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◆【湯浅博の世界読解】同盟の“静かな危機”到来



 (産経 2008/11/26)


 いくら米国の歴史を塗り替えたオバマ次期大統領でも、空を飛び、水の上を歩く魔法や手品が使えるわけではない。空前の選挙資金を集めたとはいえ、その裏技が未曾有の金融危機の補填(ほてん)に使えるはずもない。

 ない袖は振れないのに期待だけは高まる。しかも、イラク撤兵の公約が重くのしかかり、アフガニスタン復興への期待が加算されていく。

 論理的な帰結は、主要国に対する軍事要員や戦費負担の分散である。同盟を結ぶ日本に対しては、イラクやアフガニスタンへの負担肩代わり要請の圧力が増してくる。少なくとも、1996年以降、日米間で合意した約束を迅速に処理しなければ、同盟そのものが危うくなるだろう。

 在日米軍の再編を後押しすることを軸に、在沖縄海兵隊のグアム移転を支援し、駐留米軍への経費負担を進め、日米地位協定の円滑な履行が必須となる。

 ジョンズ・ホプキンス大学のケント・カルダー教授は最新著『日米同盟の静かなる危機』で、「サンフランシスコ体制に閉じこめたままでは同盟の“静かなる危険”を克服できない」と警鐘を鳴らす。

 サンフランシスコ体制とは日本が米軍基地を引き受ける代わりに、自由な米国市場へのアクセスが許される「非対称的な取引」をいう。もはや、「集団的自衛権はあるが行使しない」というまやかしは通用しなくなるということだ。

 オバマ次期政権は二国間の同盟が本来の行動をとれないなら、日米同盟からの脱却が力を持ってくる。浮上してくるのは、日米中対話や5カ国による北東アジア安保フォーラムの創設である。

 オバマ新政権の対アジア政策の中心は、元国務官僚のジェフリー・ベーダー氏である。クリントン政権下で中国部長、次官補代理、さらに国家安全保障会議(NSC)のアジア部長を歴任している。クリントン大統領の11日間に及ぶ訪中時のアジア部長だから、日韓を素通りする演出に関与した可能性が濃厚だ。

 ベーダー氏を親中派と呼ばずして、誰を親中派とよぶことができるだろう。いるとすれば、国務長官候補にあげられたヒラリー・クリントン上院議員その人ではあるまいか。献金額の高い中国系ビジネスマンをホワイトハウスに宿泊させ、中国人民解放軍が後ろ盾の中国企業からも献金を受けたと取りざたされた。

 仮に国務省が親中の「パンダ・ハガー」路線に傾斜するのなら、日本は国防総省とのきずなを強化する必要に迫られる。そのカギを握るのは、集団的自衛権の行使である。

 金正日総書記の健康悪化説が流れ、不測の事態がいつ起きても不思議ではない。北朝鮮はすでに中距離ミサイル「ノドン」に搭載可能な核弾頭を保有しているとの見方もある。東シナ海の日中中間線の近くを中国の最新鋭ミサイル駆逐艦がうろうろしている。

 日本が独自に対北、対中の抑止力を発揮するには限界がある。だからこそ、集団的自衛権の解釈を変え、米本土に向かうミサイルを撃ち落とすことが可能であるようにしておかねばならない。

 2010年の日米同盟50周年は、オバマ政権とともに迎えることになる。日米が共同対処しなければ、東アジアの危機は乗り切れない。
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by sakura4987 | 2008-11-26 14:30

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