2007年 11月 03日
(viet-jo 07/10/22) http://viet-jo.com/news/social/071021023420.html ホーチミン市保健局はこのほど、今年1~9月に実施した食品加工業者2452社の食品安全衛生に関する検査結果を明らかにした。 それによると、検査チームは782社(全体の約32%)の違反を発見し処分を行なった。このうち、11社は営業停止処分、63社は警告処分を受けた。また、上記処分を受けた業者も含め715社に罰金が科された。罰金の総額は約18億ドン(約1300万円)。違反内容で多かったのは、使用期限切れ香料の使用や違法な食肉処理など。 同局はまた、安全野菜栽培プログラムがホーチミン市の野菜畑総面積の80%に達していると明らかにした。しかし実際に市場や生産地で無作為に選んだ野菜1171サンプルの残留農薬を検査した結果によると、安全な野菜と認められるものはわずか0.42%に過ぎなかった。 2007年 08月 25日
電力インフラを整備へ インドネシアに続きベトナムでも、原子力発電所建設計画に弾みがついている。東南アジアで現在、原発を所有している国はなく、実現すれば同地域初となる。 ベトナムでは電力のインフラ整備が経済成長のスピードに追い付かず、中国などから電力を購入していることから原発計画を急いでいる。 ベトナム政府は原発の建設予定地を、同国中南部ニントゥアン省に決定済みだ。二〇二〇年の稼働を目指し、百万㌔㍗の原子炉二基を建設する。 ただ投入される原発建設費が三十億㌦と高額なことと、原発建設や運営などにかかわる専門家など人材を確保することに困難を伴うことで、原発計画がスムーズにいくかどうかはまだ未定だ。 それでも日本や韓国、フランス、ロシア、中国などがベトナムの原発計画を支えていくサポート態勢構築に動き出している。原発建設には外国の技術支援が不可欠となる。 とりわけベトナム支援へ積極的な動きをみせているのが中国だ。トンキン湾をはじめベトナムとの国境問題では全面解決にこぎつけるなど対越関係改善にリーダーシップを発揮した中国は、「原子力の平和利用に関する中越協定」にも調印済みだ。中国は今後ベトナムの原発建設やそれにかかわる技術支援など積極姿勢を示している。 ベトナムの原発建設計画が本格的に動き出したのは、七年前の共産党大会からだ。同大会で採択された十カ年社会経済発展戦略に「原発利用の可能性研究」といった文言が盛り込まれたことで、国家プロジェクトとして正式にスタートしたからだ。 一方、先行するインドネシア政府は一一年までに同国初の原子力発電所を建設する方針だ。建設地はジャワ島中部で、六千メガ㍗の電力を供給。総事業費は九十億㌦(約一兆六百億円)とビッグプロジェクトとなっている。 インドネシアが原発計画推進へ舵(かじ)を取ったのは、原油価格が高騰する中、早急に脱石油化を推進する課題が課せられている背景があるからだ。原発の売電価格は一㌔㍗時当たり四セント程度とされ、原油と比べ割安となる。 なおベトナムやインドネシアの原発計画に影を落としているのが昨今の天然ウラン高騰だ。天然ウランは原発の核燃料に使われるが、中国やインドでも原発新設計画が浮上。 これが天然ウラン価格の押し上げ要因となって、四半世紀ぶりの高水準に達している。 九基の原発を稼働させている中国は、新たに二基を建設中だ。さらに二〇年までには原発発電量を現在の五倍程度に引き上げる予定で、三十基前後の原発建設が見込まれている。 また経済成長著しいインドも、原発発電量を現状の二百八十万㌔㍗から六倍に増強する計画だ。 2007年 08月 01日
