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◆医師の太田さん、周産期医療のあり方訴える 産科4割減 崩壊の危機



 (産経 2008/12/14)


 妊婦受け入れ拒否が続いたのを機に、周産期医療のあり方が問われている。この20年で、出産できる病院は約6割に減少した。産婦人科医も減り続け、母体搬送の“都府県境超え”は日常茶飯事という。この緊急事態をどう受け止めればいいのか。対策はあるのか。小説『産声が消えていく』(祥伝社)を刊行した医師、太田靖之氏に聞いた。

 深夜の手術室。妊婦の緊急手術を始めたとたん、別の妊婦の容体が急変する。当直医はひとり。「至急、もう1組カイザー(帝王切開)の準備を」-。

 小説には実体験が描かれている。太田氏は米国で医師国家試験に合格後、国内で勤務医となった。ところが「あまりの激務に」疲れ果てて一度は離職した。“燃え尽きた”主人公はかつての自分そのものだという。

 徐々に復帰するつもりでいたが、求めに応じるうち再びハードワークに。全国を飛び回り、飛行機の搭乗回数は今年だけで100回を超えた。休みは月2日しかないそうだ。「静岡の病院は医師2人体制。私が行く36時間だけ、どちらかの先生が休める。沖縄では70代の先生1人が一島のお産を支えている。日本中で産科は崩壊しています」

 産科医が減る一因は訴訟のリスクだ、と太田氏はいう。

 「いくら医学が進歩しても死亡率はゼロにならない。科学が及ばない部分は存在し続ける。ところが、お産はうまくいって当然という風潮から、医療の責任が問われ始めた」

 例えば500人に1人とされる脳性麻痺(まひ)。「原因特定は難しく国が支えるべきだが、日本では医師を訴えなくては救済されない」

 現場に衝撃を与えた“モンスター判決”もある。大阪高裁は平成15年、救急患者を救命できなかったとして奈良県立五条病院に対し、遺族に4900万円を支払うよう命じた。「最善を尽くした」とする主張は通らなかった。

 もちろん、故意や怠慢による医療事故ならば医師は責任を問われなければならない。「ただ、力が及ばないこともある。万全でなければ、受け入れを制限せざるを得なくなる」。判決後に、救急患者の受け入れ拒否が7倍に跳ね上がった地区もあるという。

 無用な刑事訴追を減らす制度を構築する。労働基準法を順守する。この2つが達成されれば「医師は現場に戻る」と太田氏は言い切る。

 死亡事故を受けて、文部科学省が打ち出した定員増の対策には懐疑的だ。「医師が逃げた原因に取り組んでいない。劣勢の戦場に兵を送り込んでも、また去るだけでしょう」。厚生労働省に対しては「医師余りの時代がくるといっていたが、医学の進歩が医師の増加を吸収した。循環器内科など昔はなかった科が増えている。一方で産科医は減るばかり。医療再生のため、根本から政策を見直すべきだ」。

 問題は根深い。立ち止まっている余裕はない。
by sakura4987 | 2008-12-17 13:24

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