◆仏政府「国歌に野次なら試合中止を」 プラティニ氏「馬鹿げてる」
(ヤフー 2008/10/19)
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20081019-00000029-ism-socc
国際戦で国歌斉唱中にブーイングが起きた場合の対処法について、フランス政府とUEFA(欧州サッカー連盟)のミシェル・プラティ
ニ会長の意見が対立している。ロイター通信が報じた。
過去にも国歌斉唱中のブーイングが問題視されてきたサッカー界。特にフランスがモロッコ、アルジェリアといったかつての植民地をパ
リのスタッド・ドゥ・フランスに迎えた際には、フランス国歌の斉唱中に野次が飛ばされてきた。現地時間14日(以下現地時間)に行な
われたチュニジアとの国際親善試合でも同様の出来事が起きており、フランスのニコラ・サルコジ大統領は試合の翌日に、FFF(フラン
スサッカー協会)のジャン・ピエール・エスカレッテ会長を呼び付け、国歌斉唱中にブーイングが起きた場合は即刻試合を中止するよう求
めたという。
エスカレッテ会長は17日付けの『ル・パリジャン』紙のなかで「我々は新たな状況に対処しなくてはならなくなった。私はスタジアム
を空にすることができるとは思えない。人々が出て行こうとしなかったらどうすればいいのか。その後、彼らが通りに溢れ出たらどうなる
だろう?」と、政府の指示は非現実的とのコメントを発した。
これを受け、UEFAのプラティニ会長も同日付けの『ル・モンド』紙に対し「国歌がブーイングを受けたからといって試合を中止して
いたら、ピッチ外のボールを追う選手やGKがブーイングを受けたときも、即刻試合を取り止めることになる。馬鹿げた話だ」と一蹴。同
氏はさらに「私がフランス代表としてプレーしていた30年前だって、『ラ・マルセイエーズ』はフランスのあらゆるスタジアムでブーイ
ングを受けていた。でも当時は政治家がフットボールに興味など持たなかったからね。ショックを受けた人間なんかひとりもいなかったよ
」と皮肉を見舞った。
この発言に反論したのがスポーツ・青年相のベルナール・ラ・ポート氏。翌18日の『レキップ』紙上で「UEFAの会長として何を発
言しても構わないが」と前置きしながら、「わが国の法律では、国歌に対する野次は7500ユーロ(約100万円)の罰金、禁固6カ月
に処され得る犯罪だ。これはUEFAが関与することではない」とコメントし、政府としての見解を訴えていた。