(世界日報 07/7/21) http://www.worldtimes.co.jp/gallery/photo/macau1/macau1.html 高額賭博の中国人客が下支え 経営権開放でバブル状態に 昨年開業したばかりの米系カジノ「ウィン・マカオ」。ルーレットやブラックジャック、バカラ、大小(ダイ・ショウ)、ブーレなどのカジノテーブルには中国本土客がずらりと取り囲み、北京語が飛び交う。 マカオは香港同様、1999年12月、中国に返還され、香港と対照的に「一国二制度」が適用されて以降、経済成長は順調だ。マカオ政府の統計によると、カジノに勤務する人は2006年末現在、約3万6000人。約27万6000人の労働人口を持つマカオで約13%がカジノで働いている。月給はマカオ人の場合、平均1万3000パタカ(1パタカは約15円)で香港人を含めて外国人の場合は平均2万6000パタカ(約39万円)だ。しかも、5600人分の空職があり、若者は他業種よりも給与が2倍近く高いカジノ勤務にどんどん吸収されていくのが実情だ。 マカオには23の政府公認カジノがある。マカオのトップである何厚●(金ヘンに華)(エドモンド・ホー)行政長官は01年、カジノ経営権の開放を行い、米ラスベスガス系資本など250億米ドルが投じられ、カジノの経営競争が激化した。 04年に米ラスベガス系カジノ「金沙娯楽場」(ラスベガス・サンズ)、米系のウインリゾート(永利リゾート)、香港系の銀河娯楽場(ギャラクシーカジノ)などが次々と進出。返還前、リズボアホテルなどマカオのカジノ経営権を一手に握っていたマカオ旅游娯楽有限公司(STDM)総裁のスタンレー・ホー氏は「私はマカオで40年の経験がある。彼ら(米ラスベガス資本企業)は待つことを覚えないと私に追い付くことなどできない」と述べ、今年2月、約50億香港ドル(750億円)を投入して巨大カジノ「新リズボア」(240テーブル、スロット480台)を開業して巻き返しを図っている。 マカオは06年のカジノ総収益が72億米ドルで、米ラスベガスの66億米ドルを抜いて世界1。06年のGDP(域内総生産)は2万8436米ドルで香港(2万7641米ドル)を初めて抜いた。「東洋の真珠」と呼ばれた香港よりもGDPで上回る急速な発展ぶりだ。経済成長率も16・6%で、カジノ産業の売上高は22%増、カジノ産業への投資額は39・6%増という驚異的な急成長が続く。 06年、マカオを訪れた観光客数は前年比18%増の約2200万人。うち中国本土客が約1200万人(54%)、香港客約700万人(32%)、台湾客約154万人(7%)の順となっている。中国本土の富裕層が一夜で費やす巨額マネーはカジノ収益の半分以上になる計算。観光収入は353億パタカ(5295億円)で前年比23・8%増という“カジノ・バブル”状態だ。 2007年 05月 24日
http://viet-jo.com/news/social/070521051657.html ハノイ市で18日、スイス・ベトナム大気浄化プログラム(SVCAP)の一環として「大気質とメディアの視点」と題するセミナーが開かれた。 同市科学技術局と化学研究所はこの席で、ハノイ市内で年間8万トンの煙塵(えんじん)、9000トンの二酸化硫黄(SO2)、1万9000トンの二酸化窒素(NO2)の大気汚染物質が排出されているという観測結果を発表した。 また、2010年までに市内の主要交差点での大気中汚染物質濃度が基準値の7~9倍になり、特に揮発性有機化合物(VOC)は基準値の33倍になるとの予測を明らかにした。 ハノイ市内にはおよそ400の工場があるが、そのうち半数の工場が汚染物質を排出している可能性があるという。また、バイクや車などの交通手段も大気汚染の主な原因と見られている。 専門家らは大気質の改善対策として、安全かつ経済的でもあるエコカー(低公害車)の導入を提案している。 2007年 01月 07日
