2009年 02月 14日
(世界日報 2009/2/12) 習慣次第で寿命差12歳以上 メンタルヘルスカウンセラー 根本 和雄 わが国は、過去に例をみない勢いで高齢化が進み、一九九四(平成六)年に「高齢社会」の仲間入りをし、二〇一五(平成二十七)年には、高齢化率は25%を超えて、国民の四人に一人が高齢者である「超高齢社会」の到来が予想される。 このような状況のなかで健やかな人生を過ごすにはどうすればよいのであろうか。 それには、まず「健康寿命」を大切にし、それを支える生活を見つめ直すことではなかろうか。 世界保健機関(WHO)が二〇〇〇年に発表した「健康寿命」とは、障害を調整した生存期間(健康で生きられる人生の期間)を意味し、日本は男女合計で七十五歳で、加盟国一九一カ国のなかで一位を占めている。その要因について、WHOは「日本人の食生活は、伝統的な低脂肪食のために心疾患が少ないことが関係している」と述べている。 しかし、「今後は、肉食など高脂肪の食事が増えたことなどが影響して、日本人の健康寿命は男性を中心に伸び悩むのではないか」と警告している。 その端的な例が沖縄県の男性の平均寿命がこれまで全国一位であったのが二〇〇〇年に二十六位に低下した、いわゆる「26ショック」と言われるものである。その背後には、これまでの沖縄の独特の伝統的な食生活が近年、崩れて来たことに起因するものと思われる。 ハーバード大学教授のアレキサンダー・リーフは一九七六(昭和五十一)年に沖縄県竹富島と大宜味村を調査して、次の三点をあげて、健康寿命者の多いことを世界に発信した。①緑黄色野菜、海藻、大豆、魚、豚肉をよく摂取する②総摂取カロリー量が少ない③温暖な気候で、人々が活動的である。 しかるに、近年この理想的な食習慣が崩れてアメリカ型のファストフード店が普及し欧米化した食生活の急激な変化が沖縄の食文化クライシス(危機)であり、それは同時に日本全体の「食」のクライシス化への警鐘として深刻に受け止めなければならないのである。 そこで改めて、「健康寿命」を支える健康な食生活を見つめ直してみたいと思う。 まず、三大栄養素であるタンパク質(P)・脂肪(F)・炭水化物(C)のエネルギーバランス(PFCバランス)を3対5対12にすることが望ましいとされている。 次に、タンパク質は動物性と植物性のバランスよく1対1で食べることであり、動物性脂肪の摂り過ぎは、生活習慣病や大腸ガンの危険性が出てくるから気をつけなければならない。 さらに、植物性タンパク質として大豆食品(豆腐・納豆・煮豆・味噌など)を食べることは、大豆イソフラボンが、コレステロールや血圧を低下させる生活習慣病の予防に効果的である。これは、従来の日本の「和食」である。この伝統的な日本型食生活で気をつけることは、塩分を少なく摂取することで、WHOは一日に六㌘としている(日本高血圧学会も六㌘を目標塩分摂取量としている)。 さて、賢明な生活習慣について考えてみよう。「老化」とは“その人自身が人生にもってきたものすべてである”と言うように、毎日の生活の積み重ねによって健康は左右される。その具体的な例として「生活習慣」と健康との関係について、ブレスローらはカリフォルニア州のアラメダ郡で住民六千九百二十八人を対象に約十年間の追跡調査の結果、次の七つの生活習慣が健康状態と深く関わっていることが明らかになり、重要視されている。 一、毎日七~八時間の睡眠をとること。 二、喫煙はしないこと。 三、適度の飲酒か、全く飲酒しないこと。 四、定期的に適度な運動をすること。 五、毎日朝食を食べること。 六、不要な間食をしないこと。 七、適正な体重を維持すること。 これらの生活習慣について、アラメダ郡の四十五歳以上のすべての住民で比較した結果、実行している項目が三つ以下の人々と、六つ以上守っている人々とでは、平均して約十二歳以上の寿命差があるという(ブレスローらとベロックの研究・一九七二年)。 例えば、四十五歳の人で三つ以下しか実行していない人の平均余命は二十一歳であるのに対して、六つ以上実行している人の平均余命は三十三歳であるというのである。 