2009年 04月 25日
(産経 2009/4/23) 麻生太郎首相が靖国神社の春季例大祭に真榊(まさかき)を供物として奉納した。「内閣総理大臣 麻生太郎」名で奉納され、供物料5万円は私費から支出されたという。 麻生首相は「国のために尊い命を投げ出された方々に感謝と敬意を表するものだと思っている」と説明している。できれば靖国神社に参拝してほしかったが、真榊奉納も、国民を代表して戦没者らに哀悼の意をささげた行為として相応の評価をしたい。 今回、中国外務省は「靖国神社は中日関係の中で重大かつ政治的に微妙な問題だ」としながら、直接的な批判を避け、「問題を適切に処理してほしい」と述べるにとどまった。韓国も「正しい歴史認識という側面から、非常に遺憾だ」(外交通商省)とする論評を発表したが、批判のトーンは盧武鉉前政権のときのように強いものではなかった。 今月上旬、北朝鮮がミサイルを発射し、日本と中国、韓国は協力して北の核・ミサイル開発を封じ込めなければならない時期だ。今月末には、日中首脳会談も予定されている。 そうした近隣外交への配慮もあり、麻生首相は参拝でなく、真榊奉納という形を選択したと思われる。中韓の抑制的な反応を見る限り、外交的にはやむを得ない判断だったように見える。だが、遺族や国民の立場に立てば、小泉純一郎元首相が行ったように、直接、靖国神社を訪れ、参拝するのが本来のありようである。 麻生首相は今後の靖国参拝について「適切に判断する」と明言を避けた。機会がめぐってくれば、8月15日の終戦記念日などに堂々と靖国に参拝してほしい。 今年1月の米大統領就任式で、オバマ大統領はリンカーン元大統領が用いた聖書に手を置いて宣誓を行った。就任2日目には、ワシントン大聖堂で行われた礼拝にクリントン元大統領夫妻らとともに参加した。 多くの国々では、政治は伝統的な宗教と密接に結びついている。それを国民に押しつけない限り、「政教分離違反だ」などと問題視されるようなことはない。 戦没者の霊が靖国神社にまつられ、その霊に国民が祈りをささげるのは日本の文化である。中国や韓国などが互いの文化の違いを認めつつ、北の核や拉致問題解決など共通の目標に向かって力を合わせるような関係を築きたい。 2009年 03月 04日
(朝日 2009/2/26) http://www.asahi.com/national/update/0226/OSK200902260026.html?ref=rss 太平洋戦争の戦没者らの遺族9人が、意思に反して靖国神社に親族を祭られ続け、故人をしのぶ権利を侵害されているとして、神社が管理する「祭神簿(さいじんぼ)」などから氏名を消すよう求めた訴訟で、大阪地裁は26日、遺族の請求をすべて棄却する判決を言い渡した。村岡寛裁判長は「遺族が主張する感情は不快や嫌悪の感情としかいえず、法的に保護するべき利益とは言えない」と述べた。 原告は近畿、中四国、北陸に住む64~82歳の男女。父親や兄ら親族11人が40~45年、ビルマ(ミャンマー)やフィリピンなどで戦死・病死して合祀(ごうし)された。「親族の死を殉国精神の高揚に利用されるのは嫌だ」として、国が持つ氏名や死亡年月日などの情報に基づく祭神名票(さいじんめいひょう)、それをもとにした祭神簿、儀式用の霊璽簿(れいじぼ)からの氏名抹消と遺族1人につき慰謝料100万円の支払いを求めていた。 2008年 11月 15日
(シンガポール新聞 2008/11/10) http://singapore.keizai.biz/headline/4601/ 靖国神社をテーマにした映画「靖国 YASUKUNI」が11月9日、シンガポール国立博物館で上映された。シンガポールでの同作品の上映は今年10月に続き2回目。 同作品は、日本で活動する中国人映画監督、李纓(り・いん)さんが、軍刀の「靖国刀」を打ち続ける刀匠を中心に、終戦記念日に靖国神社に訪れる人々らを追ったドキュメンタリー作品。日本では今年5月に公開され、上映を中止する映画館が相次ぎ話題となった。 シンガポール博物館では、今年10月に第2次世界大戦を主題にしたドキュメンタリー映画の上映会「WWII and Its Aftermath」(第2次世界大戦とその後)で同作品を上映。