http://www.sankei.co.jp/kokusai/world/070106/wld070106000.htm 世論調査会社ギャラップが昨年末に53カ国・地域で行った調査で、「2007年は06年よりも良くなる」と答えた人の割合が最も高かったのはベトナムの94%で、逆に「悪くなる」と最も悲観的だったのがギリシャだったことが分かった。 日本は「良くなる」が19%で下から2番目の52位、「悪くなる」は14%で37位だった。 断トツに楽観的だったのがベトナムで、以下、香港74%、中国73%と続く。ベトナムは毎年7~8%台の高成長を続け、外国からの直接投資も昨年の認可額が過去最高を更新。 今月11日の世界貿易機関(WTO)加盟を控え、雇用拡大への期待感などが楽観的見通しを下支えしたとみられる。 2006年 08月 30日
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0825&f=politics_0825_002.shtml 中国とベトナムは24日、北京市内で共同プレス発表を行った。中国を訪問しているベトナム共産党のノン・ドク・マイン総書記と胡錦涛・総書記(国家主席)などとの会談における合意事項をまとめたもの。資源エネルギー分野を中心に協力を推進することを表明し、両国関係を「良き隣人、良き友、良き同志、良きパートナー」と形容するなど、中越の結束を強調する内容が目立つ。 ■経済分野で協力関係を推進 ノン・ドク・マイン総書記は22日から中国を訪問し、胡錦涛中国共産党総書記(国家主席)、呉邦国・全国人民代表大会常務委員会委員長、温家宝・首相、賈慶林・全国政治協商会議主席と個別に会談した。 共同プレス発表で中越双方は、「改革開放」と「ドイモイ」という社会主義体制の中で進められている改革が大きな成果を収めていることを互いに、高く評価した。 双方は、近年における両国の共産党及び両国の関係の発展について満足している考えを示した。双方は「長期的安定、未来志向、善隣友好、前面協力」という方針と「良き隣人、良き友、良き同志、良きパートナー」という精神を継続させ、トップレベルの相互訪問の伝統を維持する。 経済に関しては、2010年における貿易総額を100億ドルにするという目標を前倒しで実現できるよう努力する。また、インフラ建設、製造業、人的資源の開発、エネルギー、鉱産品加工などの分野で両国の企業が長期的に協力することを支持する。 また、双方は「中越両国政府経済技術協力協定」と「中国進出口銀行がベトナム・カンファ火力発電第1期30万キロワットガス火力発電プロジェクトに対して借款を提供する協定」に署名した。 ■国境跨ぐ海底資源は共同開発 陸上の国境線には遅くとも2008年末までに境界を示すプレートを設置する。また、管理のための文書を作成する。 北部湾に関しては、漁業協力協定が実施され両国海軍が巡視活動を行っている現状を評価する。 更に北部湾の両国海域を跨いだ石油天然ガス田の探査及びその他の分野における協力を加速させる。また、北部湾外の海域においても、双方は共同開発のための協議を積極的に進める。 南沙諸島を含む南海問題に関しては、交渉を継続する。南海問題は共同で安定を維持し、積極的に共同開発を行うための交渉を進め、適切な協力モデルと協力海域を模索していく。 ノン・ドク・マイン総書記は、中国共産党主席・国家主席である胡錦涛氏及び中国共産党、中国政府、中国人民の熱烈かつ友好的な接待に心からの感謝の意を表明し、ベトナムで開催される第14回アジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議に胡錦涛中国共産党主席・国家主席を招待することを申し出た。 胡錦涛中国共産党主席・国家主席は、喜んでこの申し出を受けることを表明した。(編集担当:如月隼人) 2006年 07月 02日
