2009年 06月 11日
(産経 2009/5/29) http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/wakayama/090529/wky0905290337000-n1.htm 前航空幕僚長の田母神俊雄氏(60)が、田辺市新屋敷町の紀南文化会館で「日本は侵略国家であったのか」と題した講演を行った。市民ら約450人が集まり、時折拍手を交えながら聴き入った。 田母神氏は自説の論文応募をきっかけに航空幕僚長を解任された経緯などをふまえ、「政治家は問題が大きくなることを避けたいがため、自らの国をおとしめている」と述べ、リーダーを作ることに重点を置いた戦前の教育を見直すべきだと指摘。さらに「皆の幸せのために先頭に立って頑張る人」を育てるため、「道徳教育で世界中の偉人を見習うことが大事」と訴えた。 また、学校教育で軍事をタブー視している現状を嘆き、「相手が理不尽なことをしたら『殴るぞ』と言うのが普通の国。日本は『話し合うぞ』だ」と、北朝鮮の拉致問題などをめぐる政府の対応を批判。「日本を悪く言う言論の自由はあるが、日本をよく言う自由は全くない」と締めくくり、「保守の言論を盛り上げていこう」と呼びかけた。 ◇ 講演後、田母神氏は産経新聞の取材に応じた。県内を訪れるのは3度目といい、「神話に出てくる素晴らしい歴史と伝統を持つ県」と印象を述べ、講演についても「反応を感じながら楽しくできた」と満足した様子だった。各地での講演には若者も多く参加しているらしく、「誰かのために貢献することが、充実した人生を送れることにつながる」とメッセージを送った。 2009年 06月 09日
(searchina 2009/6/1) http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0601&f=national_0601_016.shtml 日本を訪れた外国人が一様に驚くことがある。それは、日本の“落し物文化”。届けられた落し物は警視庁において綿密にデータベース化され、なくした傘一本のためにわざわざ引き取りにくる人もある。この“文化”について、日本を訪れたことのある米国人が、米国ユーザー参加型サイト「NEW YORK TIMES」において話題にしている。 日本での体験について、ユーザーbigpeelerは「渋谷のハチ公前で財布をなくしたけれど、警察に届けてくれた人がいた。その人はお礼も辞退したから、日本の礼儀にしたがって何度もお辞儀を返した」。また、beenanboneは物の扱い方について「ラーメンのデリバリーでは、食べ終わった後の陶器のボール(どんぶり)を水ですすいで、ドアのところに置いておくと配達の人がそれを回収してゆく」と語る。 また55PercentCrewは、「日本人は他の文化より強い共同体意識があるようだ。これだけの過密都市でそれが成り立っているとは、不思議なくらいだ」と語る。 depro9は、「どうして同じ日本人が戦争で南京の大強奪などしたのか、考えられない。私は今韓国に住んでいるけれど、年配者の中にはこの記憶を持っている人が多い。韓国の人はあまり日本人を好きではない」と述べる。 全体的に、日本人の見返りを求めず所有者に届ける態度を“honesty(正直)”と呼び、米国人は敬意を表しているようだ。痛みの歴史を持ちながらも、優しさには優しさが確かに返ってくる。 2009年 05月 29日
(産経 2009/5/20) ちょっぴり恐れ多いが、ひそかに「そうですね名人」と呼ばせていただいている。 来月9日、将棋の「第80期棋聖戦」で木村一基八段(35)の挑戦を受ける羽生善治四冠(38)のことだ。インタビューや対談で質問を受けると、まず、「そうですねぇ…」とひと呼吸おいてから、答える癖がある。 昨年末の竜王戦。3連勝で史上初の永世七冠に王手をかけながら、渡辺明竜王(25)にまさかの4連敗を喫した羽生さんは、その直後に放送されたドキュメンタリー番組でも「そうですね」を連発していた。 われわれ凡人が、日常生活で乱発する「そうですね」は、いわば会話の潤滑油。