定員240人の会場に入りきれない観客が詰めかけたため、今回の再上映が企画された。 同博物館を運営するシンガポール国立文化遺産局のPR担当サマンサ・リューさんは「日本と中国の関係はシンガポールにとっても重要な問題。日本語も流ちょうに話す中国人の李監督による当作品は、両国間の懸案事項のひとつである靖国問題を考える新しい視点を与えてくれる。多くの観客も、いまだに解決の糸口が見えないこの問題を解決するヒントを得るために当作品を見ているのだろう」と話す。 同作品を鑑賞した大学生は「私たちシンガポール人が、これまで知らなかった事実が多く語られ、とても興味深かった。多くの日本人や中国人もこの映画を見る必要があるのでは」と感想を話した。 2008年 08月 29日
(産経 2008/8/22) ■「靖国」を全戦没者慰霊の場に ≪■やはり「心」の問題だ≫ この8月15日、靖国神社は静かであった。ここ数年のあの騒ぎはいったい何だったのであろうか。 中国はオリンピックや国内治安で忙しく、韓国は現政権打倒の勢力がその運動に熱中していて、靖国神社問題について何一つ騒がない。彼らにとって靖国神社問題は、所詮(しょせん)、対日政策カードの一枚にすぎず、彼らの心の問題ではなかったことをはっきりと示している。 しかし、日本人にとって靖国神社問題は心の問題である。騒がしくない今のこのときにこそ、静かに語るべきであろう。 これまで、靖国神社の存在の正当性について、多くの人によって語り尽くされたと言って過言でない。 にもかかわらず、近隣諸国ならびに日本人の一部は、毎回、初歩的な話にもどるため、相変わらず同じ説明を繰り返さねばならない。その徒労から、おのずと反中・反韓とならざるをえなくなる。 一方、日本人側からも、A級戦犯者の分祀(ぶんし)要求などという、神道についての無知、あるいは国立戦没者追悼施設建立などという、中韓への阿諛(あゆ)追従をさらけだす者がいる。 ≪■松井大将の慰霊鎮魂の誠≫ もういい。靖国神社問題は、近隣諸国との関係などといった外面的な問題ではなく、あくまでも日本人の心、内面的な問題なのであるから、日本人の主体性に基づいての生産的な議論をすべきであろう。 そこで、私はここに靖国神社に対して新しい一つの提案をいたしたい。それは、日本人の心に沿ったありかたとしてである。 その提案とは、靖国神社の現行の春秋二例大祭の他に、8月15日に夏季特別大祭を新しく設けていただきたいという願いである。 靖国神社拝殿に向かって左に、鎮魂社という小さな社がひっそりと建っている。昭和40年の創建で、靖国神社に合祀されていない日本人神霊(例えば西郷隆盛)や全世界の戦死者・戦禍犠牲者(例えば湾岸戦争関係者)の神霊がそこに祀(まつ)られている。 その諸霊を英霊とともに新設の夏季特別大祭において降神して祭神とし、慰霊鎮魂の誠を尽くしていただきたいのである。 A級戦犯として逮捕され、刑死した松井石根の主たる罪は昭和12年の南京事件の総責任者としてであった。しかし、松井大将は昭和14年に発願し、興亜観音の開眼(かいげん)法要を行い、敵味方ともに慰霊鎮魂し続けた。その観音寺(熱海市)には「支那事変日本戦没者霊位」「支那事変中華戦没者霊位」と記された二基の位牌(いはい)が並んでいる。 退役した松井は戦前から昭和21年に戦犯として逮捕されるまで、雨の日も風の日も、2キロ以上の険しい山道を登って参詣し慰霊鎮魂を続けていたのであった。 ≪■敵味方なく夏季大祭を≫ いや日本人だけではない。キューバ社会主義革命の指導者カストロは、7月26日の第一回革命記念祭において、名誉ある遺族席に、自軍兵士の両親のみならず、打倒した敵のバチスタ軍兵士の「御両親」(カストロのことば)も招いた。 カストロ曰(いわ)く、「われわれに抗して戦いに死んだ勇敢な兵士たちの妻や子供も、(我が軍死亡者のそれと)平等に尊敬され、保護され、援助をうけなければならない。彼ら(死んだ兵士たち)はキューバの不幸について責めがあるわけではない」と。このとき、カストロ27歳(堀田善衛『キューバ紀行』)。 戦争においては、人間は己を正しいとし、それぞれの立場で戦う。