年内にもWTO加盟 官民一体で輸出体制強化 ベトナムと米国は五月末、ホーチミン市でベトナムの世界貿易機関(WTO)加盟に向けた二国間協定の合意文書に正式調印した。ベトナムのWTO正式加盟にはさらに米議会が恒久的最恵国待遇(PNTR)を付与する必要があるものの、これでベトナムはすべての国・地域との二国間協定交渉を終え、これから消化試合に等しい多国間交渉を経て、一九九五年以来続いてきた加盟交渉は年内にも決着が付く見込みだ。 ベトナムのWTO加盟が実現すれば、インドシナ地域では二〇〇四年に実現したカンボジアに次ぐものとなる。多角的貿易体制の空白地帯だった同地域にWTOルールが定着すれば、将来は日本や中国などとの自由貿易協定(FTA)締結の可能性も見えてくる。 ただ長年、犬猿の仲だった中越関係の再構築を図ろうと中国のベトナム取り込みが本格化しており、その動きには注意を要する。 要注意の中越急接近 ベトナム政府はWTO加盟を実現するため昨年六月、ファン・バン・カイ首相が訪米するなど積極外交を展開してきた。ワシントンでカイ首相と会談したブッシュ大統領は、ベトナムのWTO加盟を支持する立場を表明していた。 こうした流れを受け米通商代表部(USTR)は五月中旬、農産品や鉱工業品の関税引き下げなどをめぐるベトナムとの市場開放交渉が合意に達したと発表。今回の正式調印へとつながった。 米越二国間協定の合意事項は、ベトナムが米国の工業製品の94%、農産物の75%に対し、関税を15%以下に引き下げること。さらに、ベトナムはIT(情報技術)製品や航空機に対する関税を撤廃。 市場参入障壁となっている補助金の撤廃などにも踏み切ることになる。このほか、銀行や保険、通信会社に対する市場開放も盛り込まれた。 ベトナムへの投資が急増しているわが国は昨年六月、WTO加盟に向けた二国間交渉で合意。またベトナム政府は、韓国やシンガポール、欧州連合(EU)、ブラジルなどとも昨年、相次いで合意を取り付け、最後に残るのは米国との二国間交渉だけとなっていた。 米国との交渉妥結により、ベトナムはすべての国・地域との二国間協定交渉を終え、これから多国間交渉を経ればWTO加盟交渉は終局を迎える。そして、今年十一月にハノイでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれる際にも、ベトナムのWTO加盟が実現する見通しとなった。 WTOの正式加盟には、関税引き下げやサービス市場の開放など自由化をめぐる主要国との二国間交渉だけでなく、農業分野の輸出補助金の段階的撤廃や外資規制の緩和、知的財産権保護など、貿易に関連する国内法制の改革に踏み込み、WTO作業部会での多国間交渉の妥結が必須条件となっている。 なお、ベトナム共産党は五年に一度開く党大会を今年四月、首都ハノイで開催し、八六年の党大会で採択したドイモイ(刷新)政策の二十年間の成果を総括。今後も経済発展を優先し、改革・開放路線の加速を鮮明に打ち出した。 ノン・ドク・マイン書記長による政治報告では、ドイモイ政策を評価した上で、今後五年間の国内総生産(GDP)平均成長率8%以上を目標とすることを確認。そのためにもWTOへの早期加盟を実現するとともに、アジア太平洋諸国との協力拡大や国内の投資環境整備による外資導入促進などを挙げていた。 経済最優先主義を国策とし官民一体となって輸出体制強化に乗り出しているベトナムにとって、WTO加盟実現は二〇〇〇年に締結した米越通商協定以来、輸出促進のジャンプボードとなるものだ。 ベトナムがWTO加盟を急ぐのは、こうした輸出振興の促進力になると読み込んでいると同時に、経済拡大のための海外資本による投資に弾みを付けたい意向があるためだ。 ASEANを狙い越を橋頭堡に-中国 日本 優位の獲得が急務 視野に入ったFTA(自由貿易協定)締結 港湾はまだまだ貧弱だが、ハイフォン、ダナン、サイゴン港が工事の最中で、間もなく海の玄関口も再整備される(写真は現在のサイゴン港) そのベトナムへの投資は、「チャイナリスク」を担保する意味合いもあって最近、上昇傾向が続いている。わが国の対越投資も一九九○年代後半のアジア経済危機以降、急回復し、二○○五年は新規投資件数八百十件、実行額三十三億ドルと、ともに過去最高を記録。 