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 (産経 07/8/25)


 中国にある旧日本軍の化学弾の処理をめぐり、日本政府が今年度予算を含め、投入する国費は累計約683億円に上る。さらに今後建設される発掘回収施設費は940億円。無害化処理施設の建設費は1000億円を超えるとみられる。



 現地での人件費や施設維持費などがかさみ、「日本の持ち出しは総額1兆円規模になる」と専門家は分析する。



 この遺棄したとされる化学兵器の処理問題ほど、重要な条件が不明なまま、中国の言い分を受け入れた例は類をみないと指摘されている。



 ある外務省OBは「中国にとって旧日本軍の化学兵器処理は戦後最大の対日政治工作の成果だ」と語る。



 1997年に発効した化学兵器禁止条約によれば、遺棄化学兵器とは「1925年以降、いずれかの国が、他の国の領域内に当該他の国の同意を得ないで遺棄した化学兵器」と明記されている。



 敗戦によって満州を含む中国大陸の旧日本軍は降伏し、すべての兵器、施設、財産は旧ソ連と中国に没収、接収され、所有権は両国に移転した。



 また、いったん包括的に没収したあと、中国に旧日本軍の化学弾を残したのはソ連である。



 ここから導き出されるのは二つの疑問である。


 一つは、武装解除や占領による没収は、当該国の同意を得たことにならないのか。もう一つはソ連に条約上の処理義務は生じないのか。



 こうした旧日本軍化学弾の所有権はどこにあるか、という問題こそ、日本政府は詰めなければならないはずだ。



 ところが、外務省は所有権が日中いずれにあるのかを精査した形跡はない。ロシア政府に対しても情報や資料の提供を求めていない。



 95年9月、この条約に批准した当時の村山富市首相は「遺棄した方の国にその処理の責任がある。誠実に実行するのは当然だ」と国会で答弁した。河野洋平外相は「外国が遺したものを含めて日本が責任をもって処理する」とまで言い切った。河野氏らは引き渡したことを証明した書類がないとして、中国に有利な化学兵器処理策を推進したのである。



 日中両国は99年7月、日本側が遺棄処理費の全額を負担することなどを盛り込んだ覚書を交わした。将来の事故まで日本が補償することとされた。初めから日本に責任ありきという結論があったがゆえに政府は所有権問題に背を向けてきたといわざるを得ない。



 だが、化学弾を引き渡したという証言が、外務省による遺棄化学兵器に関する旧日本軍兵士16人への聞き取り調査で明らかになった。



 2004年3月に受け取った報告書には「終戦時は黒龍江省牡丹江市付近に駐屯し、鏡泊湖付近の平地で(ソ連軍の)武装解除に応じ、他の鉄砲や弾薬とともに数千発の化学弾を引き渡した」という元軍曹、二本柳茂氏の証言が盛り込まれていたからだ。



 ただ外務省はこの報告書を公表していない。「ソ連軍と引き渡しの文書を交わしたという証言ではないからだ」(中国課)と説明する。



 遺棄化学兵器の処理は、国の名誉にかかわる問題だ。外務省が事実関係を明らかにしなければ、国益は損なわれていくだけだ。処理経費の一部が、中国軍の近代化に寄与する可能性もある。 対中迎合外交のつけを日本国民は子々孫々までたっぷり払わされることになるのだろうか。


             ◆◇◆◇◆◇◆


 ≪「日本製を夜間にころがした」≫


 8月14日、8人の陸上自衛官が中国吉林省ハルバ嶺近くの敦化(とんか)に飛んだ。自衛官たちは9月18日まで、埋められている旧日本軍の化学兵器の発掘、回収作業に汗を流す。



 一方で旧日本軍の化学弾が発掘された同じ場所から他国の砲弾がみつかっている。2004年9月に陸上自衛官が黒龍江省寧安(ねいあん)市内で行った発掘、回収作業では化学兵器、通常砲弾、地雷、小銃弾など2000発が混在して発見されたが、旧日本軍のものは89発にすぎなかった。



 中国に派遣されたことがある自衛官は「発掘した通常弾、化学弾の中には(弾には必ず巻かれている)銅帯が抜き取られた弾がいくつもあった」と振り返る。中国軍が日本から没収した化学弾から、カネになる銅だけを奪って地中に埋めたに違いないと、軍事専門家は解説する。



 処理作業に携わった政府関係者は「朝、発掘、回収予定地に着いたら、昨夜はなかった日本製の化学弾ひとつが現場にころがしてあった。どこかに保管されてあったものだ」とも語る。



 これらは、化学兵器禁止条約が問題にする「同意を得ずに遺棄された化学兵器」に当たらないことを示していよう。



 昨年春、山形県にある全国抑留者補償協議会(全抑協)のシベリア史料館に、中国で旧日本軍が武装解除の際に引き渡した武器・弾薬の詳細を記した「兵器引継書」約600冊が残っていることが明らかになった。