憎みあって戦う。しかし、勇敢に戦った死者に対しては、生き残った者は敵味方の区別なく勇者として遇すべきであろう。 われわれ日本人は、慰霊鎮魂を古代から行ってきた。敵への怨(うら)みも味方への親しみも越え、「怨親(おんしん)平等に回向(えこう)する」(松井のことば)のがわれわれ日本人である。 そうした心のままに、8月15日の靖国神社(全国の護国神社)夏季特別大祭に参拝しよう。折しも盂蘭盆(うらぼん)の期間であり、人々は祖霊と有縁無縁(うえんむえん)一切精霊(いっさいしょうりょう)とに回向するときではないか。これは国民的心情である。 それに基づけば、日本国を代表する首相であるならば、おのずと主体的に参拝することとなるであろう。主体的なのであるから、靖国神社問題を政策カードぐらいにしか思っていない外国勢力に右顧左眄(さべん)することはない。 いや、首相だけではない。両陛下もまた日本人の心情、「怨親平等」を深く確(しか)と理解しておられるはずである。 「すべての戦没者のために、平和のために祈る」ことを靖国神社が具体的に積極的に示されんことを願ってやまない。 2008年 08月 29日
(産経 2008/8/24) http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080824/stt0808240255000-n1.htm ≪■唐突な加害強調≫ 今年も8月15日、天皇、皇后両陛下ご臨席のもと日本武道館で政府主催の全国戦没者追悼式が開かれ、全国から約7000人の戦没者遺族や関係者が出席した。正午の黙祷(もくとう)後、天皇陛下が「全国民とともに、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し…」と軍人・軍属や一般市民の犠牲者を悼む言葉を述べられ、式は厳粛なムードで進行した。 だが、河野洋平衆院議長が追悼の辞を読み始めると、会場の空気は微妙にざらつき出した。参列した国会議員の一人は「会場の戦没者遺族らのことを思うと、聞くに堪えなかった」と振り返る。河野氏はこう日本の「加害」を強調したのだった。 「(日本軍による)非人道的な行為で人権を侵害され心身に深い傷を負い今もなお苦しんでいる方々に、改めて心からのお見舞いの気持ちを申し上げたい」 先の大戦では、多くの国と地域の民が大きな損害を被った。日本も関与したそうした犠牲者に思いをはせ、反省することも大切だろう。だが、なぜ日本の戦没者を追悼するための式典で、遺族の気持ちを逆なでしてまで日本の加害を言い募らなければならないのか。 河野氏は、昨年の追悼式でも次のようにあいさつし、日本側の被害を相対化してみせていた。 「わが国の軍靴に踏みにじられ、戦火に巻き込まれたアジア近隣諸国の方々にとっても、あるいは真珠湾攻撃以降、わが国と戦って生命を落とされた連合国将兵にとっても同じ悲しみである」 ≪■「戦犯」も追悼対象≫ また、河野氏は今年の追悼式では、「政府が特定の宗教によらない、すべての人が思いをひとつにして追悼できる追悼施設の設置に真剣に検討を進めることが求められる」とも述べ、政府に国立・無宗教の追悼施設設置を促した。 河野氏は平成18年の追悼式では、「戦争を主導した当時の指導者たちの責任をあいまいにしてはならない」とも指摘している。これと合わせると、今回の発言はいわゆる「A級戦犯」14人を含む戦犯も合祀(ごうし)されている靖国神社とは異なる、新たな追悼施設が不可欠だと考えているのだろう。 しかし、河野氏のこうした言動には矛盾がある。全国戦没者追悼式では、正面に「全国戦没者之霊」と書かれた白木の柱が立てられるが、「霊」という言葉自体、宗教観から切り離せない。 さらに、平成14年2月に開かれた福田康夫官房長官(当時)の私的懇談会の議事録で、政府は「全国戦没者之霊」について、「そういう方々(A・B・C級戦犯)を包括的に全部引っくるめて全国戦没者の霊という全体的な概念でとらえている」と答弁している。 つまり、全国戦没者追悼式は河野氏が忌避する「A級戦犯」の霊も対象としているのだ。実際、追悼式には、「戦犯」の遺族も招かれ、毎年つつがなく開催されてきた。