このことは、いかに習慣の積み重ねが重要であるかを示している。即ち毎日きちんと食事をして、食事は少なめによく咀嚼し、酒はほどほどに、適度な運動をし、良好な人づき合いをし、小さいことにくよくよせずに、前向きに生きることの大切さを示唆していると思うのである。加えて「喜び」と「感謝」のこころを持って一日一日を充実して生活することに勝る健康はないと思うのである。 “老化は血管と共に、免疫力は腸によって”の言葉の如くに「血管年齢」と「腸管年齢」を健やかに保ち続けることが、取りも直さず「健康寿命」を支える生活術ではなかろうか。イギリスの哲学者、F・ベーコンは言う。“何よりも心掛けることは、食事・睡眠・運動そして朗らかな気分でいること。これは長生きするための最良の秘けつである”と。 2008年 12月 25日
新渡戸文化学園短期大学学長 中原英臣 (産経 2008/12/25) ≪■日本の正常値に疑問が≫ 血液中の総コレステロール値が高いと動脈硬化が進行する。高コレステロール血症は心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞の危険因子といわれてきた。 血液中の正常値である「150~220mg/dl(以下単位は略す)」を超えると、「高コレステロール血症」と医者の診断が出る。「このまま放っておくと動脈硬化が進行して心筋梗塞や脳梗塞の心配があるので、とりあえず総コレステロールを下げるお薬を処方しておきましょう」ということになる。ところが、この「220未満」という正常値には医学的な根拠がないのである。 たとえば30年ほど前の1976年に発行された『内科診断学』では正常値は「130~250」だった。それがいつの間にか「250未満」から「220未満」に下げられ、これまでに日本人の6人に1人に当たる約2300万人が「高コレステロール血症」と判定されてきた。 国際的な正常値も日本の数字とかなり違う。アメリカでは、30代は日本と同じ「220未満」だが、40代は「245未満」、50歳以上は「265未満」となる。ちなみに日本ではほとんどの正常値が年齢別になっていないが、医学的には20歳と80歳の正常値がまったく同じということがおかしい。 ≪■自然に数値が増えても≫ いずれにしても、正常値が「220未満」だと、閉経後の日本人女性の55%が高コレステロール血症と判定される。欧米では閉経後の女性で同血症とされる人は5%しかいない。理由は簡単で、閉経後の女性はおおむね50歳以上だから、欧米では総コレステロールの正常値が「265未満」となる。従って、高コレステロール血症と判定される女性が5%にしかならないわけだ。 日本でも欧米と同じ「265未満」とすれば5%に下がるだろう。そうなれば閉経後の女性の2人に1人が高コレステロール血症の認定から解放される。そもそもコレステロールは女性ホルモンを合成する材料となるため、女性ホルモンを合成しなくなった閉経後の女性の血液中の総コレステロールが高くなるのは自然なことなのである。 このように「正常値」そのものも曖昧(あいまい)な総コレステロールだが、実は、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化とも直接に結びつくわけではない、というのが最新医学の常識となっている。 このことはフランスのセルジュ・ルノー教授が赤ワインが心筋梗塞の予防になることを証明した1992年に明らかにされた。古くからフランス人の場合、心筋梗塞で死亡する割合が低いことが知られていた。人口10万人当たりの心筋梗塞による死亡率をみると、フランスが181人なのに対し、スウェーデンが375人、ドイツは351人、イギリスは328人と、それぞれ2倍前後になる。 フランスと同様に赤ワインを飲む習慣があるポルトガルやイタリアでは、その値は低い。この現象は「フレンチ・パラドックス」と呼ばれ、長いこと医学の謎とされてきたが、これを解く鍵が赤ワインにあることがわかった。 ≪■メタボ健診からも除外≫ その後、心筋梗塞や脳梗塞の引き金となる動脈硬化は総コレステロールの増加ではなく、悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化されることによってできる「酸化変性LDL」が原因となっていることが解明された。動脈硬化の真犯人はコレステロールや悪玉コレステロールそのものではなく、悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化されることでできる酸化変性LDLだったのだ。 こうしたことから心筋梗塞や脳梗塞の予防には、悪玉コレステロールの酸化を防ぐことが重要ということがわかる。そこで登場するのが悪玉コレステロールの酸化を抑える働きを持つ抗酸化物質である。赤ワインを飲むフランス人が心筋梗塞になりにくいのは、ポリフェノールという抗酸化物質が赤ワインに含まれていたからである。 抗酸化物質が含まれている野菜を1日350グラム以上摂取することも有効である。 その証拠に、今年4月から40~74歳を対象にスタートした「メタボ健診」とも呼ばれる「特定健診」の項目から総コレステロールが削除された。このことは、これまで健康診断や人間ドックで行ってきた総コレステロールのチェックが医学的には何の意味もなかったということを厚生労働省が認めたことになる。 世間では腹囲チェックに関心が集中するメタボ健診に総コレステロール検査がなくなったことで、多くの日本人が「高コレステロール血症」から解放される。その結果、増え続ける医療費が節約されることを期待したい。 2008年 08月 22日
(産経 2008/8/21) http://sankei.jp.msn.com/world/america/080821/amr0808211001004-n1.htm 肥満防止のためにファストフード店の新規出店を1年間禁止する条例案がロサンゼルス市議会で可決され、論議を呼んでいる。同様の措置を求める動きは他都市にも波及しつつあり、レストラン業界団体は「ファストフード店だけが肥満の原因ではない」と、条例化を阻止する構えだ。 ロサンゼルス市議会で20日までに可決された条例案は、低所得者が多い南ロサンゼルス地区で住民の肥満が目立つことを受け、同地区へのファストフード店の新規出店を1年間禁止するというものだ。市議会では先月末に全会一致で可決され、現在市長の署名待ちとなっている。 特定の形態の飲食店を禁止する条例は全米でも初めてとみられる。ロス市当局の調査によると、南ロサンゼルス地区の成人の肥満者率は30%、同地区の飲食店に占めるファストフード店の割合は73%と、いずれも市内の平均を大きく上回っている。 同様のファストフード店出店禁止条例案はカリフォルニア州のサンノゼ市議会でも提案されており、他都市にも広がりつつある。これに対し、全米レストラン協会は「肥満の原因は複合的で、ファストフード店だけが標的にされるのは不公平」と反発している。 肥満者の増加は米国で大きな社会問題となっている。米市民団体「アメリカの健康への信頼」(本部ワシントン)の調査では、成人人口の3分の2が太り気味か、肥満とみられている。1980年には、全米の肥満者率は15%に過ぎず、91年の段階でも20%を超える州はなかったが、現在では、28州で肥満者率が25%を超えているという。 2008年 08月 22日
(世界日報 2008/8/21) 道都大学教授 佐藤義信 ■最高位の財産 健康は、愛情や美貌などと並んで、イメージの最もよい言葉の一つである。そこには、確かに“限りのない憧憬(理想像)”と“現実からの希求”という言わば“夢”と“現実”の二者が伴い、その間に「欣求」(心から願い求めること)があって、好ましい映像を生むのであろう。究極の健康は、極楽浄土と似ているのかもしれない。 時あたかも、四年に一度のスポーツの祭典が、アジアで三都市目(夏季五輪)の北京を舞台に進行中だが、技を競うアスリートたちの鍛錬された肉体を見ていると、まばゆいばかりである。他方、長期の闘病等から解放され、健康を回復したときの喜びは何物にも代えがたいに違いない。均整のとれた肉体美や疾患からの解放などが好印象に重なり、そのイメージを豊かにする。 