一九九〇年代半ばの対越投資一次ブームに次ぐ二次ブームといえるような高い投資熱が続いている。キヤノンが五月、第三工場建設に着工。ホンダも七月には自動車の生産を始める予定だ。 また今年二月には米半導体大手インテルも工場建設を決め、四月にはマイクロソフトのビル・ゲイツ会長が首都ハノイを訪れ、党首脳と大型投資案件に関し相談している。 ベトナム政府とすれば、こうした国際競争力強化のための追い風となるWTO加盟を早期に実現することで、さらなる経済発展に向けた上昇気流をつかみたい意向だ。 ベトナムのWTO加盟が実現すれば、インドシナ地域では二〇〇四年に実現したカンボジアに次ぐものとなる。多角的貿易体制の空白地帯だった同地域にWTOルールが定着すれば、将来は日本や中国などとのFTA締結の可能性も見えてくることになる。 ただ経済成長路線をひた走るベトナムながら、わが国にとって懸念がないわけではない。それは犬猿の仲だった中越が最近、急速に接近していることだ。中越首脳は一九九七年のアジア通貨危機以後、相互訪問を繰り返し、経済的交流だけでなく政治的にも緊密度を深めている。 中越接近を促している理由の一つが、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が二〇一五年までの実現を目指しているFTAだ。 今後、中国とASEANの貿易が拡大すれば、ベトナムは中国のASEAN向け物流のゲートウエー(門戸)になる一方、ベトナムはASEANの対中貿易拠点になるとの期待感が高まっているからだ。 中越戦争だけでなく歴史的に対中警戒心の強いベトナムを親中国家に変えることができれば、ASEAN外交を推進させたい中国にとって橋頭堡(きょうとうほ)を確保するに等しい成果となる。 とりわけ資源外交を推進中の中国としてみれば、トンキン湾の原油採掘共同開発や資源採掘国有企業への投資など、直接的に中国を利するだけでなく、トンキン湾で始まった共同パトロールなど中東などからのシーレーン(海上交通路)の安全保障を担保する上で貴重な提携となる。 その中国は、ハノイで開催中の国会でグエン・タン・ズン副首相が首相に昇格することを心待ちにしている。グエン・タン・ズン副首相は、親日家でもあったファン・バン・カイ首相とは違って、日本への関心は極度に低く中国寄り実務家として知られている。 中国としては中越蜜月時代を引き寄せる最適の人物と期待が掛かる。 一方、わが国としては手をこまぬいたままでは中国の外交力に押しやられてしまう可能性がある。わが国はベトナムで最大のODA(政府開発援助)を供与している実績をバーゲニングパワー(交渉力)として、中国を牽制(けんせい)し得る政治力を行使する必要があろう。 とりわけ中国へ傾斜しがちなベトナムを牽制する力になるのが、わが国の民間企業が所有している先端技術力だ。持続的な成長には技術革新が必須条件。 ベトナムは単に安い労働力を武器に労働力集約型の産業誘致で、経済を浮揚させようと考えているわけではない。技術力を伴った高収益型産業を積極的に誘致しながら、渡り鳥的宿命を持つ労働集約型産業が次の土地に流れていく際、成長力を担保できる産業をしっかりつなぎ留めておきたいという長期的展望に立ったものだ。 ベトナム政府がさまざまな優遇措置を付加してインテルの工場を誘致し、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長をハノイに招いたのも、そうした遠謀深慮があってのことだ。 わけても中国は、自国の国営企業と連動する形で政府と企業が一体となったアプローチを展開している。 計画経済の残滓(ざんし)を政治力強化の手段にも使っているわけだが、これに対抗するには、わが国の先端技術力を政治力に転化する政治的センスと、アジア全体を俯瞰(ふかん)しながら、そのダイナミズムを発展させる構想力こそが問われている。 2006年 06月 29日