 90年代に故斎藤六郎・元全抑協会長がロシア各地の公文書館などから合法的に持ち帰ったものだ。引継書に記された兵器移交目録の「受者」には、「陸軍少将 李盛宗」「軍政部特派員 楊仲平」などと国民党軍の責任者の身分、署名、捺印(なついん)があった。



 これを受けて昨年5月12日の衆院内閣委員会で戸井田徹議員(自民党)が政府の対応をただした。安倍晋三官房長官(当時)は「この資料は精査すべき内容だ。政府としてもしかるべき調査をする」と答弁した。



 その直後、戸井田氏の議員会館の事務所に外務省の中国課長が飛び込んで、こう言い放った。



 「(引継書が)600冊出てきたところで全容は分かりませんよ」。



 戸井田氏は「あなたはどこの国の役人だ」といさめたという。



 外務省は結局、昨年10月、シベリア史料館の600冊の引継書の約3分の1を写真撮影し、民間の専門家に判読を委託することになった。



 また、今になって、中国の言い分がいかに科学的根拠を欠いているかがわかってきた。



 旧日本軍が遺棄したとされる化学兵器の総数について、中国が主張していたのは「200万発」。当初の日本政府説明は「70万発」。それが埋設地の吉林省ハルバ嶺で行った日本側による磁気調査の結果、30万-40万発にとどまることが後で判明した。



 日本がこれまで発掘、回収した旧日本軍の化学兵器は約3万8000発。推定埋蔵数の1割にすぎない。条約で義務付けられた処理期限は2012年4月までだ。それまでに処理作業が完了することは難しい。



 旧日本軍の化学弾の所有権を不明にしたまま、合意を急いだことが大きな禍根を残している。
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:47


   「駆け付け応戦容認」文民統制無視と批判 (北海道 07/8/23)

 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/45025.html


 元陸上自衛隊イラク先遣隊長の佐藤正久参院議員が、派遣当時、自衛隊を警護していたオランダ軍が攻撃を受ければ、駆け付け、あえて巻き込まれて警護を行う考えだったことを明らかにしたことに対し、弁護士を中心とする市民らが二十二日、「シビリアンコントロール(文民統制)を無視するものだ」と批判する記者会見を開いた。同氏らには公開質問状を送付した。



 質問状の呼び掛け人は弁護士のほか、立正大講師の桂敬一さん、ジャーナリストの斎藤貴男さんら約百五十人。



 発言は、集団的自衛権を研究する政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が、活動を共にする他国軍が攻撃された場合に駆け付け応戦する「駆け付け警護」を容認する方向で一致した、とするテレビ報道の中でのコメント。「駆け付け警護」は、憲法で禁じた海外での武力行使につながるとして認められていない。



 質問状では、意図的に巻き込まれる行為は「正当防衛・緊急避難の要件を満たさず、自衛隊法に違反するばかりか、憲法九条をないがしろにし、シビリアンコントロールをも無視する許し難い行為」と批判。佐藤氏と、派遣を決めた小泉純一郎前首相に回答を求め、安倍首相には議員辞職を勧告するよう求める要望書を提出した。



 この日の会見で弁護士らは「現場の軍隊が勝手にやったことを追認し、日中戦争の発端となった『柳条湖事件』を思い起こさせる」と指摘した。



 佐藤氏の事務所は「本人だけの話ではなくなっており、対応を協議中」とコメント。防衛省のある制服組は「あまりに軽率な発言」と顔をしかめる。



 軍縮問題に取り組むNPO法人「ピースデポ」の梅林宏道代表は「自衛隊がシビリアンコントロールを破る危険な状態に置かれていることが明らかになった」と指摘し、「佐藤氏や周辺の調査を行い、きちんと処分しないと、政府はシビリアンコントロールができないことを証明することになる」と警鐘を鳴らす。


             ◆◇◆◇◆◇◆


 佐藤正久参院議員の発言要旨 「(オランダ軍が攻撃を受ければ)情報収集の名目で現場に駆け付け、あえて巻き込まれる。巻き込まれない限りは(武器使用が可能な)正当防衛、緊急避難の状況はつくり出せない。普通に考えて手を差し伸べるべきだという時は行ったと思う。日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろうと」
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:46



 メルマガ-週刊メールジャーナル (07/8/22)

(会員制経済情報誌『現代産業情報』8月15日号より転載)


 歴史に「if」を持ち込んでも意味がない、という。だが、弊誌は「朝鮮総連売却事件を東京地検特捜部ではなく、警視庁公安部が捜査していれば」との思いを抑えることができない。