たいていは何も考えていない。 羽生さんの場合、インタビュアーの質問が、仮にどんなに的外れなものであっても、いったんは「そうですね」と肯定的に受け止め、瞬時に頭をフル回転させ、極めて的確に、ときには質問を微妙に訂正しながら答えていく。 それは将棋の門外漢でも「なるほど!」と、ひざをたたきたくなるほどわかりやすい。しかも、羽生さんのすごいところは、自分の指した将棋以外の話でも驚くほど気さくに答えてくれることだ。 昨年7月、棋聖戦を逆転で制した直後、対局場のあった伊豆から東京へと戻る列車で羽生さんと隣り合わせた。その際、こちらの興味津々の質問にも、女流棋士たちの潮流から夫人の実家の話まで、「そうですね」を連発しながら、笑顔を絶やさない。 先のドキュメンタリーでは、竜王戦直後、改めて羽生さんにインタビューしていた。その中で、敗因を聞かれた羽生さんが、とても素直に「わからないんですよ。3日たった今も、どこが悪かったのか…」と答えていた。 日本で屈指の頭脳を持つ男が、人気を一身に集めるのは、恐ろしいほど高速回転する思考回路を包み隠す、素直とも繊細とも違う、このどこか突き抜けた包容力ではないかと思う。 もっとも、インタビューの最後、羽生さんは「そうですね」とは言わなかった。質問は「なぜ、渡辺竜王は勝てたのでしょうか?」。羽生さんは、このときだけ「えっ」と絶句し、「それは渡辺さんに聞いてください」とムッとした表情を見せた。 「そりゃ…そうですね」。テレビの前、代わりに答えておいた。 2009年 05月 29日
(時事 2009/5/22) http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009052200635 「しゅうち心 なくした妻は ポーニョポニョ」(1位)。 第一生命保険は22日、「サラリーマン川柳コンクール」のベストテンを発表した。身近な存在である妻のテーマが根強い人気を集め1位と3位になったほか、厳しい世相を反映して雇用や健康、政治などを扱った作品も上位に入った。 22回目の今回は、2万1455句の応募から100句の入選作を2月に発表。さらに、10万票を超えた人気投票の結果で順位を付けた。 ●参考 第二位「久しぶり ハローワークで 同窓会」 第三位「ぼくの嫁 国産なのに 毒がある」 第四位「朝バナナ 効果があったの お店だけ」 第五位「やせたのは 一緒に歩いた 犬の方」 第六位「『ストレスか?』 聞かれる上司が その原因」 第七位「コスト下げ やる気も一緒に 下げられる」 第八位「パパがいい それがいつしか パパはいい」 第九位「胸よりも 前に出るなと 腹に言う」 第十位「篤姫に 仕切らせたいな 国会を」 ◎第一生命保険相互会社「サラリーマン川柳コンクール」 http://event.dai-ichi-life.co.jp/company/senryu/index.html?WT.svl=24 2009年 05月 22日
(recordchina 2009/5/17) http://www.recordchina.co.jp/group/g31500.html 日本に働きに来て間もない頃、私は毎日疲れていた。職場が遠かったこともあり、地下鉄に乗る時はいつも座りたかった。電車がホームに入ってくると、目を皿のようにして空席を探す。ドアが開いた途端、並んでいる人がいようが下りてくる人がいようがお構いなく、空席に向かって突進すれば必ず座れた。だが、しばらくすると少し不安になった。なぜいつもライバルがいないのだろう?人混みをかき分けて乗り込んでいくとみな道を開けてくれる。列が乱れることもない。 ある時、ホームにはいつものように長い列が作られていた。空席はたった1つ。私はドアが開いた途端に思いっきり駆け込んだ。ところがこの時はもう1人、ライバルがいた。しかし、相手の動きが遅いのが幸いして、私は無事に席をゲットする。だが、良く見ると相手は老人だった。私のおじいさんくらいの年齢か。私はゆっくりと席を立ちあがった。車内中の人が私を見ている。老人は私に何度もお礼を言った。私は慌てて別の車両に移った。