哲人プラトンは言う。「財産とは、一に健康、二に美貌、三に富」と。加えるに、「ミロのヴィーナス」の気品ただよう調和美もまた「健康美」に他ならない。あらゆる富に勝り、絶世の美女をもしのぐ最高位の財産、気高い愛と崇高な美の根源にあるもの、それが健康であるとも言えるであろう。 ■「孫は優しい」 ところで、そんな強い憧憬と希求を随伴し、嘱望される健康だが、誰でもがそれを現実に手中にできるとは限らない。筆者はかねて、健康は「身・心・魂」の有機的総合機能の結果ととらえ、「気・血・動・眠・排」のトータル・バランスを主張してきた。 後者はそれぞれ端的に、 上機嫌による生気(ストレスからの自由)、 正しい食生活に基づく浄血、 ウォーキング等を含むエクササイズ、 夜半前からの快眠(Beauty Sleep:午後十時から午前二時を含む美容と健康のための睡眠)、 食物繊維による快便を意味し、 健康はそれらが「有機的に連動する相乗作用の結果」とする認識をいう。 ここでは、食と健康の視点から、伝統食の威力を学びたい。私たちは、成育し現に生活している風土を大事にし、身土不二や地産地消を推進すべきである。 「孫は優しい」(先唱者は吉村裕之氏)は、これに合致する伝統食の勧めである。もとより主食「ご飯」の主菜、副菜としてである。 (マ)豆は五穀の一つで米麦に次ぐ。豆まきは霊力の証し。タンパク質やミネラルの豊富な「枝豆」(茶豆他)は、先ごろ国際語に昇格。肝機能を向上させ、血管拡張や血行・アルコール分解の促進等に加えて不老長寿の成分(プロスタグランジン)が注目される。「枝豆は、すでに奈良時代から『生大豆』と呼ばれ、夏の涼しげな食べ物として、また女性のスナックとして愛用されていますが、酒の席には不可欠でした」(永山久夫氏)。他、味噌・醤油・納豆・黄な粉・豆腐等々の実力、和食の要。 (ゴ)呪文「ひらけ胡麻!」は奇跡的魔力の証し。五輪マラソン史上連続金メダル(ローマと東京大会)のアベベ選手の大好物が胡麻。僧侶も戦国武将も重用(病気抵抗力、籠城の際など)したという。若返りのビタミンE、神経を鎮めるカルシウムが豊富。 (ワ)ワカメに代表される海藻。コンブ・ヒジキ・青海苔等々。繊維質に富み、ミネラルの宝庫。 (ヤ)野菜の薬効は多様であるが、とりわけ死因上位のガン予防に優れる。(「ガン予防法14カ条」)。にがうり(ゴーヤー)のビタミンCは加熱しても壊れにくいのが特長。苦味が食欲を刺激するので、夏バテ予防に効果あり。牛蒡でデトックス(毒消し)等々。 (サ)日本人の二大健康食は「米と刺身」、鮨は国際語としてすでに浸透。日本の表土は多雨・急流のため川を下り海に。江戸前を初め近海は栄養の宝庫、したがって豊かな魚介類。血管を守り、ボケを防ぐ青背魚のEPA・DHA。 (シ)椎茸に代表される茸(木の子)。βグルカンはNK細胞を活性化し、免疫力を高める。 (イ)根菜は、冬野菜として大事。じゃがいもはカリウムの王様、塩分を体外に排出してくれる。フランス語では「大地の林檎」と呼ばれる。 戦後この方、アメリカの「小麦戦略」等もあって、「崩食」が問われている。公私ともに「伝統食」に立ち返り、行く末を再構築したいものである。その際には、自らが「食べたもの」と自らが「思い描いたもの」が自らの「健康」と「運命」を決定することを忘れてはならない。 2008年 08月 11日
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a4%bf%a4%d0%a4%b3&k=200808/2008080600880 たばこ関連税の大幅引き上げを目指す超党派の「たばこと健康を考える議員連盟」が、月内にもまとめる中間報告でたばこ1箱の価格を600~1000円に引き上げるよう提言する見通しとなった。たばこの大幅増税は2009年度税制改正の焦点の一つとなりそうだが、日本たばこ産業(JT)やたばこ農家など関連業界の反発は必至で、議論を呼びそうだ。 中川秀直元自民党幹事長や前原誠司民主党副代表らとともに議連の共同代表を務める小宮山洋子衆院議員(民主)が6日の会合後、記者団に対し、値上げ後の価格について「(500円玉1枚で買える)ワンコインでは効果が低い。