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◆【緯度経度】ワシントン・古森義久 「消去法」のアジア歴訪



 (産経 2009/2/14)


 米国のヒラリー・クリントン国務長官が15日から日本、中国などアジア4国の歴訪の途につく。オバマ政権の新国務長官が初めての外国訪問先に日本やアジアを選んだことは、「オバマ政権の外交の日本重視」あるいは「アジア重視」の表れだとする観測をも生み出した。だがオバマ政権の外交姿勢を全体に眺めると、どうもそうとはかぎらない構図が浮かんでくる。

 クリントン長官は15日にワシントンを発ち、日本、インドネシア、韓国、中国の順に16日から22日まで4カ国を歴訪する。

 超大国の外交の責任者としての国務長官が最初の訪問先にアジアを選ぶことは近年では例がなく、「オバマ政権はアジアを重視しているからだ」という観測が語られた。歴訪の第一の相手となる日本では「日米同盟の重視、そして日本の重視」だとして歓迎する見方も一部に広がった。

 ところが、こうした観測を戒める形で国防総省のアジア政策にかかわる高官が「クリントン長官が訪問先に北東アジアを選んだのはオバマ政権の他の代表たちが他の主要地域に先に手をつけたため、他の地域を選びにくくなったからだけともいえる」と論評した。

 オバマ大統領は外交の出発点でジョージ・ミッチェル元上院議員を中東担当特使に、リチャード・ホルブルック元国連大使をアフガニスタンやパキスタンのイスラム過激派がらみの西南アジア担当特使に任命した。いずれも国務長官の管轄下におかれるとはいえ、大統領と直接、協議する権限も与えられた。中東、イスラム、対テロと、米国政府にとってみな切迫した主要課題を国務長官とは別個の特使が扱うのだ。

 だからクリントン国務長官とすれば、中東には直接に関与できず、アフガニスタンやパキスタン、インドにもすぐに手を出すこともできなくなった。しかも欧州は6日からのミュンヘン安全保障会議に米国代表としてはバイデン副大統領が参加し、短期にせよ、欧州やロシアの担当の形になっていた。

 そうなると、クリントン長官に残された地域は中南米と北東アジアだけとなった。だが中南米は国によっては激しい反米感情があり、国務長官の来訪でどう爆発するかわからない。となると、残された訪問地域は北東アジアしかないことになってくる。国防総省高官の前述の言はこういう意味だった。

 米国議会調査局でここ30年以上もアジア情勢を専門に研究し、歴代政権の外交政策をみてきた専門官のラリー・ニクシュ氏も、「クリントン長官がアジアを最初の訪問の対象に選んだのは『消去法』の結果だといえる。当面、長官自身は踏み込めないという地域を除外していって、ほぼ唯一、残った地域がわりに友好的な諸国が多い北東アジアだったわけだ」と、同様の見解を示した。そしてさらに論評した。

 「オバマ政権は決して日本を重視しないとか、北東アジアを重視しないという意味でこそないが、今回のクリントン長官の訪問自体をオバマ政権の対外関係全体のなかで、日本やアジアに長期の継続的な優先的扱いや長期の優先的な重要性を与える証しとしてみることは間違いだろう」

 とくに「日本重視」という読み方は、国務省の公式発表がクリントン長官の訪れる4カ国をまったく同列において、そのすべてに「協力的」「前向きな」「共通課題」という表現を使っているだけに、その理由づけは容易ではない。そうなると、「日本重視」も読み方というよりも、そうあってほしいという「願望」の記述に近いようにみえてくる。

 こうした状況下では日本としては、まだ幻かもしれない「オバマ政権の日本重視」傾向をあれこれ手探りするよりも、日米関係、日米同盟になにを求めるのかを具体的に考え、論じ、オバマ政権側に告げることこそが肝要であろう。
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by sakura4987 | 2009-02-14 09:46

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