それ以来、私は列に並ぶようにしている。 また、ある雨の日。私は水が滴る傘を持って地下鉄に乗った。ちょうどラッシュの時間帯で車内は混んでいた。突然、私の傘が誰かの服に引っ掛かり、傘の骨が曲がった。ちょうど私が何か言おうとした瞬間、相手が先に口を開いた。「すみません、服があなたの傘に引っ掛かってしまいました」。相手は言い終えると、自分の服から傘を外した。私は何も言えなかった。もし相手が何か言いがかりをつけてきたら、絶対に口論になっていただろう。だが、相手は先に謝った。それどころか、自分の服が悪いという言い方をした。私は返す言葉がなかった。その後また、別の人の服に傘が引っ掛かった。だが、この時も相手は「すみません」と言い、軽く会釈までした。私は少し恥ずかしくなり、慌てて「すみません」と返した。その時、私の横に立っていた小学生が「おじさん、傘をたためば良いんだよ」と言ってきた。傘をたたむ?私はその子に冷たい視線を向けた。電車に乗るたびに傘をたためというのか?「おじさん、みんな傘をたたんでいるよ。そうすれば他人に迷惑をかけないでしょう?」とその子は私の視線などお構いなしに続け、自分の傘を見せた。私はこっそりと周りを見渡した。その子の言う通りだった。それ以来、私は傘をたたむということを念頭に置いている。 ある日、日本に出張に来た女友達に付き添って洋服を買いに行った。彼女はいろいろ見て回った末に気に入った物を見つけた。女性は洋服を選ぶのにものすごく時間がかかる。彼女に「なぜどれも生産地が英語で書かれているの?」と聞かれたが、すでに面倒になっていた私は適当に「外国からの輸入品か日本からの輸出品だ」と答えた。だが、買って帰った後に良く見ると「メイドインチャイナ」という表示が。彼女は大泣きした。せっかく日本で洋服を買うために何日もカップラーメンで節約したのに、中国製のものを買うなんて…。私は思い切って「返品しよう!」と言った。 「返品できるの?」と彼女は疑いの眼差しで私に聞いた。「理由はどうするの?中国製だから、で通用するの?」 「それは…」と私は一瞬言葉に詰まったが、「小さすぎたことにしよう」と続けた。 「買う前に試着したわよ。返品できなかったらどうしよう?」 適当な理由も見つからないまま、私たちはとにかく買った店に向かった。私はたどたどしい日本語で一生懸命に理由を説明した。緊張のあまり少し震えていた。すると女性店員は笑顔で「構いませんよ。お気に召さないのならすぐに返品処理いたしますから」と言いながら、お金を返してくれた。その後、私たちを出口まで送り、「ありがとうございました」と言いながら深々とお辞儀をした。 彼女は少し申し訳なさそうに「もう少し店内を見てみようか。他に良いものがあるかも知れない」と言った。私たちがもう1度店内に戻ると、先ほどの女性店員はまた深々とお辞儀をし、私たちが物色するのをじっと見守った。そして、彼女はその店で「メイドインジャパン」の服を買った。(男性/東京在住) 2009年 05月 22日
我々の先人は何代にもわたって、『論語』を通じて「よき生き方」とは何か、を考えてきた。 ■1.幼稚園児が「己の欲せざる所、人に施すこと勿(なか)れ」■ ある幼稚園でのこと、友だちをいじめている子に向かって、「己の欲せざる所、人に施すこと勿(なか)れ」と言った園児がいた。まさにその場にふさわしい『論語』の一節だった。 それを聞いて驚いた幼稚園の園長が、親に電話して「お宅では、どんな教育をしているのですか」と聞いた。「家では『論語』を素読しています」という答えが返ってきたという。 意味が分からないのに、『論語』の素読をするなど無意味だ、押し付けだという人がいます。しかし、子供でもその意味は、直感的に分かるのです。[1,p19] 弊誌546号[a]で紹介した『子供と声を出して読みたい「論語」百章』の著者・岩越豊雄氏が、その続編で語られた一節である。 続編では、『論語』の代表的な章をいかにも子供にも分かるように易しく説いている。 [1,p2] 今回、続編をまとめていて、つくづく感じたことは、江戸時代の儒学者、伊藤仁斎や荻生徂徠がそうであったように、孔子を聖人として祭り上げるのではなく、孔子の大きく豊かな人柄を、その言動から学ぶということでした。 