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◆ロンドン支局長・木村正人 「JAPAiN」の特効薬



 (産経 2008/5/18)


 ◆日本ウオッチャーの眼

 ビル・エモット氏は英誌エコノミストの前編集長で、『日はまた沈む-ジャパン・パワーの限界』(1990年)で日本経済のバブル崩壊を予測するなど、正確な日本ウオッチで知られる。そのエモット氏の新著『ライバルズ』(英語版)の出版記者会見がロンドンで開かれたときのことである。

 中国とインド、日本というアジア3カ国の権力闘争が世界の次の10年を形作っていく、と氏が分析していたので、「政治、経済の停滞だけでなく、少子高齢化という根本的な問題を抱える日本を、どうして成長著しい中国やインドと並べたのか」と質問してみた。

 氏は「君、産経だと言ったね。ナショナリスト(愛国主義者)の新聞なのに、もっと自分の国に誇りを持たないといけないぞ」と、“カウンター”を放ってきた。そのうえで、「日本の政治は混乱から危機に陥っているが、次の総選挙とその後に予想される連立を経て、経済、政治改革へと動き出すだろう」と展望、(1)少子高齢化、人口減少問題を克服するには政治改革が不可避だ(2)中国の対日圧力が増し、日本の政治家は独立国家としての存亡をかけて変化を迫られる-と、その根拠を挙げた。

 2006年12月にインドのマンモハン・シン首相が来日し、安倍晋三首相(当時)との間で、「日印戦略的グローバル・パートナーシップ」の構築で合意した動きなどをとらえ、氏は「日本は対中カードとして、インドとの関係を強化し、未来の同盟国として活用するようになる」と予想。米国の関与を受けつつ、アジアで中国、インド、日本がパワー・ゲームを展開する近未来像を描いてみせた。

 ◆浮足立った政と官

 エモット氏が06年まで13年間にわたり編集長を務めたエコノミスト誌は2月23~29日号で、経済の低迷に苦しむ日本の姿を、「JAPAN」に筆で「i」を書き加えて「JAPAiN(苦痛に満ちた日本)」と揶揄(やゆ)、「日本経済は利権確保や党利党略に固執する政治家に縛られたままだ」との厳しい見方を示している。

 同誌の日本分析には定評があるうえ、外国資本の動向に影響を与えるため、日本の「政」と「官」はざわついた。自民党と横並びで批判された民主党は在英日本大使館に抗議を要請し、結局、民主党の岩國哲人国際局長(衆院議員)名の「国名に苦痛をくっつけるとは国旗を燃やすに等しい行為だ」との反論が後日、掲載された。

 英紙フィナンシャル・タイムズは3月3日付で、日本企業がどんどん海外進出しているのに、日本では外資への警戒感が強いことについて、進入禁止の標識付きの日の丸を掲げ、「一方通行?」と皮肉った。同大使館の水鳥真美公使は「日本の投資環境が完璧(かんぺき)だと主張するつもりはないが、着実に前進している」と投書欄でささやかな抵抗を試みた。

 だが、05年の直接投資額とその対GDP(国内総生産)比を見ると、彼我の差は歴然としている。日本1009億ドル、2・4%▽米国2兆7971億ドル、22・5%▽英国8630億ドル、40・9%▽ドイツ6604億ドル、25%▽フランス9570億ドル、47・4%…。

 ◆逆戻りは許されない

 英国では電力会社、空港会社、サッカーのプレミアリーグにも外資規制は存在しない。規制は軍需産業のBAEシステムズとロールス・ロイスの2社に残るだけだ。日本とは両極端ともいえる大胆な外資導入は、新自由主義を掲げたサッチャー元英首相が先鞭(せんべん)をつけた。同首相の狙いのひとつは日本企業誘致だった。

 1980年、英南部のブライトンで開かれた保守党大会。同首相は「もし逆戻りしたかったら、そうしなさい。淑女は逆戻りはしない」と宣言、高失業率、インフレといった「英国病」を克服する不退転の決意を示した。幸か不幸か、JAPAiNの日本は経済的にはまだ、この時の英国ほど深刻な状況に追い込まれてはいない。

 エモット氏は新著で、日本の政官財界で起きている変革の兆しを例に取り、現実的で慎重な日本が緩やかに変わってきている様子を描き出す。そのうえで、日本が明治維新、先の敗戦で大変革を遂げた点を挙げ、「日本は選択の余地がない状況に追い込まれたとき大きく変化する」と指摘している。

 驚異的な経済成長を背景に軍事・外交力を増す中国は、日本に明治維新並みの大変革を迫る最大要因になる。中国、インドとの経済競争は相乗効果をもたらし、「JAPAiN」の特効薬になるだろう。中国が今後、対日圧力を増してくれば、日本もいつまでも“パンダ外交”を歓迎しているわけにはいくまい。大国になった中国の隣で日本が生き残るためには、政治・経済改革の逆戻りは許されないのである。
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by sakura4987 | 2008-05-30 08:49

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