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◆【一筆多論】乾正人 何をしている政経塾OB (産経 2008/4/28)






 最近の日本はもとより世界各国が共通して、政治や経済を中心とする各面での混迷混乱の現象を呈しております。このことはまことに由々しい限りであり、このままの状態であとしばらく推移するならば、きわめて憂慮すべき事態に直面するのではないかという感じが強くいたす昨今でございます。
                   ◇

 少々引用が長くなったが、憂国の情あふるるこの一文は、ねじれ国会が引き起こしている現在の国政停滞を批判したものではない。四半世紀以上も前の昭和57年11月27日、1面で中曽根内閣発足を大きく伝える産経新聞朝刊9面に「年末をひかえて 御礼とご挨拶(あいさつ)」と題された写真やイラストがまったくない広告の一部だ。筆者はこの日、米寿を迎えた松下幸之助。

 実は、この文章は「松下新党」結成を宣言するはずのスペースに差し替えで掲載されたものだった。

 ロッキード事件が象徴する政治腐敗、理念なき妥協を重ねた自民党と社会党による55年体制に怒りを感じた幸之助は晩年、政治改革に情熱を注いだ。同志とみこんだ財界人たちに新党構想を打ち明けるが、当時、闇将軍と呼ばれ権勢を誇った田中角栄の威光を恐れてか色よい返事をもらえなかった。身内からも反対され、土壇場で新党立ち上げを断念した。しかし、既に広告スペースをとってしまっている。律義な幸之助は窮余の一策として自らの挨拶文を載せた。

 という秘話を、本紙に今月1日まで連載された「同行二人 松下幸之助と歩む旅」(北康利著、PHP研究所刊)で教えられた。挨拶文はこう続く。

 「もとより私自身は高齢であり、肉体的には無理のきかないことも十二分に心得ております。しかしながら、せっかくこの世に生きながらえておりますからには、生まれかわった気持ちで、今後もいささかなりとも社会のお役に立てれば望外の幸せと存じ、なお一層の精進を重ねてまいる所存でございます」

 88歳の老人とは思えぬ裂帛(れっぱく)の気合が、ひしひしと伝わってくる。だが、時の利あらず。新党構想に先立つ昭和55年に私財を投じて設立した松下政経塾からは多くの政治家が輩出したが、新党が日の目をみなかったのはご存じの通り。

 もし、あのとき「松下新党」が誕生していたら日本の政治はどうなっていただろう。幸福と平和を繁栄を通じて実現させようという彼の理念が現実の政治ですぐ実現するほど世の中甘くない。10年後に誕生した日本新党のごとく、あっさり歴史の彼方(かなた)に消え去ったかもしれない。

 それでも国家経営に民間企業の手法を導入し、政治の生産性を向上させようとした幸之助の主張は今も古びていない。

 深い論議もなく、何も決められない国会。既得権益と天下り先確保だけ熱心な中央省庁。状況は四半世紀前よりもさらに悪化している。幸之助翁存命なら「平成維新」にとっくに走り出しているはずだ。

 さて、翁の遺志を継いだはずの政経塾出身者は、政治混迷の今、何をしているのか。OBは民主党代表を務めた前原誠司、衆院議運委員長の逢沢一郎、前少子化担当相の高市早苗ら逸材ぞろいだが、何かが足りない。それは救国への情熱だ。

 今こそ「松下新党」を結成しよう、という痴(し)れ者が現れるのを泉下の翁は首を長くして待っておられることだろう。
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by sakura4987 | 2008-05-01 13:46

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