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◆人権擁護法案は亡国への道/ジャーナリスト 千葉展正氏に聞く



 (世界日報 2008/3/22)


国内外の人権悪法の総仕上げ


主観的な「侵害」の定義/2万人の擁護委員に強大な権限


部落解放同盟が法案主導/告発社会の到来阻止を


 平成十四年に国会に提出された人権擁護法案は継続審議を経て、翌年十月の衆議院解散により廃案となった。にもかかわらず、再び法案成立に向けての動きが活発化している。その内容や運用の在り方をめぐって激しく議論の対立する同法案について、ジャーナリストの千葉展正氏に聞いた。


(千葉氏の希望で旧かなを使用)

 人権擁護法案をめぐる昨今の情勢は憂慮にたへません。人権擁護法案は平成十四年に国会に提出され、三会期にわたつて継続審議となり、平成十五年十月の衆議院解散で廃案といふ運命をたどりました。平成十七年二月には、政府・与党が再提出する方針を打ち出しましたが、自民党内から猛烈な反対を受けて推進派は結局提出を断念します。かういふ経緯をたどつた法律は通常お蔵入りになるものですが、人権擁護法案の場合はなかなか息の根が止まりません。

 自民党内の推進勢力の中心人物が古賀誠・選挙対策委員長で、自民党の人権問題等調査会の太田誠一会長(元総務庁長官)は古賀氏の子分です。古賀氏と太田氏は福岡県の選出で、二人とも福岡出身の組坂繁之・部落解放同盟委員長との仲を公言してはばからない。三月初めに開かれた部落解放同盟の全国大会に出席した太田氏は「調査会は罵詈(ばり)雑言の嵐だが、最後にはきちんとした法律にしたい」とあいさつして出席者を喜ばせてゐます。

 古賀氏らの強気な姿勢の背景にあるものは何か。それは、人権擁護法案は小泉内閣においてお墨付きをもらつたといふ意識から来てゐると私は思ふ。平成十四年三月に国会に提出されたのは第一次小泉内閣の時、平成十七年二月に政府が再提出方針を固めたのも小泉内閣の時です。平成十七年一月の施政方針演説で小泉首相は「人権救済に関する制度の検討を進める」と意味深長な言葉を発してゐます。推進派にとつて福田首相は、国会提出時の官房長官だつたから非常にやりやすい。古賀氏は選挙対策委員長の権力を利用して自民党内の反対論を押さへ込まうとしてゐますが、小泉首相が郵政解散で人権擁護法案反対運動の中核となつてきた自民党議員を追放した後遺症は本当に大きいと思ひます。

 人権擁護法案の長大な条文を改めて読んでみると、よくこんな奸計(かんけい)と陰謀に満ちた法案を作つたなと感心してしまひます。人権侵害とは例へば「その者の有する人種等の属性を理由としてする侮辱、嫌がらせその他の不当な差別的言動」(第三条)ですが、ここに出てくる「人種等」とは「人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障害、疾病又は性的指向」(第二条)のことです。これらの項目を援用すれば、政治的意見だらうが生活信条だらうがあらゆることを人権侵害の理由にできる。

 そもそも人権侵害とは何かといふと、「不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為を言う」(第二条一項)と説明される。不当な差別なんて主観的なものだから、自分が不当な差別だと思つたら人権擁護法を根拠に訴へることができるわけです。

 ちなみに、最後にさりげなく付け加へられた「性的指向」とは同性愛および性同一性障害のことですから、同性同士の婚姻届を自治体が拒否したら人権擁護法違反で訴へられてしまひます。

 人権侵害の被害を受けたら、訴へる先は人権委員会。人権委員会は全国に二万人もの人権擁護委員を抱へ、これらの人権擁護委員が人権告発を奨励する役割を担ふ。人権擁護委員は市町村長が「人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員」のうちから候補者を推薦するので、どのやうな人間が選ばれるか察しがつかうといふものです。人権委員会は、事件の関係者に出頭を求め、文書その他の物件の提出を求め、文書その他の物件を留め置き、人権侵害が行はれた疑ひがある場所に立ち入ることができる。強大な権限です。警察官や検事が裁判所の令状を取つてやつてゐることを、二万人の人権擁護委員は令状なしでやれるんです。出頭や文書の提出や立ち入り検査を拒んだ者は三十万円以下の過料。人権擁護法案なんて自分とは全く関係ないと考へてゐる人は幸福な人です。

 人権擁護法案を主導してきたのは言ふまでもなく部落解放同盟です。昭和四十四年に施行された同和対策事業特別措置法は、名称を変へつつ後継法が制定されてきましたが、平成十四年に失効します。特別措置法の施行以来三十三年の間に投じられた同和対策事業費は約十五兆円。この巨額の事業費に群がつて食ひ物にしてきたのが部落解放同盟とその周辺のえせ同和団体だつたのです。

 特別措置法が失効したため、部落解放同盟はこれに代はる法律の制定を政府に要求してきました。これが人権擁護法案となつて結実したわけです。部落解放同盟が人権擁護法案に期待するのは同和利権の恒久化以外の何物でもありません。

 人権擁護法案策定の直接の契機となつたものは、人権擁護推進審議会が平成十三年に出した「人権救済制度の在り方について」といふ答申です。この答申は、わが国における人権侵害の現状について、「差別、虐待の問題が極めて顕著な問題」となつてゐると強調し、次のやうに述べてゐます。

