◆国連 日本の死刑制度に批判
(NHK 2008/10/17)
http://www.nhk.or.jp/news/k10014783671000.html#
各国の人権の状況を審査する国連の委員会で日本の死刑制度について取り上げられ、日本政府が「厳格な手続きを経ている」として理解を求めたのに対し、委員の間からは「死刑によって重大な犯罪を抑えることができるのか」などといった批判的な意見が相次ぎました。
スイスのジュネーブにある国連の自由権規約委員会は、国際人権規約に基づいて各国の人権の状況について審査しており、16日までの2日間日本の実情について取り上げました。
このうち、委員会が10年前日本政府に廃止に向けた措置をとるよう勧告した死刑制度をめぐっては、外務省の上田秀明人権人道担当大使が「日本では厳格な手続きを経たうえで最も重大な犯罪に死刑判決を出している。国民世論の多数も、きわめて凶悪な犯罪には死刑もやむをえないと考えている」と述べ、理解を求めました。
これに対して、17人いる委員の間からは「死刑によって重大な犯罪を抑えることができるのか」とか「世論を理由にして死刑を正当化するのは問題だ」などといった批判的な意見が相次ぎました。
死刑制度をめぐっては、人権団体などが、世界的に廃止の動きが広がっているなかで日本ではむしろ死刑執行のペースが早まる傾向にあると批判しています。委員会では、死刑制度を含む日本の人権状況について、今月末に見解を取りまとめることにしています。