少なくとも現状の2倍から1000円の間で検討する」と述べた。 ◆小宮山洋子 『ウィキペディア(Wikipedia)』より http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AE%AE%E5%B1%B1%E6%B4%8B%E5%AD%90 政治的にはリベラルな傾向が強く、1999年8月、参院本会議の国旗国歌法案に反対し、皇室制度改革を推進する立場で、皇室典範改正による女系天皇容認を主張した。 また、民法改正による選択的夫婦別姓導入に積極的な立場である。 禁煙行政に力を注いでおり、超党派による禁煙推進議員連盟の事務局長を務めた。「たばこ増税」にも積極的な立場であり、「日本のたばこの価格は安すぎる。少なくとも倍か、それ以上にしたい」として、たばこの価格を欧米並みの一箱1,000円程度にするべきと主張しており、税収の増加分に関しては「健康や福祉に還元していきたい」としている。 在日外国人の参政権付与の推進者であり、大韓民国民団中央本部アンケートによると、日本で外国人参政権が実現しない理由については「日本人は日本国の国民とは日本人のことという意識が強いため」と主張している。2008年1月には、在日韓国人等に参政権を付与することを目的とする在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟に参加した。 「傍聴席から見下ろすと、紺やグレーの背広を着た男性議員ばかりの議場は「ドブネズミ色」に見える」(2007年7月31日 東京新聞)と発言し、物議をかもした。 ■国会事務所 〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1衆議院第一議員会館319号室 TEL:03-3508-7319 FAX:03-3508-3319 メール:komiyama@t3.rim.or.jp 2008年 06月 17日
最もよい休養は「睡眠」/新陳代謝回復でつく復元力 (世界日報 2008/6/13) メンタルヘルスカウンセラー 根本 和雄 ■「メカ社会」に増える眼精疲労 禅の言葉に「飢(う)え来たりて飯(はん)を喫(きっ)し、倦(う)み来たりて眠る」とある。 即ち“お腹がすいたらご飯を食べ、疲れたら眠る”という当たり前のあるがままの生き方を説いたもので、これは臨済宗の開祖、臨済義玄の言行録『臨済録』に書いてある禅語である。 確かに、“疲労は最善の枕である”とアメリカのベンジャミン・フランクリンは述べているし、また疲れたときに眠る休養に勝るものはないことを、スイスの法律学者、C・ヒルティも“あらゆる休養のなかで最もよいのは眠りである”と明言している(『幸福論』第三部・三)。 昨今、「睡眠障害」や「眼精疲労」に悩まされている人が増えている。その背後には、長時間パソコン作業に従事する「メカ社会」の現状を無視することができないであろう。 シカゴ大学のE・ジェイコブソン(臨床生理学研究所長)は、“目の筋肉の疲れをリラックスさせることができれば、人間は悩みを忘れることができるであろう”とまで語っている。つまり、「眼精疲労」は全神経エネルギーの四分の一(25%)を消耗しているという。 長時間近くを見ていると、水晶体を調整する毛様体筋が緊張して疲れる。特に四十歳代後半以降は、目の調整力が低下するので時々筋肉をリラックスさせ、休んで遠くを見てリフレッシュすることが必要ではなかろうか。 ジェイコブソンは、“疲労と悩みの予防の最も有効な方法は、休養すること、しかも疲れる前に休息すること”で「積極的休養法」を説いている。なぜならば、心身にダメージを与えるストレス(マイナスのエネルギー)がミトコンドリア(細胞内の生命体)に作用して、新陳代謝を妨げる。ところが休息や睡眠は、この新陳代謝力(細胞の生まれ変わり)を回復させて、生体の復元力で身を守ってくれるのである。 ■煩雑な世事を忘れ脳を活性化 次に睡眠時間と睡眠リズムも大事であり、日大医学部講師、兼板佳孝(睡眠疫学)は、睡眠時間が七時間位の人が最も「うつ病」(気分障害)になる確率が低いという調査報告をしている(平成十八年十二月一日付「読売」・夕刊)。 また、米国スタンフォード大学(人間熟眠研究所)によると、睡眠不足が潰瘍・心血管疾患・高血圧・記憶力低下など深刻な問題を引き起こすと警告しているし、更にニュージランド・オークランド大学(研究チーム)によると睡眠不足は情緒不安定や行動障害を引き起こす危険性が高いという(本紙・平成二十年一月四日付)。従って、眠ることによって、煩雑な世事を忘れて脳を活性化させることができ、心身ともに健やかにする。 いみじくも、“眠ること、それは無関心になることである”と語ったのは、ベルグソン(フランスの哲学者)である。 「不眠症」の多くは、何かに捉われて、不安と焦りに苛まれているのではなかろうか。 焦らず、捉われない生き方が大事であると同時に、「不眠症」を解消する秘けつは、生活リズムを規則的にし、努めて朝早く起きて日光を浴びて、セロトニン(神経の伝達分物)の分泌をよくすることによって、気分が落ち着いて、少しずつ意欲が湧いて来る。無理をせずに、上手に睡眠リズムに乗せていく工夫を試みてはいかがだろうか。 また近ごろ、子供たちの「朝寝坊の宵張り型」の傾向のなかで、朝食を食べない「欠食児」が多くみられることは実に嘆かわしいことである。 文科省が“早寝早起き朝ご飯”を提唱するまでもなく、基本的な生活習慣の確立こそ、生きる基本であり、特に脳の発達を考えれば、記憶力と睡眠とは密接な関連があり、脳の記憶の倉庫(海馬)の扉は、睡眠中に開いて記憶として残る。従って日中に感動したり、興味深く熱中した学習は睡眠を通して記憶の中枢である海馬という倉庫に蓄えられて、必要に応じて記憶のなかから蘇ってくるのである。 ■自分にあった良い眠りを保つ 更に大事なことは、睡眠の質である。 脳の休養のために、睡眠はその質が問われる。 アメリカの外科医、ドワイトによれば、「夜十二時前の睡眠は脳の休養に良く、十二時前の一時間の睡眠は十二時過ぎの二時間に相当する位、脳の疲れを回復してくれる」という。 また、古くより“食後の睡眠は銀、食前の睡眠は金”といわれているが、よく眠った後の食事は実においしく消化吸収もよい。 また、“食後の睡眠は万病の薬”とまで言われる程に、食後胃を休めることは、代謝力をよくすると同時に免疫力を高めることにもなる。 いずれにせよ人間は眠らずには生きられないものであるが故に、いかに自分にあった睡眠を保つかということは大事なことである。 イギリスの劇作家、W・シェークスピアが“快い眠りこそ、自然が人間に与えてくれるやさしい看護婦である”と語っている(「ヘンリー四世」)ように、努めて快眠・熟眠・安眠を心掛けたいものである。 2008年 06月 03日
(世界日報 2008/6/2) 今でこそ、人生七十、八十年の長寿が当たり前の時代になったが、つい近々の過去までは、人生五十年というのが通り相場だった。織田信長が桶狭間の決戦で「人生五十年、下天の内をくらぶれば夢幻のごとくなり」と舞って臨んだエピソードもよく知られている。それほど日本人の人生は短かったのである。 もちろん、この背景には幼児の死亡率が高いことや医療環境があまり良くなくて病死するケースも多かったこともあるだろう。それほど昔は、幼児死亡率が高く、平均寿命を引き下げていた。 そのこともあって、幼児が健やかに成長するように、さまざまな厄よけや健康を願って行われた民俗風習があった。 神社にお参りをする七五三の風習も、そうした幼児の成長を祝う節目の儀式でもあったようだ。 その日本人が長寿国として躍進するようになったのは、どうやら昭和時代に入ってかららしい。 武藤直大著『1867~1946 新聞記事に見る激動近代史』(グラフ社)によれば、昭和十一年(一九三六年)十一月二十日の東京朝日新聞には、日本の平均寿命は何と「人生五十年」にも及ばない男四十四歳、女四十六歳であったと報じている。 「短い日本人の命」というこの記事には、「人生五十年には相当距離のある数字」と述べ、長寿国のデンマークが六十年以上という数字に比べて、「まだまだ我が国は『健康日本』などといって威張っておれぬ現状である」と嘆いている。 とはいえ、イギリスでは男五十五年、女五十九年、フランスでも男五十二年、女五十五年などと先進諸国もそれほど長寿ではないことを見ると、ここ数十年で飛躍的にどの国も数字が伸びたことが分かる。 少子高齢化社会に突入した日本に、高齢者に対する福祉や制度が不備なのも、こうした長寿社会が近々のことであるために、それに対する備えの思想が伝統的になかったこともあるかもしれない。 2008年 05月 07日
