2009年 06月 11日
(読売 2009/6/5) http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/yomiuri-20090605-01173/1.htm 全国で生活保護を受けている世帯数は今年3月時点で119万2745世帯となり、2月より1万4478世帯増え、過去最多を更新したことが5日、厚生労働省の集計で分かった。 前年同月比では7万404世帯増。景気低迷による雇用情勢の悪化が背景にあるとみられる。生活保護の世帯数は昨年5月から毎月増加し、2008年度の月平均は約114万8700世帯。07年度の月平均を4万世帯以上、上回った。 3月時点で生活保護を受けている人数は165万4612人だった。 2009年 06月 11日
(静岡 2009/5/29) http://www.shizushin.com/news/pol_eco/national_eco/2009052901000948.htm 政府は29日、経済財政諮問会議を開き、低所得者への給付や幼児教育の無償化といった格差是正策や少子化対策に必要な財政負担の規模は、約5兆円になるという試算を民間議員が示した。 政府が決めた社会保障の充実に必要な負担と合わせると、消費税率で5%分を超える財源が必要になる。景気回復を前提に2011年度に実施する消費税率の引き上げで、税率は10%以上となることが不可避となりそうだ。 麻生太郎首相は諮問会議で「医療や介護のほころびの修復に加え、若者や子育て世代の支援強化を、財源を確保しながら進める必要がある」と強調。「この考えに沿って骨太の方針2009をまとめてもらいたい」と指示した。 諮問会議は既に、所得税を払っていない低所得者に、所得額に応じて給付金を支払う「給付つき税額控除制度」や幼児教育の無償化の財源を消費税とする方針を決定。必要な財政負担の金額を計算していた。 2009年 05月 22日
(産経 2009/5/21) http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090521/fnc0905211222007-n1.htm 21日付の中国英字紙、チャイナ・デーリーなどによると、ブラジルのルラ大統領は、中国の胡錦濤国家主席に対し、両国間の貿易決済を米ドルを介さず行えるよう協議するため、両国財務相と中央銀行総裁の会談を年内に開くことを提案したと明らかにした。 ブラジルにとって、中国は4月に米国を抜き最大の貿易相手となった。ルラ大統領は「ドルに頼らず決済を行うことは非常に重要だ」と述べ、ブラジルの通貨レアルと人民元で直接行う決済の必要性を強調した。 大統領は、すでにアルゼンチンとの貿易決済で両国通貨の使用を開始していることを例に挙げ、こうした決済を中南米全体に広げたいとの考えも示した。 ルラ大統領は19日に胡主席らと会談した。 2009年 05月 22日
(朝日 2009/5/21) http://www.asahi.com/politics/update/0521/TKY200905210001.html 与謝野財務・経済財政相は20日の参院予算委員会で、11年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化させる政府の財政健全化目標について「もはや到達できない」と述べ、達成が不可能となる公算を初めて明言した。 与謝野氏は「試算を始めたが、11年度ではなく、7年、8年、10年遅れる可能性も出ている。非常に深刻だ」とも述べ、新たな財政健全化目標を打ち出す考えを改めて示した。消費増税もからみ、次期衆院選の論戦で焦点の一つとなる可能性もある。 2009年 04月 25日
(テレビ朝日 2009/4/23) http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/index6.html?now=20090423184522 2009年度末の国と地方の借金の合計が1100兆円に迫ることが明らかになりました。追加経済対策の財源として大量の国債を発行するためです。 与謝野財務大臣は国会で、今年度末の国と地方の借金が当初の見積もりの1069兆円から18兆円程度増え、1087兆円にまで膨らむことを明らかにしました。補正予算の財源として国債を11兆円近く発行するほか、政府系金融機関による危機対応のため、財政投融資目的で6兆円を超える国債を発行するためです。さらに、税収の減少分を補うための赤字国債の追加発行は避けられず、国と地方の借金は年度末には1100兆円近くに膨らむ見通しです。 2009年 04月 13日