岩越氏の解説から浮かび上がってくる孔子は、誠実で思いやりのある人柄である。江戸時代の国学者で儒学を嫌った本居宣長でさえ「よき人、孔子」と呼んだ。そういう人物が、弟子たちとの日常的な語り合いの中で発した言葉を集めたのが『論語』である。だから、子供でも直感的にその意味を感じ取れる章句が少なくない。 ■2.「それぞれ、日ごろの志を言ってみては」■ 孔子の人柄は、次のような弟子との会話から、浮かび上がってくる。 ある時、孔子は側に仕えていた弟子の顔回と子路に、「どうだね、それぞれ、日ごろの志を言ってみては」と問いかけた。 まず子路が答えた。「私の願いは、車や馬や着物や皮衣を友にこころおきなく使ってもらい、壊れたり破られたりしても惜しまない。そのような気のおけない交際をしたいものです」と。 子供の間でも、物を貸したり借りたりすることがあるだろう。そういう時に、惜しまずに貸せるような友達づきあいをすることが、子路の理想だった。 次に顔回が答えた。「私の願いは、自分の善を誇ることなく、つらい骨折り仕事を人に押し付けないようにしたいものです」と。 これも子供が善いことをしても自慢したりすることなく、また教室の掃除や家でのお手伝いをすすんでするのと同様である。 ■3.「老人には安心され、友人には信じられ、子供にはなつかれる」■ その後で、子路が言った。「今度はぜひ、先生のお志をお聞かせ下さい」と。 子(し)曰(いわ)く、老者(ろうしゃ)はこれを安んじ、朋友はこれを信じ、少者(しょうしゃ)はこれを懐(なつ)けん。 先生がおっしゃった。「老人には安心され、友人には信じられ、子供にはなつかれる、そういう者でありたい」と。 どこにでもいそうな善い人の生き方である。そういう当たり前の生き方を、孔子は目指していたのだ。岩越氏はこの部分を次のように説明されている。 孔子の弟子、顔回と子路の性格がよく表れていておもしろい章です。 気の早い子路が真っ先に発言し、その後に何事も謙虚な顔回が言うところにも、それが表れています。また、子路は気が置けない友情を言い、顔回は、己の善を誇らぬ謙虚さと、他への思いやりを言います。外向的な子路と内省的な顔回の違いもよく出ています。 孔子の答えは、老人、友人、子供とそれぞれの世代全般への信頼と、親しみに満ちた言葉です。さすが大人の風を感じます。それにしても肩のこらない、孔子学園の暖かさを髣髴とさせる章です。[1,p87] 孔子は、抽象的に善を説くのではなく、あくまでも具体的な日々の生活の中で、人から「安心され、頼られ、なつかれる」という生き方を目指した。だからこそ、子供にも直感的に理解できる所があるだろう。 ■4.「素直な心」とは■ 前々節で「私の願いは、自分の善を誇ることなく、つらい骨折り仕事を人に押し付けないようにしたいものです」と言った顔回は、孔子の弟子の中でも、誠実さを絵に描いたような人物である。孔子は顔回について、こんな評を残している。 子曰く、われ、回と言う。終日違(たが)わず、愚(ぐ)なるがごとし。退いてその私(わたくし)を省(せい)すれば、またもって発するに足る。回や愚ならず。 先生がおっしゃった。回は私と一日中話していても、まったく素直に聞き入るだけで、反問するでもなく、愚かのように思える、ただ、席を退いてからの、回の行いを見ると、教えを十分生かしていて、教え甲斐があることが分かる、回は愚かではない。[1,p37] 岩越氏は、素直さについて、松下幸之助の言葉を引用して解説している。 経営の神さまといわれた松下幸之助氏は「素直な社員はよく伸び、仕事もできる」と言っています。 そして「素直な心」とは、私心にとらわれない心(自分のことばかり考えない)。謙虚に耳を傾ける心(人の話をよく聴く)。すべてに学ぶ心(先生や親はもちろん、友達や自然からも学ぶ)。寛容の心(人を広く受け入れる)。人を愛する心(多くの人に愛の手を差し伸べる)、と言っています。 そして、このような素直な心が養われると、ものの真実が見えてくる(本当のものが見えてくる)。ものの価値が分かる(もののよさが分かる)。