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◆【湯浅博の世界読解】米国の“変節”に嫌気



 (産経 2008/8/5)

 http://sankei.jp.msn.com/world/america/080805/amr0808051958009-n1.htm


 ビアスの「悪魔の辞典」によれば、政治とは主義主張の仮面をかぶった利害のぶつかり合いだそうだ。損得勘定が違ってくれば、逆に主義も主張も変わることになる。

 欧州大陸の歴史は、まさに離合集散の繰り返しで、同盟国といえども「いつ裏切られるか」に神経をすり減らしてきたという。

 日本人が同盟国の“変節”をたっぷりと体感したのは、ご存じ、北朝鮮をめぐるテロ支援国家指定の解除問題と、つい最近の竹島をめぐる地名変更がそれに該当するだろう。

 日本固有の領土たる竹島について、米政府機関の地名委員会はこれまで「韓国領」としていたものを、先ごろ、「主権未確定」に変更した。ところが、韓国から抗議を受けると、とたんに「韓国領」に戻してシラッとしている。ブッシュ大統領が6日に訪韓するから、直前に刺激を与えて抗議デモに囲まれたらかなわないとの判断なのだろう。

 しかし、それが誤りであることは米国の外交文書をみれば明らかである。サンフランシスコ講和条約の起草過程を通じて、当の米国が竹島を明確に「日本領」としていたのだ。

 駐日政治顧問代理シーボルトから国務長官あての電報(1947年11月14日)は、「この島に対する日本の領土主張は古く、正当と思われる」と明言している。当時のラスク国務次官補から韓国大使あての公文書でも、「朝鮮の一部として取り扱われたことは決してなく、1905年ごろから島根県隠岐支庁の管轄下にある」(51年8月10日)と通告している。

 竹島をめぐるブッシュ政権の判断は、明らかに過去の文書を無視して「悪魔の辞典」のルールに従っていた。これを変節とも狡知(こうち)ともいう。

 しかし、日本人の心情からするとそれは信義にもとる所業にほかならない。日本の世論が米国の変節に嫌気していることは、本紙とFNNが実施した最新の世論調査で明らかだ。

 米国の軍事行動を後方支援する新テロ特措法の延長について、賛成32.3%に対して反対が53%に達した。昨年11月の調査では、逆に5対4で賛成の方が多かったから米国支援に疑問を呈している。

 これまでの日本は、北朝鮮の暴発を防げるのは米国の軍事力しかないとの考えから、イラクやアフガンで支援してきた。まして「拉致はテロだ」と公言したのは米政府高官だった。

 過去の米外交を見ると、敵対国が核開発に成功すると、たちまち融和策に転じる傾向がある。ドゴール大統領のフランスが核実験に踏み切ると、あっという間に変心したのがそれだ。続くイスラエル、中国、インド、パキスタンによる核実験に対しても手のひらを返している。

 京都大学の中西輝政教授は、アングロサクソンにありがちな傾向を「勝てない相手なら手を結べ」とするプラグマティズムの発想であるという。

 ウォールストリート・ジャーナル紙はテロ指定解除は「日本への裏切り行為」で同盟を損なうと警告していた。北朝鮮をどう扱うかをめぐっては米国内に見解の対立があるのが救いである。

 中国への対抗から日米同盟が欠かせないなら、ここはビアスの流儀にしたがい、祖国のためにウソつく愛国的な外交芸を駆使して米国を取り込むしかない。
by sakura4987 | 2008-08-11 15:19

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