(産経 2009/4/10) 紙幣を乱発すれば価値を失い、国家は破滅的打撃を受けるという経済学の常識は米国には通用しない。 米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年9月に勃発(ぼっぱつ)した金融危機に対応するため、わずか4カ月で一挙に平時なら十数年もかかる追加資金供給に踏み切った。同時にゼロ寸前まで金利を引き下げたがドル相場は安定し、インフレ懸念もない。 原油など国際商品や金融資産の大半はドルで取引されている。金融商品に投資していた欧州の金融機関が危機後、清算しようとしたらドルが払底し、欧州各国は米国に頭を下げてドル資金を融通してもらうしかなかった。商品市場からもドルが消え、原油相場は暴落、産油国ロシアからは投資資金が逃げ出した。 金融危機までは、ドイツやフランスは欧州統一通貨「ユーロ」圏を拡張したが、危機の波及でユーロ圏から脱落する国が出そうな情勢になった。ロシアのプーチン首相はルーブル建ての石油輸出の準備を進めてきたが、今やその野望も吹き飛んだ。 米国発金融危機のもう一つの側面は、挑戦者の意気をくじく米国の「焦土作戦」とも映る。米国自体、大量の失業者を抱え、大手金融機関や大手自動車3社の経営危機に見舞われているが、同時に基軸通貨ドルの威力を見せつけた。 これに対し、フランスのサルコジ大統領は怒り、危機打開のためにワシントンで開かれた昨年11月の第1回20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)で「米ドルはもはや世界の基軸通貨ではない」とぶち上げたが、あえなく不発に終わった。 今月2日にロンドンで開かれた第2回サミット前夜、サルコジ大統領はメルケル独首相と長電話し、金融規制の強化要求で一致した。最も重視したのが、「租税回避地(タックスヘイブン)」への監督・規制強化である。米議会でも課税逃れする企業や金融機関が問題視され、オバマ大統領も同意したことで独仏案はほぼ全面的に通った。 ドルに代わる基軸通貨の検討を促した中国の胡錦濤国家主席やロシアのメドべージェフ大統領に比べると地味だが、周到に熟慮を重ねた上での独仏連合の対米本土迂回(うかい)作戦である。 タックスヘイブンとは何か。主に英国領ケイマン諸島などカリブ海のリゾート地なのだが、超低税率を餌に世界の企業や金融機関、投資家の本社を帳簿上受け入れている。 米国の金融機関の利用が活発化した契機は、2001年の「9・11」米中枢同時テロ後に制定された「愛国者法」である。愛国者法はテロ資金の監視強化を定めたが、中東産油国や中国の資本家など身元を知られるのを嫌う者が拠点をロンドンとケイマン諸島など英領に一斉に移した。世界の余剰資金はこれらの地域を経由し、米国のヘッジファンドや金融機関の投資ファンドに流入。米財務省統計によれば、昨年9月末で米金融機関の対外負債の4割、約180兆円がカリブ海にある。 その米金融機関は住宅ローン債権などをベースにした証券化商品や金融派生商品を大量発行し、米欧を中心に販売した。タックスヘイブンはドルの信用を増殖させる米金融資本の巣窟(そうくつ)になっている。これらを厳しく取り締まれば、ドルの金融パワーは大きくそがれる。ケイマンに直結しているロンドンからユーロ関連の金融取引シェアを奪回できる。独仏連合はオバマ政権を欧州の規制の土俵に呼び込めば、焦土作戦に巻き込まれなくて済むと踏んだのだろう。米欧間の国際通貨の主導権争いはこれから本番を迎える。 2009年 04月 13日