融通無碍になる(自由自在にものを考えることができる)と言っています。 まさに一見、愚に見えた素直な顔回の境地そのもののように思えます。[1,p37] こういう解説なら、子供でもある程度、理解できるだろう。幼稚園や小学校では、活発に発言し、皆を引っ張っていく子供こそ「できる子」と考えやすい。しかし皆がそういう姿を目指したり、そうできない子が劣等感を持つのは問題である。 口数は少なく一見愚鈍に見えても、人の話をよく聴き、思いやりのある素直な子供こそ「よく伸びる子」だと教わることは、子供達が自分の生き方を、落ち着いて考える出発点となるだろう。 ■5.「そうだね、私もお前と同じ、回には及ばないね」■ 顔回の人となりは、次の章にも出てくる。 子、子貢(しこう)に謂いて曰く、女(なんじ)と回(かい)といずれか愈(まさ)れる。対えて曰く、賜(し)や、なんぞあえて回を望まん。回や一を聞いてもって十を知る。賜や一を聞いてもって二を知るのみ。子曰く、如(し)かざるなり。吾と女(なんじ)と如かざるなり。 先生が子貢に向かっておっしゃった。「お前と回とでは、どちらが優れていると思うかね」 お答えした。「私など、とても、回の足元にも及びません。回は一を聞けば十を悟るほど、察しのよい人です。私など、一を聞いてやっと二が分かるぐらいな者です」 先生がおっしゃった。「そうだね、私もお前と同じ、回には及ばないね」 「賜(し)」とは子貢の名。子貢は顔回より一つ年下で、頭の良さにかけては孔子に優るともいわれた、目から鼻に抜けるような才人だった。これに比べて、顔回は上述したように、愚直な人だった。この二人をあえて比べる質問を、当の子貢にした所に、孔子の教えの妙がある。 孔子は、子貢の率直な答えをよろこび、「お前だけではない、この私も顔回に及ばない」といって子貢を慰めたとしています。孔子は心からそう感じたのだと思います。 朱子の説は「吾(われ)女(なんじ)に如(し)かざるを与(ゆる)さん」と読み、「彼に及ばないという、お前の意見に賛成する」としています。これでは孔子の心の暖かさが伝わってきません。荻生徂徠はこの説を「聖人の心を知らず」と批判しています。[1,p78] 朱子の読みでは、孔子は上から二人を比べ、「お前の方が下だ」と冷たく言っていることになる。それに対し「私もお前と同じ、回には及ばないね」という読みでは、孔子の謙虚な心が伝わってくる。同時に、子貢に対して、才能では顔回に及ばなくとも、一緒に学問の道を歩んでいこう、と励ます暖かさがある。 こうした心遣いができる人こそ「聖人」であると、荻生徂徠は読んだのである。我が先人たちの学問の深さを垣間見せる一言である。 ■6.仁者の生き方■ 孔子の目指した生き方を表した言葉が「仁」である。『論語』の中には、58章で109回、「仁」という言葉が出てくるが、孔子は「仁」の意味を抽象的に説明したりはしない。ただ、仁を持つ人は、こういう人だと、あくまでもその具体的な生き方に即して説く。 子曰く、富と貴(たっと)きとはこれ人の欲するところなり。その道をもってこれを得しにあらざれば処(お)らざるなり。貧と賤(いや)しきとはこれ人の悪むところなり。その道をもってこれを得しにあらざれば去らざるなり。君子は仁を去りて、悪(いず)くにか名を成さん。・・・ 先生がおっしゃった。豊かさと高い位は誰もが求めるものだ。しかし、正しく生きてそれを得たものでなければ、そこに止まろうとは思わない。貧しさと低い位は、誰もがいやがることだ。しかし、それが正しく生きてそうなったのであれば、甘んじてそれを受ける。志ある人は、「仁」を抜きにして名を成そうとは思わない。 金持ちや地位のある人が、かならずしも「偉い人」とは限らない、という事を教えた章である。岩越氏はこう説明する。 貧困や地位身分の低さは、多くは自分の努力や仁徳のなさがもたらすものです。ただ、いくら努力しても、仁徳があっても、世に認められず、貧しく、地位もないということはあります。本当に仁徳のある人は、その境涯も楽しむことができる。だからあえて去らないというのです。「貧にしてその道を楽しむ」とあります。それが本当の意味での仁者ということです。