河野氏の論理では、現在の追悼式もまた、「すべての人が思いをひとつにして追悼」することができないということになる。 ≪■目立つ個人的感情≫ それでなくても、河野氏のあいさつは、三権の長の一人としての自分の立場の重みや、時と場所をわきまえないような個人的な感情の発露ばかりが目立つ。 昨年の追悼式では、「(日本国民は)『日本国憲法』に象徴される新しいレジームを選択して今日まで歩んでまいりました」とも述べた。この発言は、憲法を頂点とした行政、教育、外交・安全保障などの基本的枠組みを見直す「戦後レジームからの脱却」を掲げていた当時の安倍晋三首相への皮肉・反論だとみられる。 河野氏がどんな思想・信条を持とうと自由だが、天皇、皇后両陛下が臨席され、大勢の戦没者遺族らが見守る年に一度の追悼式で、ときの首相をあてこするような発言はいかがなものだろうか。 昨年3月には、河野氏は扇千景参院議長(当時)が世界各国の駐日大使を招いて催した「桜を愛でる会」でこうあいさつした。 「春になると日本中埋め尽くす桜の花ですけれども、色も違いますし、咲き方も違います。しかしそれはすべて桜であることは間違いありません、全部桜です。それはあたかも日本の国の議論のようですね。これが本日の『河野談話』でございます」 河野談話とは一般に、慰安婦募集における日本軍関与の強制性を認めた平成5年の河野官房長官談話のことを指す。そして河野氏は桜の話に例え、慰安婦の強制連行(狭義の強制性)を否定した安倍首相を批判し、外国大使に国家中枢部の意見対立を喧伝(けんでん)した形だ。 河野氏は素直に自分の考えを伝えようとしているだけかもしれないが、議長として少しはしゃぎすぎではないか。 2008年 08月 22日
(毎日 2008/8/20) http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080820k0000m010010000c.html 102の宗派・団体が加盟する全日本仏教会(豊原大成理事長)は19日、3閣僚が15日に靖国神社を参拝したことに対する福田康夫首相あての抗議文を、首相官邸で岩城光英官房副長官に手渡した。「憲法の信教の自由、政教分離、戦争放棄の原則を順守すべき閣僚の使命を放棄するものだ」と批判し、今後の参拝中止を求めた。 2008年 08月 22日
(産経 2008/8/20) 8月15日には靖国神社を参拝した。筆者はキリスト信徒であり、神道の神社にお参りするのはおかしいと非難する者もあるが、国家のために殉難した人々を追悼し顕彰することは、国民として当然のことと考えている。靖国神社に自分の信仰する神はいないが、死者と生者が交流する場に立ち、祈りを捧(ささ)げることはむしろ自然なことであろう。実際、靖国の参拝者には仏教徒も多くいる。 奇妙なのは、靖国神社にかわって「無宗教追悼施設」をつくるべきだという意見である。河野衆院議長もそう発言したというが、そもそも「無宗教」という言葉が引っかかる。政教分離は信教の自由を守るための手段であり、国家およびその機関と宗教的な行事を完全に分断すれば、かえって個人の信教の自由は脅かされる。 昭和44年に自民党は靖国神社法案(靖国神社を国家管理する法案)を国会に提出したが、議論の末に49年に参議院で廃案になっている。宮司を理事長として総理の任命とし、神道祭祀(さいし)を中止するなど宗教色をなくす内容であった。「無宗教」にすることで「国家管理」を前面に出すということでもある。昨今いわれている「無宗教追悼施設」とやらが、具体的にどういう方向を目指しているのか、十分に議論される必要がある。 王を殺し、神を否定したフランス革命の嵐の中で、人間理性を“聖化”する非宗教の「最高存在の祭典」なるグロテスクな行事が横行したが、「国家」と「無宗教」を短絡的に結びつけた追悼施設など、ぞっとしない代物なのは想像がつく。(文芸評論家) 2008年 08月 19日
