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2009年 05月 22日
(世界日報 2009/5/22) 韓国最高裁は二十一日、脳損傷で植物状態になった女性(76)の家族が延命治療の中断を求めた訴訟で、尊厳死を認め、人工呼吸器を外すよう病院に命じる判決を下した。韓国で尊厳死は法的に認められておらず、最高裁が尊厳死を認定したのは初めて。今後、延命治療中断の動きがさらに広がりそうだ。 判決は「(回復不可能な患者への)無意味な延命治療の強要は人間の尊厳を損なうので、患者の意思を尊重し治療を中断できる」と指摘。その上で、「(女性には)延命治療を中断する意思があると推定される」と判断した。 一方、この判決に先立ち、韓国を代表する医療機関、ソウル大病院は最近、末期がん患者本人が事前に希望すれば延命治療を行わない方針を決定。同病院は二十一日、二人の患者が延命治療を望まないと書面で表明したと明らかにした。 同病院関係者は「多くの病院では患者や家族の意思に基づき、非公式には無意味な治療を既に中止している。現実と法制度の間に大きなずれがある」と語り、尊厳死を法制化する必要性を訴えた。 2009年 05月 22日
(産経 2009/4/30) ■移植臓器の提供先を明らかに ≪■ドナーが決定的に不足≫ 今国会に提出の重要法案の一つに臓器移植法改正案がある。 この法案の主要目的は2点。1点は子どもへの臓器提供機会の拡大。もう1点は、海外で移植手術を受ける日本人が増えたことへの海外からの批判への対処である。 そのための改正論議とのことであるが、まったくピント外れ。最大問題はドナー(臓器提供者)が決定的に少ないこと、それをどうするかということなのである。 現行臓器移植法は、成立してから13年目に入るが、その適用はまだ81例とのこと。1億3000万人に対してこれでは法の存在意義すらないに等しい。それほどドナーは少ないのである。 ではどうすればよいのか、ドナーを増やす方法はあるのか。 ある。その方法について、私は15、16年も前から述べているのにだれも耳を貸そうとしない。 私はこう主張している。臓器提供を可能にするのは、日本人の死生観と合致するときである。その合致がないかぎり、いくら法律をいじくっても、臓器提供は増えない、と。 世界的に言えば、代表的死生観は3種に集約できる。 移植臓器の提供先を明らかに 一つは、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教すなわち一神教のそれである。この場合は、神を信ずる者には魂の救済があるので、なによりも信仰第一。また、神が天地創造の際、人間の姿を土で造り給(たも)うたとするので、遺体は元の土に帰るだけ。それなら、遺体から臓器提供しても神の意志に反することはない。いや、むしろ他者のために積極的にさえなりうる。 いま一つはインド諸宗教(インド仏教も含む)の死生観。それは輪廻(りんね)転生であるから、魂は次々と転生してゆくが、どういう世界に生まれるのかは不明なので、肉体は夢幻にすぎず、遺体は火にかけ散骨する。祖先は祭らず、墓も作らない。だから、貧しい者は生きているときでも腎臓を1つ売ったりする。まして遺体の臓器提供に抵抗はない。 ≪■儒教融合した独自死生観≫ 最後に儒教文化圏、特に日本。インド仏教は中国に伝来して後、儒教の死生観と融合し、それが日本仏教においてさらに深化し独自の死生観となる。 すなわち、インド仏教的に本尊に対しては輪廻転生の苦しみからの軽減を乞(こ)い、一方、儒教的に祖先(位牌(いはい))に対しては祖先からの連続に感謝する。この仏・儒両儀礼において、実質的には祖先祭祀が中心となる。 祖先祭祀とは、天空にある魂(こん)(精神)と、墓に眠る魄(はく)(遺体)とを呼び出して合体させる儀礼であり、魂魄は位牌に依りついて遺族、子孫と再会することとなる。このとき、子孫は祖先との生命の連続を意識する。これが日本人の死生観の根元である。 さて、もし20歳まで成長した子が交通事故に遭い、頭部だけを打って死亡し、首から下は健全であったとき、臓器提供をする条件は備わっている。 そういうことは理屈では分かっている。しかし、もし身体の一部でも提供するとしたならば、すなわち身体を〈欠損する〉としたならば、祖先祭祀の儀礼(法要)のとき、完全な形の身体で現世に帰ってくることができないという抵抗感、拒絶感があるのである。 もちろん、それは土葬時代の感覚であり、今日のようにインド仏教風に荼毘(だび)に付す、すなわち遺体を火にかけて焼く以上、原形はどこにもない。 しかし、おそらくは何千年と続いてきた遺体観はそう簡単に変わるものではない。 だが、そのような遺体観、延(ひ)いては死生観を乗り越えて臓器提供をしようと思っても、ブレーキがもう一つある。それは、臓器の行き先が不明という点である。 ≪■提供者の慰霊祭も必要≫ 聞けば、アメリカで臓器提供者側の者が、提供先を知り恐喝的に金銭を要求した事件があったらしく、それ以来、提供先を明らかにしないのが通例となり法律化してきた歴史が今日に至っている。 けれども、日本はアメリカとは異なる。生命の連続を重んずる感覚の日本人の場合、前掲の死亡した20歳の子の心臓は岡山県の△△さんの中で生きている、肝臓は愛知県の□□さんのところで…とあれば、子を失った悲しみの幾分かは癒やされよう。 いや、提供を受けた人との劇的な対面がいつかはありえよう。あるいは、亡き子の法要にその人たちの参列もありえよう。 求められれば臓器提供先を明らかにするということを法案に明文化しないかぎり、日本人の臓器提供が増える可能性はない。 また、祖先祭祀という慰霊は日本人の根本感覚である。とすると、臓器提供者に対して知事クラスが主催する慰霊祭もまた必要である。 医学部解剖学教室が行っている献体者慰霊祭は荘厳で感動的である。慰霊は百千万言の議論を越えて説得力がある。 臓器提供先や慰霊の問題を無視しての今の改正案は、まさに「仏作って魂入れず」に終わることであろう。 2009年 01月 18日