・・・ ともかく、人としての正しい生き方、世のため人のためを思う「仁」を抜きに名をなそうとは思わないということです。[1,p67] 金や地位があっても周囲にいばっている人と、つつましい生活をしていても、自分の仕事に打ち込み、周囲の人々のために思いやりをかける人と、どちらが偉いか。どちらが幸福か。そういう問いかけを子供にするのも、大切なことだろう。 ■7.「自分を磨く師や友を得る」■ それでは、どうしたら仁の心を持てるのか。ここでも、孔子が説く道は、実生活を離れない。 孔子は人から学ぶことをよく説いています。学而1-6には「汎(ひろ)く衆を愛して仁に親(ちか)づき、行いて余力あればすなわちもって文(ぶん)を学ばん」とありました。「仁に親づき」とは「仁徳のある人に近づき、師として学べ」ということです。また、述而7-21では「三人行くときには、必ず我が師あり」とも言っています。 また、季氏16-4に「直(なお)きを友とし、諒(まこと)を友とし、多聞(たもん)を友とするは益なり」とあります。直言して隠すことのない人、誠実で裏表がない人、見聞の広い人を「益者三友」といい、付き合って有益な友としています。[1,p211] 子供なら、まずは親や先生など身近な所で尊敬すべき人を見つけることが、生き方を学ぶ近道である。あるいは、偉人伝などで心に響く人物を見つけるのもよい。単に知識を身につける勉強とは、まったく違う、生きた学問の世界がそこにあることに気がつくだろう。それこそ、子供の一生涯を導く灯火となる。 ■8.「よき人、孔子」と日本人■ 子供と『論語』を素読しながら、こんな事を話し合うというのは、人間としての生き方を学ぶ上で、実に意味のあることではないか。 そういう会話の中から、子供はどういう生き方が良いのか、考えていく。冒頭で紹介した、いじめっ子に向かって「己の欲せざる所、人に施すこと勿(なか)れ」と注意した幼稚園児は、その好例である。 『論語』は「よき人、孔子」がどんな生き方を目指したのか、その具体的な言動を通じて語った書である。我々の先人は何代にもわたって、この書を通じて「よき生き方」とは何か、を考えてきた。逆に、「よき人」孔子の生き方が、日本人の心の琴線に触れたからこそ、この書が千年以上も愛読されてきたのだろう。 子供と『論語』を声に出して読むことは、そうしたわが国の先人が大切にした生き方につながっていくことになるのである。(文責:伊勢雅臣) 1. 岩越豊男『続・子供と声を出して読みたい『論語』百章』★★★、致知出版社、H21http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4884748433/japanontheg01-22%22 2009年 05月 22日
(朝日 2009/5/21) http://www.asahi.com/national/update/0521/OSK200905200151.html 新型インフルエンザの感染が広がる兵庫県と大阪府に20日、台湾当局がマスク計20万枚を贈った。99年の台湾大地震の際、兵庫県から職員の派遣や義援金約2億8千万円を受けたことへの「お返し」という。計200万枚が届くことになっており、両府県は配布先を検討する。 神戸市中央区の県災害対策センターには20日夕、マスクの入った段ボール箱100個が到着した。台北駐大阪経済文化弁事所の黄諸候所長は「台湾は新型肺炎でとても苦しい経験をしたので、いち早く届けたかった」と話した。 2009年 05月 22日
(日経 2009/5/12) 吉越 浩一郎氏 http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/yoshikoshi.cfm?i=20090501cv000cv&p=2 不況の中、業績を伸ばしている日本企業の共通点として、“顧客重視”の精神を徹底的に貫いていることが挙げられると感じています。好業績企業を区分すると、生活者の衣・食・住に近い位置でビジネスを展開している企業が相対的に多いのは、その精神が具現化されている何よりの証拠ではないでしょうか。 