(産経 2009/4/10) 9日付の中国紙、人民日報によると、温家宝首相が主宰した8日の国務院(政府)常務会議で、これまでドルや円などの国際通貨に限ってきた貿易代金の決済に「人民元建て」を試験的に導入する方針を決めた。まず上海など5都市で解禁する。世界一の外貨準備高や巨額の貿易黒字をバックに、国際社会に貿易取引で人民元での決済を認知させ、ドルや円に対抗する形で人民元の国際通貨化をめざす戦略だ。 人民元建て決済は上海のほか、香港に接する広東省内の広州、深セン、珠海、東莞が対象。いずれも香港系や台湾系の企業が多く進出する都市。当面は貿易決済で人民元の流出地域を東アジア中心に絞り、通貨政策への影響を慎重に判断していくものとみられる。 人民元建て解禁の背景について、中国国営新華社通信は、「金融危機が人民元を国際化の道に踏み出させた」と論評。信認を失いつつあるドルに対し、相対的に人民元の国際地位を高める戦略があることをにじませた。みずほ総研の鈴木貴元上席主任研究員(上海駐在)は、「国際通貨を通り越して“準基軸通貨”を狙う政治的意味合いもある」とみている。 温首相は先月来、「米国は基軸通貨の発行国として適切に通貨管理すべきだ」などとドルに対する懸念を表明。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁もドル基軸体制の限界を指摘する論文を発表した。英ロンドンで今月初めに開かれた主要20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)を前に、中国はロシアなどとドル基軸通貨体制への疑義も唱えており、国際経済への揺さぶりをかけている。 中国は米国などからの元高圧力に屈し、2005年7月に人民元の為替相場をドルに対して約2%切り上げ、管理フロート(変動相場)制度に移行。中国人民銀行が基準相場を毎日決める限定的な制度ながら、ロイター通信によると約3年8カ月で人民元は対ドルで18・64%上昇した。元高は輸出にダメージを与えたが、一方で原油など資源輸入には有利に働いた。 実際に人民元が国際通貨として認知されるまでには「20年以上かかる」(市場関係者)との厳しい見方が支配的だ。だが、世界3位の国内総生産(GDP)規模をもつ中国の通貨政策の転換は世界経済に大きな影響を与えそうだ。 2009年 04月 04日
【論説委員「私の1本」】福島敏雄 (産経 2009/4/3) カジノ資本主義や強欲資本主義など、どうも最近の資本主義は評判がよくない。サブプライムローンの破綻(はたん)によって、アメリカの金融マンや経営者がカジノの胴元並みに強欲だったことが明らかになったからであろう。 だが「カジノ」や「強欲」は資本主義の歪曲(わいきょく)形態であって、マックス・ヴェーバーが描く労働者たちや経営者の姿とはまったく異なる。 ルターにはじまるプロテスタンティズムでは、職業はドイツ語で「Beruf(ベルーフ)」と記される。英語では言えば「calling(コーリング)」にあたる。単なる仕事ではなく、神からの召命としての「天職」という意味も持つ。 こうした職業観においては、神を裏切らないように、勤労が義務づけられる。稼いだカネも神から与えられたものであり、ムダ遣いなどをせずに節約しなければならない。それが「プロテスタンティズムの倫理」ということになる。 ビル・ゲイツ氏など、巨額なカネを福祉や慈善などに寄付する「倫理」を持った経営者もいることはいる。だがヴェーバーは、同書を発刊した1920年の段階で、アメリカには営利一方に走る「末人たち」が到来する可能性があると予言した。末人とは、こんな人たちである。 「精神のない専門人、心情のない享楽人。この無のもの(ニヒツ)は、人間性のかつて達したことのない段階まで登りつめた、と自惚(うぬぼ)れるだろう」 ようするに「世も末の人」のことである。いまや資本主義は「末人資本主義」になったのである。 2009年 04月 02日
(人民網 2009/4/1) http://people.icubetec.jp/a/6c48f7607c794a88b2a50c0a8e3b07f9 中国と日本の経済はいったい何年のギャップがあるのだろうか。日本経済産業研究所の関志雄氏は01年頃、少なくとも40年のギャップがあるとの見方を示した。日本のある経済学教授は中国のほとんどの地域をまわり、「100年と言っては誇張になるが、50年では控えめすぎる。実際のギャップは80年位ではないか」と語った。経済学の角度から見たこれらの推測は、GDPや平均寿命、乳児死亡率、第一次産業の割合、都市のエンゲル係数、一人当たりの電力消費量などから導き出されたものだ。