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080817/plc0808171855002-n1.htm 自民党の古賀誠選対委員長(日本遺族会会長)は17日、テレビ朝日の番組に出演し、靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)について「戦没者ではない人を英霊としてお祭りしているのはどうなのか。遺族に相談もなく合祀されたいきさつは納得がいかない。わだかまりはそこから出てきた」と強い不快感を示した。 その上で「天皇陛下を含め国民がわだかまりなくお参りできる環境を整備したい。われわれ遺児が解決方法を議論し、国民のコンセンサスを得る努力が必要だ」と述べ、A級戦犯分祀(ぶんし)にあらためて意欲を示した。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆古賀・自民選対委員長:新追悼施設に反対 (毎日 2008/8/17) http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080817ddm003010133000c.html 自民党の古賀誠選対委員長は16日、愛知県豊田市で講演し、靖国神社参拝問題に関し「首相や閣僚、天皇陛下にお参りいただける環境を整備できるよう遺族が決断をしなければならない」と述べ、同神社に祭られているA級戦犯の分祀(ぶんし)論を改めて訴えた。無宗教の新たな戦没者追悼施設の建設については「簡単には賛成できない」と反対。次期衆院選の時期については福田改造内閣の発足から間もないことを踏まえ「急ぐべきではない」と述べ、年末・年始解散論をけん制した。 2008年 08月 19日
(毎日 2008/8/15) http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080815k0000e010072000c.html 河野洋平衆院議長は15日、全国戦没者追悼式の「追悼の辞」で、「政府が特定の宗教によらない、すべての人が思いを一にして追悼できる施設の設置について真剣に検討を進めることが強く求められている」と述べ、政府に対して、無宗教の新たな戦没者追悼施設の建設が望ましいとの考えを表明した。靖国神社参拝問題を踏まえた発言。新たな追悼施設をめぐっては、福田康夫首相が官房長官当時に主宰した私的懇談会が02年12月、「国立の無宗教の恒久的施設が必要」との報告書を答申。しかし自民党内に慎重論が根強く、棚上げになっている。 河野氏は、日本と中国、韓国など近隣諸国との関係について「いまだに歴史に背景を持つ未解決の問題がとげとなり、摩擦を引き起こしている」と指摘した。 日韓両国がともに領有権を主張する竹島(韓国名・独島)問題を念頭に「領土問題についても、お互いに内向きに領有権を声高に主張するばかりでなく、相手側と真摯(しんし)に向き合い、話し合いによる解決を実現することが強く求められている」と訴えた。 一方、江田五月参院議長は同じく「追悼の辞」で、「先の大戦では、国内外で被害を受けた国民はもとより、わが国の侵略行為と植民地支配で、アジア諸国をはじめ広い地域の人々にも多大な苦しみと悲しみを与えた」と指摘。「深い反省の上に立ち、真に世界から信頼される平和国家を築くことが私たちの責務だ」と強調した。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆終戦の日、首相「犠牲者に哀悼の意」 (AFP 2008/8/15) http://www.afpbb.com/article/politics/2507170/3222203 終戦の日の15日、全国戦没者追悼式が日本武道館で開かれた。 福田康夫首相は式辞で「多くの国々、とりわけアジアの諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えました。私は国民を代表して、ここに深い反省とともに、犠牲となられたすべての方々に対し謹んで哀悼の意を表します」と述べた。 中韓との関係改善を公約とする福田首相は靖国参拝を見送り、追悼式に先立ち千鳥ケ淵戦没者墓苑で献花した。 一方、靖国神社には太田誠一農水相、小泉純一郎元首相が参拝した。