もともとサービス業を中心とする日本企業の“顧客重視”の徹底ぶりには、欧米には決して存在し得ない強さがあるのです。日本が率先する形で、今の閉塞した経済情勢を打開する鍵はその強さを見つめ直すことにあるのかもしれません。 ■消費者の感情を無視する、ロジックのみの考え方 ビジネス社会を引退して約2年半、年間の3分の1近くをフランスなど海外で過ごす生活を楽しんでいますが、改めて実感するのは、行き過ぎたロジックに基づいた考え方から欧米諸国が脱却できていないことです。簡単に言うとロジックさえ通っていれば、それ以上のことを提供する必要はない、とする基本姿勢です。 一昨年の12月、フランスのシャンパーニュ地方を訪れ、年末に開催するホームパーティーのことを考えて、シャンパンを2カートンほど安く購入し、南仏の自宅宛に送りました。シャンパンが届けられたのは、それから1週間以上も経過した12月30日で、私と妻はたまたま外出しており、受け取ることができませんでした。 玄関先に残されていたのは、「12月30日の午前11時にお届けにあがりました」と記した1枚のメモだけ。連絡先の電話番号があるだけで、日本の宅急便サービスでは当然あるはずの、不在だった場合にどうやって荷物を受け取ったら良いかなどの対処方法は何も記されていません。 つまり彼らのロジックは「こちらは依頼の通り、確かにシャンパンをここまで運んできたが、受取人がいなので持ち帰る。その証拠にメモを残す。受け取りたいのなら書いてある電話番号に連絡して欲しい。××日までに連絡がなければ発送元に送り返す。以上」というわけです。 荷物を届けた時に受取人がいなかったのは、配送を依頼した側の問題で、こちらの責任ではないといわんばかりで、ましてや、そのシャンパンが何のために購入されたかまでを配慮する気持ちは微塵もないのです。 早速連絡し、交渉の末なんとか合意できたのは、翌年1月3日の配達でした。それでも受け取れたのですから、フランスのサービスレベルを考えれば“良し”とせざるを得ないのかも知れませんが・・・。 またある時、こんな境遇に晒されたこともあります。パリから南仏の自宅へ飛行機で帰るつもりが、間の悪いことに空港の地上職員のストライキに遭遇してしまいました。フランスではよくあることで、ストによる欠航自体はあきらめざるを得ないのですが、私としては「次の飛行機はいつ飛ぶのか? その飛行機には乗れる余地があるのか?」が当然気になります。 まったくチャンスがなく、そこでいくら待っていても仕方ないのか、あるいは多少なりとも可能性があるのかを判断できる情報が欲しかったわけです。 ところが航空会社のスタッフに何度問いただしても「わかりません。ストライキ中なので、何もはっきりとしたことはわからないのです」を繰り返すだけ。他の帰路手段を探ろうと、レンタカーやTGV(フランスの新幹線)にも問い合わせましたが、空港を円の中心とした半径150キロメートル圏内には1台のレンタカーもなく、TGVもすべて満席で、空港で不安を抱えながら、前日から待ちわびている人たちと一緒に待つより他にすることがなかったのです。 でも、そんな乗客の事情や感情に配慮しようという態度は、どの職員にも感じられませんでした。その当日、唯一確定した航空チケットの予約を入れられるという電話番号を聞き出したのですが、ずっと話し中で全く通じず、結局その方法もあきらめざるを得ませんでした。 その時は翌日のTGVのチケットをパリ在住の友人に取ってもらい、さらにはその友人の家に泊めてもらって何とか事なきを得ましたが、航空会社スタッフの、ロジックのみで「ストライキなのだからしかたない」と単純に割り切り、それより先に進もうとしない考え方では、今後もサービスの質的な進歩は決して望めないと思います。 ちなみに私が在籍した前の会社では、ストライキではありませんが、こういった特殊な事態が発生した後には必ず“反省会”を開き、改善点を見つけてマニュアルに残していったものです。 ■ロジックを超え、顧客の感情に対応しようとする、“和魂洋才”で日本のサービスは伸びる! 翻って、日本国内の同じような場面で、航空会社や鉄道会社の職員は決して「ストや事故だから仕方がない」とは口にしません。 