以下では、科学技術のレベルという面からこの問題を考えてみたい。「鳳凰網」が伝えた。 広州汽車の張房有・董事長は2007年、大阪で行われた第6回中日経済シンポジウムで、「広州汽車はすでに、ホンダの最も優秀な海外工場となった」と誇らしく語った。トヨタ自動車と中国企業の合弁も、中日協力のモデルとなっている。 だが、工場が設けられ、自動車が製造され、販売されていく過程で、利潤のほとんどは日本に流れ、中国はわずかな加工代を得ているにすぎない。中国が「世界の工場」であるということは何も新しい話ではなく、誇らしく語るべきことでもない。両国が産業チェーンに占める位置は異なるし、両国の経済界の人々もそのことをよく知っている。 中国社会科学院日本研究所のある研究員は、「核心技術は日本が握っている。中国人は端っこで雇われ賃を稼いでいるにすぎない」とため息をついている。 なぜ中国は「端っこ」にいるようになったのか。その主因の一つは、中心となる先進技術を持っていないことだ。 「科学技術は第一の生産力である」という言葉は正しい。資源が少なく国土も狭い日本がここまで発展したのは進んだ技術によってだ。 業界関係者はよく、「米国人は基準を握り、一番上に立っている。日本人は技術を持ち、中間に立っている。中国人にあるのは力だけ、底辺で働くしかない」と冗談を言う。改革開放当初、中国企業には資金も技術も管理も欠けており、海外から全てを導入するしかなかった。典型的なのは自動車産業の「市場で技術を手に入れる」というやり方。結果的には、市場は他人に渡したものの、技術は依然として学び取れていない。 技術面でのギャップがどれほどかはいくつかの例を挙げれば明らかだろう。中国が高速鉄道を建設するにあたって、フランスのTGVを導入するか、日本の新幹線を導入するかについての激しい議論が起きた。だが新幹線の技術は日本が60年代に自ら発明したものだ。デジタル製品の分野では、日本の技術の優位性はさらに高い。日本製品ボイコットを訴える人々はデジタルカメラを買いたい時にはどうしているのだろうか。中国ブランドのデジカメを買うというわけにもいかないし、買わないということにするしかない。 大阪にあるパナソニックのショールームには100インチの液晶テレビが展示されている。石油価格が高騰すれば、トヨタの燃料電池自動車が市場を席巻するだろう。先端医療機器の分野では、日本政府が数百億円を投じた基礎研究が神戸で展開されている。なにも日本企業の広告をしようというのではない。こうして技術を高めることで、日本は産業の上流に立ち、労働力と資源の安い中国との相補関係を形成している。日本経済界の人々のロジックはこうだ。経済のグローバル化に伴い、ビジネス活動を一国で行うのはますます困難となってきている。国際分業によって生産能力を高める必要があり、日本にとって中国は最良の国際分業相手となる。だがこのロジックは、「中国人は安い労働力にすぎない」と言い換えることもできる。 国際分業論や比較優位論といった考え方は流行して久しいが、細かく分析してみる必要がある。この問題については、鍾慶氏の書いた「皿を洗うか本を読むか」という本の観点に同意したい。 つまり、発展途上にあった日本のように知識や技術を重んじてこそ、民族を発展させることができるという観点だ。立派な高層ビルや大きな工場、巨額のGDPなどは根本的な要素ではない。高層ビルは地震で倒れてしまうかもしれないし、海外資本はいつ撤退するかもわからない。工場だって移転してしまうかもしれない。 高い技術や技術を持った人材、優秀な人材を抱えた国こそが、競争力を持っているといえる。 最初の問題に戻ろう。中国と日本の経済は何年ぐらいのギャップがあるのか。私は少なくとも50年のギャップがあると見ている。技術的な差が少なくとも50年あるからだ。技術の差はすなわち経済の差である。技術レベルが追いつかなければ、使われるだけの身となることを免れることはできない。 日本の大企業が研究開発を重視していることは、日本の産業政策と関係を持っている。第二次大戦後、日本の自動車工業がスタートした頃には、技術を海外から導入するか自国で研究するかという議論があった。最後は、国家産業政策の支援の下、日本の自動車産業は自主発展の道を歩み、技術を重んじ、現在までいたっている。 