は明確だ。

 「誰もが面倒なことや他人事にはかかわりたくない。でも、それが命にかかわることだったら、見て見ぬふりはできんはず。そんな当たり前のことが、何でできんのか?」
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by sakura4987 | 2008-03-18 13:38

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