(ロイター 2009/1/14) http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-35849120090114 英国人女性が脳死と診断されてから2日後に、未熟児ながらも健康な女児を出産したと、地元メディアが13日報じた。 女性は、元アイススケート選手のジェーン・ソリマンさん(41)。自宅で転倒して脳出血を起こし、そのまま回復しなかった。 当地のオックスフォードにあるジョン・ラドクリフ病院の医師団が今月9日、当時妊娠25週目だったジェーンさんに対し、帝王切開による出産を執刀。女児の体重は972グラムだった。 出産後、ジェーンさんに施されていた延命措置は止められた。女児の父親でエジプト出身のマームード・ソリマンさん(29)は、デーリー・メール紙に対し「母親になるのがジェーンの夢だった」と語っている。 2006年 07月 30日
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/news/20060726k0000e040076000c.html 米国やカナダ滞在中に脳血管の病気で意識不明になった日本人で、家族らが現地の医師から「脳死」と説明されたにもかかわらず、帰国後に意識を回復した人が3人いたことが中堅損害保険会社の調査で明らかになった。 東京都内で開かれた日本渡航医学会で、損保の担当者が報告した。海外での脳死診断は日本ほど厳格でなく、治療を打ち切る場合があることを浮き彫りにする事例で、報告した担当者は「医療文化が違う国にいることをはっきり認識すべきだ」と警告する。 報告によると、02~05年度に、旅行や仕事で米国、カナダに滞在中の旅行保険契約者9人が脳血管障害で入院。主治医は家族や損保の現地スタッフに「脳死」と説明した。 うち3人の家族は「治療中止は納得できない」などと訴え、チャーター機で帰国。日本で治療を受け、意識が回復した。搬送費用の約2000万円は保険で支払われた。 残り6人は、チャーター機手配に必要な額の保険に加入していなかったことなどから帰国を断念。現地で死亡したという。 意識が戻った60代男性の場合、カナダで脳梗塞(こうそく)となり、入院した。人工呼吸器をつけなくても呼吸できる自発呼吸はあったが、医師は家族に「脳死」と説明したという。しかし、男性は帰国後1カ月で意識が戻り、記憶も回復した。 日本、米国、カナダとも自発呼吸があれば脳死とは判定されない。回復した3例は病院の診断書に「脳死」との記述はなかった。 病院側は損保に「保険会社で死の解釈が違う。治療費を保険で確実に出してもらうため、(病院としては)脳死かどうかは書かない」などと返答したという。 日本医科大の横田裕行助教授(救命救急医学)は「海外の基準でも脳死なら意識は回復しない。米やカナダなどの一般医療現場では、回復は難しいなどの意味で脳死を使うことがある」と言う。 ◆脳死判定 日本では、臓器移植法に基づき、臓器提供の場合に限って、脳死が法律上の死とみなされる。脳死と判定するためには、(1)深いこん睡(2)瞳孔の散大と固定(3)脳幹反射の消失(4)平たん脳波(5)自発呼吸の消失――のすべてを満たし、6時間たっても状態が変わらないことを確認する必要がある。米国では、州法などで「脳死」を「脳幹を含む全脳の不可逆的停止」などと定義している。どちらの国でも、自発呼吸があれば、脳死とは判定されない。 ◇病院間で脳死判定基準に相違…米国 米国は脳死者からの臓器移植先進国で、年間6000例前後が実施される。脳死は人の死という考え方が広く受け入れられているためだ。松本歯科大の倉持武教授(哲学)は「日本よりも臓器移植を強く推進するというムードが強く、医療現場に影響しているのかもしれない」と指摘する。 実際、米麻酔学会誌(1999年7月号)によると、頭部外傷で脳死と判定された男性が、臓器摘出直前に自発呼吸をしていることが分かったが、そのまま摘出された例などが紹介されている。 日本とは医療制度、保険制度が異なり、医療も「営利産業」とされる。患者死亡の場合、保険会社が死亡直前の治療を「無駄」と判断するケースもある。 病院側は保険会社からの支払いを受けるため、早めに治療を打ち切る傾向もあるようだ。 日本では臓器移植法が施行された97年以降、脳死移植は47例。杏林大学病院の島崎修次救命救急センター長は「米国、カナダの脳死判定では脳波は取らず、日本ほど厳格ではない。カナダでは病院ごとに判定基準を定めている」と説明する。 < 前のページ次のページ >
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