また安倍晋三前首相、保岡興治法相も訪れた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆今年も日本の「加害責任」強調 戦没者追悼式で衆参両院議長 (産経 2008/8/15) http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080815/plc0808151237007-n1.htm 河野洋平、江田五月の衆参両院議長は、15日に開かれた戦没者追悼式で、先の大戦における日本の「加害責任」を昨年に引き続き今年も強調した。 江田議長は、「わが国の侵略行為と植民地支配により、アジア諸国をはじめ広い地域の人々にも、多大な苦しみと悲しみを与えた」と明言した。 一方の河野議長は「非人道的な行為によって人権を侵害され、今もなお苦しんでおられる方々に、改めて心からなるお見舞いの気持ちを申しあげたい」と述べた。昨年の追悼式では「日本軍の一部による非人道的な行為によって」と発言。今年は「日本軍の一部による」を削除したものの、お見舞いの気持ち」を「改めて」表明したことで昨年と同様の考えを伝えた。 河野議長はまた、「わが国と近隣諸国との関係においていまだに歴史に背景を持つ未解決の問題がトゲとなり、摩擦を引き起こしている」として東京裁判でのA級戦犯を合(ごう)祀(し)している靖国神社を取り上げ、「政府が特定の宗教によらない、すべての人が思いを一にして追悼できる追悼施設の設置に真剣に検討を進めることが求められる」と、国立で無宗教の恒久的な追悼施設の設置を積極的に提言した。 2008年 04月 20日
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/080417/tnr0804170226000-n1.htm 靖国神社を題材にした中国人監督のドキュメンタリー映画「靖国」をめぐる上映中止問題で、映画の中身についてもさまざまな問題点が指摘されている。 一つは、映画に登場する「靖国刀」をつくる刀匠の刈谷直治さん(90)が「出演場面と名前を映画から削ってほしい」と希望している問題だ。 刈谷さんの話や自民党の有村治子参院議員の調査によると、李纓監督は文化庁から助成金が出ていることなどを説得材料にして刈谷さんの了承を得、刈谷さんが刀をつくる場面を撮影した。しかし、その試写の映像を見せられた刈谷さんの妻が「初めの趣旨と(内容が)違う」と撮影のやり直しを監督に求めたものの、要望は受け入れられなかったという。 これに対し、李監督は「(刈谷さんに)どんな圧力があったのか。作品が成立できなくなるよう働きかけられたとしか受け取れない」と言っている。政治的圧力があったかのような発言だが、これは監督と出演者の問題であり、論点をすり替えてはいけない。李監督は、刈谷さん夫婦の疑問に真摯(しんし)に答えるべきである。 また、靖国神社は、境内での撮影許可の手続きが守られなかったことを問題にしている。同神社によると、制作会社から10年間に撮影許可申請が3回出されたが、映画「靖国」の制作を目的とした申請は一度もなかったという。 通常の参拝風景はともかく、戦死者の写真や遺品が展示されている境内の見学施設「遊就館」などの無断撮影はルール違反だ。 映画の最後の部分で、日中戦争などの写真と昭和天皇の写真や映像が交互に映し出され、中国側が“旧日本軍の蛮行”として反日宣伝に使っている信憑(しんぴょう)性に乏しい写真が何枚も使われている。 文化庁はこの映画に日本芸術文化振興会を通じて750万円の助成金を出している。映画に、政治的、宗教的宣伝意図のないことが助成金支出の条件とされる。 3月末の参院内閣委員会で、有村議員はこの点について、文化庁の見解をただした。だが、文化庁側は「振興会の記録映画専門委員会で審査を行った結果、政治的な宣伝意図を有するものでないと判断されたと承知している」と人ごとのような答弁を繰り返した。 助成金の適否について、納税者の納得が得られるだけの文化庁による検証が必要である。 < 前のページ次のページ >
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