旧ポル・ポト派幹部 「愛国者」強調/謝罪拒否、今もなお“抵抗” カンボジアで約200万人を死に追いやった旧ポル・ポト派。 同政権崩壊から約30年を経て、大虐殺を裁く特別法廷の手続きが来月から始まるが、訴追の対象となる幹部の多くは今でも自らを「愛国者」と強調、虐殺の責任や謝罪を拒否している。 旧ポル・ポト派のかつての拠点だったカンボジア西部パイリンで彼らの消息を探った。(パイリン 岩田智雄) タイとの国境のゲートからやや奥まった草むらに立つ粗末な家。そこに旧ポル・ポト派ナンバー2だったヌオン・チア元カンボジア共産党副書記(79)が妻と2人で暮らしていた。 部屋はわずか2つ。自宅の壁にはシアヌーク前国王夫妻の写真が飾られている。記者を自宅に招き入れたヌオン・チア氏は心臓病を患い、歩行も困難な状況だったが、口調はしっかりしており、「ポル・ポトは愛国者だった」と話した。 ヌオン・チア氏は党の粛清の黒幕ともいわれ、訴追される可能性はきわめて高い。話を特別法廷に向けると、同氏は「(自らの責任については)法廷で話す」とだけ述べ、それ以上のコメントは拒否した。 1998年、政府軍に投降したヌオン・チア氏は当時、記者会見で虐殺の犠牲者に謝罪した。しかし、この日は投降についても「国家統合のためだった」と強調、謝罪の言葉は口にしなかった。 ヌオン・チア氏は毎朝5時に起床、午後9時半には就寝する日々を送っている。昼間はラジオでボイス・オブ・アメリカなどを聞き国際情勢を分析する。最近は自宅から出ることはほとんどない。 子供は3人、孫は11人、ひ孫も1人おり、近所に住む娘夫婦と元ポル・ポト派兵士の側近ラット・リナ氏(39)が身の回りの世話をしている。 ラット・リナ氏によると、ヌオン・チア氏は「過去の秘密をすべて知る人物」で、ポル・ポトよりも事情に詳しいはずだという。裁判についても「自分は何を話すかはもう決めている。自分のやったことは自分が一番知っている」と話しており、すでに法廷戦術を考えているようだ。 パイリンはベトナム軍によるプノンペン陥落後、ポル・ポト派が逃げ込んだジャングルの中の拠点の一つ。首都と同格の特別市の扱いを受け、町にはもう一人の幹部、キュー・サムファン元国家幹部会議長も暮らしている。 昨年初め、国境近くの自宅を売り払い、市内中心部に新居を建てた。2004年に自伝を出版したが、やはり虐殺の責任を否定した。 ポル・ポト派の消滅後、パイリンは普通の町に変わった。住民の一番の関心事は、特別法廷よりも町の「復興」にある。国境近くにはタイ人相手のカジノとホテルの建設が相次いでいる。来年には釣り堀や会議場を備えた公園が建設される計画だ。 だが、80年代の内戦で大量にばらまかれた地雷の犠牲者は後を絶たず、昨年も102人が死傷した。ラット・リナ氏自身、「1000個は埋めた」と証言している。 ポル・ポト派はいまは完全に消滅したが、パイリン市長、さらに6人の副市長の半数は旧ポル・ポト派の元メンバーだ。その一人、ケート・ソティア副市長は「われわれはみな愛国者だ」と同じ発言を繰り返した。 訴追を控えたカンボジアでは、真相究明と責任者の裁きを求める国民の声が高まっている。パイリンもまた、ゲリラの町から観光の町に変貌(へんぼう)しつつある。しかし、旧ポル・ポト派の幹部たちにとって、特別法廷は依然として“抵抗”の場であることに変わりはない。 ◇ ■特別法廷の仕組み 元ポル・ポト派幹部を裁く特別法廷は、来月3日の司法官宣誓就任式のあと、10日から訴追に向けた捜査が始まる。 訴追対象となるのは、元ポル・ポト派の上級指導者で、1970年代後半に行われた残虐行為(大量虐殺、人道に対する罪など)を裁く。裁判は2審制。検察官が起訴の適否について合意できない場合には、裁判前法廷に対して決定を求めることができる。 最高刑は終身刑で恩赦はない。国王がすでに恩赦を与えているイエン・サリ元副首相についても訴追対象に含めており、5人から10人が訴追される見通しだ。 