 《差別の関係では、女性・高齢者・障害者・同和関係者・アイヌの人々・外国人・HIV感染者・同性愛者等に対する雇用における差別的取扱い、ハンセン病患者・外国人等に対する商品・サービス・施設の提供等における差別的取扱い、同和関係者・アイヌの人々等に対する結婚・交際における差別、セクシュアルハラスメント、アイヌの人々・外国人・同性愛者等に対する嫌がらせ、同和関係者・外国人・同性愛者等に関する差別表現の問題がある。》

 《虐待の関係では、夫・パートナーやストーカー等による女性に対する暴力、家庭内・施設内における児童・高齢者・障害者に対する虐待、学校における体罰、学校・職場等におけるいじめ等の問題があり、これらの問題はその性質上潜在化しやすいことから、深刻化しているものが少なくない。》

 このやうにおびただしい差別・虐待を列挙した上で、この答申は、現行の裁判所による救済は必ずしも有効になされているとは言い難く、法務省の人権擁護制度も実効性がないと断定し、それらに代はる人権救済制度として「人権委員会」の創設を提唱したのです。

 平成八年七月の閣議決定で、同和問題に関する差別意識の解消に向けた教育・啓発に関する地域改善対策特別事業は、一般対策としての人権教育・啓発に再構成して推進するとされました。それを推進するための法律として人権擁護施策推進法が制定され、同法に基づいて設置されたのが人権擁護推進審議会で、ポスト同和対策特別措置法の法律を検討するのがその使命でした。

 日本は差別と虐待が横行する暗黒社会である、といふのが人権擁護推進審議会の基本認識です。審議会が構想したのは、国民生活のあらゆる方面の差別を対象とし、それらを人権の名の下に糾弾する制度を創設することでした。

 部落解放同盟は二十年以上前から「部落解放基本法」の制定を求めてきましたが、いつのまにか「部落解放基本法」のことを言はなくなり、「人権侵害救済法」を制定しろ、と言ひ始めます。同和問題を「人権」のオブラートで包むことは解放同盟にとつても好都合だつたのですね。部落解放同盟の暴力団的体質と同和利権の実情が暴露され始めていたからでせう。

 識者の中には、人権擁護推進審議会の答申は抑制的なものだつたのに、人権擁護法案は審議会の答申を大きく逸脱してゐると言ふ人がゐます。甚だしい誤解と言ふしかありません。初めは猫をかぶつてゐたけれど、いざ法案作りに着手すると、あれも入れろ、これも入れろとなつて鎧(よろい)があらはになつたにすぎない。人権擁護推進審議会の答申を作つた人々と人権擁護法案を策定した人々は同じ仲間だといふことを忘れてはなりません。

 人権擁護法案が出現した背景には、女性差別撤廃条約、児童の権利に関する条約、パリ原則(国連「国内機構の地位に関する原則」)といつた国際的潮流と、男女共同参画社会基本法、ドメスティック・バイオレンス(DV)防止法、男女雇用機会均等法といつた国内動向が複雑に絡み合つてゐます。

 人権擁護には個別法で対処すればいいといふ意見もあります。例へば百地章・日本大学教授は《「虐待」についていえば、配偶者暴力、高齢者・児童虐待などの救済のため、すでに「ストーカー規制法」「児童虐待防止法」「配偶者暴力防止法」「高齢者虐待防止法」などの法律が制定されており、その適切な運用によって問題の解決は可能であろう》(二月十九日産経新聞「正論」)と書いてゐます。

 百地氏は人権擁護法案は表現の自由を侵すから憲法違反だと主張しますが、人権擁護法案が憲法違反ならDV防止法も憲法違反ではないでせうか。夫が妻を「無視した」といふだけで「精神的暴力」としてDV防止法違反として告発されてしまふのですから。家庭内での言葉のやりとりさへも告発の対象にしようといふ怖ろしい法律なんです、DV防止法は。

 人権擁護法案は女性差別撤廃条約や男女共同参画社会基本法など国内外の人権悪法の総仕上げといつた感があります。私は、これらの個別的な悪法を放置してきたことが、悪魔的な人権擁護法案の出現を招いたと考へる。各種人権をテーマにした個別の悪法がどんどん成立していけば、人権擁護法が成立したのと同じことになつてしまひます。

 部落解放同盟は、国内外のマイノリティー団体や人権NGO(非政府組織)団体と共に「人権立国」を実現する闘ひを推し進めると叫んでゐます。かれらの言ふ「人権立国」とは、解放同盟の糾弾手法を社会のあらゆる方面に持ち込むことにほかならない。日本を人権亡国社会にしないためにも人権擁護法案の成立を阻止しなければなりません。(談)

 ちば・てんせい 評論家・コラムニスト。昭和27(1952)年、北海道生まれ。中央大学法学部卒。同52年、共同通信社に入社。経済部記者などを経て平成8年に退社。フェミニズム問題・家族問題・教育問題をテーマに執筆活動を展開。著書に『男と女の戦争―反フェミニズム入門―』、共著に『夫婦別姓大論破!』。フェミニズムを斬るホームページ「反フェミニズムサイト」を主宰。
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by sakura4987 | 2008-03-27 13:21

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