日本企業の研究開発は、企業自身の投資のほかに、政府からの大きな投資を受けている。日本の科学研究投資はGDPの3%を占め、世界でもトップレベルにある。日本では06年4月から、5年にわたる第3次科学技術計画がスタートした。総投資は25兆円に達する。 技術にギャップがあるなら、中国企業に資金ができてから買えばいいというかもしれない。だが核心技術や先端技術を日本が中国に売り渡すことは考えられない。日本の家電企業には80年代から、「中国に技術を輸出する場合、日本の技術が少なくとも20年まさっていることを確保しなければならない」という不文律があるという。経済はグローバル化するが、技術はそうはならない。日本のある経営者は、「技術は私たちの命であり、軽率に売ってしまうことはできない」と語っている。 日本や欧米は中国との取引の際、何かというと知的財産権を問題にする。彼らがこれをどれほど重視しているかがわかる。中国への投資には乗り気で、中国の土地や労働力を使って生産し、中国市場での販売もさかんに行っている海外企業も、技術だけは絶対に渡そうとしない。技術の盗用をめぐる裁判も絶えない。 中国政府はこれに対し、第11次5カ年計画(2006-10年)期間中に自主革新能力を向上させるという目標を立てた。一部の企業も研究開発の重要性に気付き始めている。日本イー・アクセス社の千本倖生CEOは「中日経済シンポジウム」で、中国の通信機器メーカー「華為公司」を高く評価し、「今後はルーセント・テクノロジーやモトローラなどの有名メーカーを超えていくだろう」との見方を示した。出席した日本人専門家らからは驚きの声が上がった。 科学技術の総体的なレベルには、中国と日本でまだ大きなギャップがある。日本を超えるには、まだまだ長い道のりを歩かねばならないし、あるいは何世代もの人々の努力が必要となるかもしれない。 2009年 03月 29日
(産経 2009/3/28) 平成21年度予算が予算関連4法と合わせ27日、成立した。当初予算としては過去最大規模だが、景気対策は各省庁の小出し案を寄せ集めた印象が否めない。 麻生太郎首相は官僚主導の限界を乗り越えようと、各界の有識者84人から金融危機克服に向けた提言を聞いた。今後の議論の焦点は追加経済対策に移るが、政府・与党はこの際、めざすべき目標を、「デフレ経済からの脱却」に据えるべきだ。 経済全体の総合物価指数である「国内総生産(GDP)デフレーター」は実は10年前から下がり続けている。日本は金融危機を受け、デフレ不況が限りなく進む「デフレスパイラル」に突入する恐れがある。対照的に、金融危機の震源地米国、巨額の金融損失を抱える欧州ともデフレに陥ってはいない。 物価が下がってしめたと思っていたら、自分の収入が減る。みんな消費を節約するから、企業は倒産、商店街では客足が細って閉業が続出する。金融機関は損失を恐れてますます貸さない。 デフレとはいわば「死に至る病」である。体温が平熱より低いヒトの体のようなもので、日常的には自覚症状はあまりないが、新陳代謝が悪くなっている。体力も免疫力も衰え、いずれ重病にかかる。日本は金融危機前の数年間、外需という暖かい空気のおかげでデフレ病を自覚しなかった。今回の危機で空気は凍りついたのに、対症療法を考えていない。 デフレ病だと自己診断すれば、初めて有効な処方箋(せん)が書ける。個人消費を中心とした需要の回復である。中途半端で小出し、ごく一部の層だけが受益する対策では意味がない。たとえば国民1人当たり100万円の還付金、あるいは大型減税といった大胆で満遍ない消費刺激策を一気呵成(かせい)に実行してはどうだろうか。 金融がグローバル化した今日、円資金の国際的影響力は想像を絶するほど大きい。 円資金は2001年から米住宅金融の呼び水となった半面、その供給を絞った2006年から米住宅市況が崩壊し始めたことはデータの上で証明されている。 米国の金融危機対策と連動させ、日銀が量的緩和政策とゼロ金利政策に転換すれば、米金融市場の回復を早めよう。麻生首相と白川方明日銀総裁は今こそ一体となって、不退転の決意でデフレを止めるべきだ。 < 前のページ次のページ >
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