犯罪捜査を含めた裁判費用は3年間で計5630万ドルが見込まれる。国連が負担する4300万ドルの約半分を日本が拠出しており、日本人の野口元郎(もとお)氏が2審判事の一人に任命されている。(岩田智雄) ◇ 【用語解説】ポル・ポト派 1975年から79年までカンボジアを支配した共産主義政党。資本家らの財産や身分を取り上げ、多くの国民を虐殺した。ベトナム軍によるプノンペン陥落後、幹部らはタイ国境へ逃れたが、98年にポル・ポトが死亡、99年までに大半が投降または拘束され消滅した。 2006年 06月 28日
ベトナム国会は、新大統領(国家主席)にグエン・ミン・チェット・ホーチミン市党委員会書記(63)、新首相にグエン・タン・ズン第一副首相(56)を選出した。 この後、財務相、国防相など主要閣僚の交代人事が決定され、今月末にはベトナムの新政権が発足する。世代交代を印象付けることが特徴になろう。 ●≪日本に関心薄い新首相≫ 社会主義下のベトナムは、市場経済システムを導入する「ドイモイ(刷新)」政策を加速させ、年平均7・5~8%の経済成長を目標にしている。 わが国のベトナムへの投資は、「チャイナリスク」を考慮に入れ、このところ、上昇傾向となっている。その投資額は一九九○年代後半のアジア経済危機以降、急速に回復し、昨年は実行額三十三億㌦と過去最高を記録した。 こうした日本からの投資潮流をつくり上げたのは、親日家で改革派のファン・バン・カイ前首相だった。邦人企業の要望に耳を傾け、さまざまな優遇措置とともに、社会主義国家特有の事務手続きの煩雑さや時間的ロスを改め、改革路線を維持してきたからにほかならない。 そのカイ前首相に比べると、日本への関心が極めて薄く、中国に目が向きがちなグエン・タン・ズン新首相の就任に懸念がないわけではない。 ベトナムを取り込む外交に一段と熱を入れている中国が、“好機到来”ととらえているとみられるからだ。 中国は、特に江沢民(前国家主席)時代からベトナム訪問を繰り返し、さまざまな分野での交流を重ねている。 その狙いの一つが、東南アジア諸国連合(ASEAN)との間で、二〇一五年までに自由貿易協定(FTA)を締結することだ。中国とASEANの貿易が拡大すれば、ベトナムは中国のASEAN向け物流の拠点になろうし、逆に、ASEANによる対中貿易の拠点にもなろう。 その意味で中国は、中越戦争を経験するなど対中警戒心の強いベトナムを親中国家に変えることが、ASEAN外交を推進させるために大きな価値があると計算しているようだ。 さらに、トンキン湾の原油採掘共同開発や資源採掘国有企業への投資などを通じて、全世界的に展開している資源獲得戦略を推進することも狙っている。 中国がASEANとの関係強化に動いているのは、経済的利益だけが目的ではない。 米国が懸念する「不安定の弧」の中の一角を占めるASEANに深くリンクすることで、同地域の海岸部を通過する中国のシーレーン(海上交通路)を確保することもある。 また中国はこのほどトンキン湾でベトナムとの共同パトロールを開始した。こうした連携が拡大し、中国の軍事力が、東西冷戦中の旧ソ連海軍のように、ベトナム近海に出没するようになるとすれば、これは米国やわが国の安全保障にかかわる問題にもなってくる。 わが国は、ベトナムへ最大の政府開発援助(ODA)を行っている。その実績をバーゲニングパワー(交渉力)として経済面だけでなく、政治面でも「ドイモイ」を実施し、共産党の一党独裁を改めるよう発言力を強めるべきだ。 ●≪米国と連携した戦略を≫ また、米国の民間企業の進出も活発化している。ベトナムの今後の対中接近の距離と内容を注視しつつ、米国と連携した総合的な外交戦略を確立する必要があろう。 < 前のページ次のページ >
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