むしろ天候や乗客側の事情に起因する不慮の遅延・運休のような、事業者側に全く責務がないケースでも、まず「お急ぎのお客様には大変ご迷惑をおかけし、申し訳ございません」と謝罪の言葉が聞かれます。 つまり「天候悪化などは自分たちではどうにも対処できないが、それでも確実に乗客に不便をかける要因になる」という発想がサービスの原点にあるわけです。 宅急便サービスも同じです。指定された期日・時間にモノを届けるのは当然で、その先にある「期日・時間が指定された事情」までを考慮するから、万が一、受取人が不在だった場合の様々な対処方法が整備されている現状に至っているのです。 昔から日本人は欧米人に比べ、ロジック=論理的な思考が弱いと指摘されています。特にビジネスにおいては、グローバル化がますます進む今後のことを考えると、もっとロジックを身につけ、それを活用できるようにならなければと私も思います。 しかし、先にお話ししたフランスの例のように、ロジックのみの考え方がかえってビジネス改善の妨げになることもあるのです。 むしろロジックを超えた領域においてさえ、顧客のニーズを満たそうとする日本独特の姿勢が、製品・サービスの質を世界で戦えるレベルにまで飛躍的に向上させてきたこともまた事実なのです。 もちろん、より手間暇がかかるのは言うまでもありません。それでも、これを厭(いと)わず努力していくことが重要なのです。 顧客など相手の感情や事情を慮って、「論理的に考えたら絶対にしない、あるいはできない」と思えることにも挑戦していく・・・ 日本に根付いている、この考え方をますます発展させていくことができれば、世界に誇れる商品・サービスの開発・提供の維持につながり、これからも日本は国際舞台で確固たる地位を築けると思います。よくよく考えると、これが“和魂洋才”と言われることではないかと思います。 2009年 05月 19日
(ロイター 2009/5/18) http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2009051801000660 外務省は18日、今年2-3月に米国で実施した対日世論調査結果を発表した。日本を「信頼できる」と答えた人が一般市民で80%(前年67%)と過去最高を記録、行政や財界などに関係する有識者でも91%(同92%)と高水準を維持。 一方で「アジアで最も重要なパートナー」を質問したところ、日本を挙げたのは一般市民と有識者でそれぞれ46%と44%といずれも1位。2位の中国もそれぞれ39%と42%で肉薄。 2009年 05月 14日
(産経 2009/5/11) http://sankei.jp.msn.com/world/china/090511/chn0905111321006-n1.htm 華僑向け通信社の中国新聞社がインターネットで中国人の読者を対象に調査中の「結婚したい外国人」アンケートで、男性は4人に1人が「日本人女性」と答えた。これに対し女性の場合は「米国人」「韓国人」にあこがれる回答が集中し、「日本人男性」はわずか3%と振るわない。 調査には11日までに男性で4100人以上、女性で2100人以上が回答している。複数回答で調査は続いているが、中国人男性が日本人女性と結婚したい理由には「優しい」「かわいい」「なにがなんでも日本女性」といったコメントが並ぶが、一方で、反日感情から「日本人に復讐(ふくしゅう)するため」との屈折した回答や、「日本のアダルトビデオを見て好きになった」などといった困った回答もあった。 中国人女性の場合は、米国人と韓国人がいずれも14%を超え、英国人8%、フランス人7%、北欧人6%となっている。“白人志向”がうかがえるが、中には「米国籍が欲しい」といった分かりやすい回答もあった。 韓国人男性が好まれたのは、中国のテレビでも高視聴率の「韓流ドラマ」が影響した。日本人男性について読者コメントはほとんどなく「興味なし」のようだ。 < 前のページ次のページ >
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