「1日5回笑って、1日5回感動する」をモットーに、医療の現場に「笑い」を広げる活動を続ける医師の高柳和江さんが、笑いのさまざまな効果を紹介する。 日本の医療現場では、医師も患者も笑顔を見せることが少ない。しかし、双方が互いに笑顔でいられれば、患者の本来持つ自然治癒力が高まると訴える。 笑うことで脳内伝達物質のセロトニン分泌量が増加し、がん細胞などを殺すNK(ナチュラルキラー細胞)が活性化、体の免疫力をアップさせる。笑いの効果を科学的に分析し、「とりあえず笑ってみよう。おかしくなくても、何で笑っているのかわからなくなって、次第におかしくなってくる」と勧める。たとえ重い病気になっても、心は軽くできるのではと問いかけてくる。(西村書店、1000円) 2007年 12月 02日
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/23/jp20071123_80116.html 高齢者は魚を多く摂取すると記憶力が衰えないという最新の研究結果が発表された。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。 22日付ロイター報道によると、この研究はノルウェーで行われ、「米国臨床栄養学雑誌」に発表された。研究スタッフが70歳から74歳までの高齢者2031人に対してテストを行ったところ、魚を常食するグループは、記憶力、視覚化力、運動技能、注意力、方向感覚、言語の流暢さの各項目で、魚を常食しないグループより優秀だった。 研究チーム主任のデビッド・A・スミス博士は、「6項目の認知テストでは、魚を常食する高齢者がより素晴らしい結果を出した。毎日魚を80グラム以上摂取すれば、さらに良い効果が得られる」と語った。 スミス博士はさらに、「研究チームは今後も研究を続け、魚に含まれるどの成分が有効なのかを突き止めたい。すでによく知られているオメガ3脂肪酸以外にも有効成分が存在する可能性が高い」と続けた。(編集KM) 「人民網日本語版」2007年11月23日 2007年 12月 02日
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/22/jp20071122_80093.html 自動車に乗って通勤、パソコンの前に座って仕事、帰宅してからはテレビの前に座る。現代人は、いつも座った状態が続いている。オーストラリアと米国の専門家によると、長時間イスに座ることは、喫煙や直射日光を浴びすぎるのと同じくらい健康に害があるという。 米国ミズーリ大学のマーク・ハミルトン教授は、毎日数時間座り通しで仕事をし、家に帰ってからもテレビの前に座るという人は数百万人にのぼる。このような生活習慣を続けていれば、心臓病、2型糖尿病、肥満になる確率が大幅に増えると指摘する。 オーストラリア・メルボルンの国際糖尿病学会の研究によると、健康のため毎日2時間運動をしても、十数時間も座って動かなければ運動の効果はないという結果が明らかになった。 専門家は、現代人の運動量は極端に少ない。長時間パソコンに向かい、テレビの前に座る生活は身体機能を低下させていく。オフィスで仕事をする時にメールや電話でのやりとりではなく、直接足を運んで伝達するなど工夫をして、体をもっとよく動かすよう注意を呼びかけている。 < 前のページ次のページ >
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