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2006年 08月 30日
水泳の伊藤華英優勝、F1ホンダ優勝で 国歌は優勝者の特権 今回はスポーツの話題から入る。と言っても、“ハンカチ王子”のそれではなく、水泳のパンパシフィック選手権である。 「伊藤ハナ金!/初めての君が代『歌わなきゃ』」との見出しが読売の十九日付朝刊スポーツ面に躍った。カナダで開かれた同選手権の女子百㍍背泳ぎで伊藤華英が世界記録保持者のナタリー・コーグリン(米)に競り勝ち、国際大会で初の優勝を飾ったのだ。 「表彰台中央に立っての君が代は『初の経験だったので“ちゃんと歌わなきゃ”と思った』と言う21歳。もちろん2年後の北京で、このシーンを再現させるつもりだ」と記事にある。 表彰式で国歌が流れるのは優勝者のみの特権である。高校時代から非凡な才能を期待されながら結果を出せなかった伊藤選手にとって君が代はどれほどの感動モノだったか。その気持ちが「ちゃんと歌わなきゃ」に表現されている。 八月にはもうひとつ万感の思いがこもった君が代が流れた。自動車のF1世界選手権十三戦ハンガリー・グランプリ(GP)で六日、ホンダ勢が単独チームとしては実に三十九年ぶりに優勝、その表彰式で君が代が流れたのだ。ホンダは今季、三位が最高で苦しみ続けてきただけに、日本のF1ファンも歓喜した。 これを読売は七日付朝刊のスポーツ面トップ(と言ってもスポーツ面は六ページもあったが)で報じ、ホンダの福井威夫社長の「君が代が流れたときは感動した。これを機に本当の実力をつけ、コンストラクターズ部門で優勝争いできるチームになりたい」とのコメントも掲載した。記事はロンドン支局と共同電、コメントは共同電だった。 日経は共同電で報じ、社長コメントには「君が代に感動」の小見出しを立てていた。テレビでこの表彰式を見たが、確かに君が代にはホンダチームの誰もが感動していた。ホンダはエンジン供給では一時期、黄金時代を築き何度も優勝したが、それだけでは君が代は流れない。今回は単独チームなので三十九年ぶりに君が代が流れたのだった。 巧妙に君が代を外す だから、このニュースは「君が代に感動」がもっとも臨場感を伝えている。伊藤選手も同様、君が代に勝利の喜びが象徴されているからだ。 君が代に感動――、こんなニュースやコメントに接すると、どうしても気になってしまうのが、朝日と毎日の扱いである。両紙は都立校の卒・入学式での一部教員の君が代斉唱ボイコットに肩入れするかのような記事を載せてきた。 例えば、都立板橋高校の卒業式(二〇〇四年)で君が代斉唱に反対し式の進行を妨害して威力業務妨害罪に問われた元教諭が五月三十日、東京地裁から罰金二十万円の有罪判決を受けたが、これを朝日は同日夕刊の解説で「現場の教員さらに萎縮」と批判。さらに翌三十一日付社説で「教育に刑罰は似合わない」と主張した。 元教諭は式を妨害した威力業務妨害で裁かれたのだ。それを朝日はあたかも思想や教育が裁かれたようにすり替えた。毎日も同様のスタンスだった。 では今回、君が代をどう扱ったのか。伊藤選手の場合、これを大きく取り上げたのは読売だけだったので置くとして、ホンダの場合、実に巧妙に“君が代隠し”をやってのけていた。 朝日の七日付朝刊スポーツ面はF1ニュースを報道と解説の二本立てで報じたが、プロ野球報道の下の地味な扱い。ホンダの快挙も朝日に掛かれば、プロ野球の百数十試合の一コマよりも小さいということか。福井社長のコメントは、むろん外されていた。 国旗国歌嫌いの朝毎 毎日は七日朝刊のスポーツ面トップ(読売同様だが)で報じ、記事と解説はいずれも共同電。他紙にない丁寧さで完走した十四台の順位とタイムも詳報した。 ところが、福井社長のコメントは載ってはいるのだが、どういうわけか、ここだけ共同電ではなく時事電だ。それには「君が代」の一節がなく、わざとこれを外すために時事電を使ったとしか思えない扱いである。 ちなみに産経にも「君が代に感動」がない。これはベルリン支局の自社モノで報じたので共同電を見落としてしまったからか。 とまれ、国旗国歌法が制定されて七年たつが、朝日と毎日の“日の丸・君が代嫌い”は一向に変わっていないようだ。(増 記代司) < 前のページ次のページ >
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