 総連中央本部の売却という現象には、多様な「論点」が含まれており、大仰に表現すれば、「日本戦後史の暗部」の総決算にも等しい意味も帯びる。



 一つには、北朝鮮の大使館的機能を有しながら、様々な違法活動の拠点とされてきた朝鮮総連の実態を表面化させる可能性があったこと。



 特に日本の有力政党や政治家に対するロビー活動の実態を浮かびあげらせることが可能であった。



 さらには、検事長まで務めた幹部検察官OBをめぐる、いわゆる「検事の人脈」の問題もある。



 しかし、政権からの風圧に過剰反応した法務検察が、特捜部を起用することによって、多様な「論点」は切り捨てられた。「OBの個人犯罪」に矮小化されてしまったのである。



 総連ウォッチャーが指摘する。



 「検察のスタンスは『最初に緒方(重威・元公安調査庁長官)ありき』。これが警視庁公安部ないしは警視庁警備局であれば、『総連ありき』だっただろう。検察、警察のいずれかが捜査主体になるが、事件で解明されるものは、全く別物になったはずだ」



 総連売却の理由となった整理回収機構(RCC)からの債務返済圧力は、朝銀信組の乱脈融資が原因である。



 在日朝鮮人の仮名、借名口座を経由した架空融資は総連に流れ、北朝鮮本国への送金と、日本政界工作基金に化けた。



 旧社会党や自民党一部勢力に潤沢な資金が「親総連工作」のために流れたことは、公安当局にとっては周知の事実。



 「公安部が捜査に入れば、必ず政界工作の解明を図ろうとしたはず」(ジャーナリスト)



 総連の政界工作は結果として、故金丸信・元自民党副総裁や田辺誠・元社会党委員長らの「土下座外交」や「河野談話」へとつながり、戦後東アジア情勢の基軸を形成した。



 その後の野中広務・元自民党幹事長のスタンスなど、つい最近までの動静に影響を与えてきた。



 「身内の不祥事始末」に走った検察が、総連を被害者とする詐欺という構図で事件を処理したことで、最大かつ最後であったであろう「総連ロビー」の解明の機会は、永遠に失われてしまったのである。



 これを「国家的損失」と言わず、何と言うべきか。



 捜査機関が客観的に機能していない現在、事件を俯瞰して国民に提示すべきはマスコミのはずである。



 しかし、マスコミはいずれも検察の標的とされた緒方元長官の“詐欺的行為”を書き連ねることに汲々としており、「国家的損失」への思いを馳せる余裕がない。



 『産経新聞』が「『詐欺』の実相」なる皮肉なタイトルを付し、「残る違和感 / 立件は表層のみ」と、検察構図に疑問を呈した記事が、わずかに納得できる指摘であった。



 検察官一人ひとりが「独立した官庁」という特殊世界に生きた緒方元長官は、自己の「正義」を他機関の検証に委ねることなく貫き、逮捕された。



 検察組織は「国家的利益」を俯瞰することなく、手前味噌な事件構図を作り上げた。



 両者に共通するのは、検察特有の「独善性」。終始、検察の独善性が、この問題を形成したといえよう。



 「詐欺師・緒方」の構図のまま事件は起訴され、捜査は終結し、これらの問題点は一切封印された。



 検察をチェックすべき機関がない弊害は、長く指摘されているが、今回ほど激烈な“副作用”をもたらしたケースは思いつかない。



 あらゆる国家機関と報道関係者、そして国民が、「総連事件を検察が捜査したことで、『失われたもの』の重さ」を痛感せざるを得ない局面が到来するであろうことを、弊誌は予告しておく。
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:46


       “冬の時代”ドキュメンタリーに面目保ったNHK特集

 (世界日報 07/8/23)


≪■法廷の舞台裏を再現≫


 敗戦から六十二年。民放各社は戦争にまつわる本格的な番組を用意しない中、NHKは今年も多くの関連番組を制作していた。ただ、ご存じの通りNHKのこれまでの“戦争物”は偏向がひどく、物議を醸してきたものだ。



 だが十四日夜のNHKスペシャル「パール判事は何を問いかけたのか~東京裁判 知られざる攻防~」は、二年半にわたる東京裁判(極東国際軍事裁判)をめぐって、法廷の舞台裏で繰り広げられた判事たちの攻防を、インドやヨーロッパでの遺族や友人などへの取材や公文書、証言テープなどから再現。手間暇がかかる割には視聴率を稼ぐことのできないことから「ドキュメンタリー・冬の時代」と言われる中、丹念に作りあげた姿勢を評価したい。



 東京裁判では連合国を中心とした十一カ国から派遣された判事団の多数意見により、二十五人が有罪とされ、七人は死刑に。しかしインドのパール判事は千二百三十五㌻の独自の判決書を書き、被告全員の無罪を主張した。



 その主張の中核は、▽東京裁判の裁判所憲章にある“共同謀議”の定義は、欧米の一部の国内でしか使用されておらず、国際的に認知されているものではない▽同じく「平和に対する罪」、「人道に対する罪」は、日本の敗戦後に作られた罪状であり、事後法で罪を立証する行為は裁判に値しないというものだ。



≪■「報復の裁判」に異議≫


 もし、人道に対する罪をもって日本を裁くのであれば、広島・長崎への原爆投下で六十年以上が過ぎた今なお後遺症に苦しむ犠牲者を出したアメリカもまた裁かれて然るべきである。ただ「憎しみや仕返しの感情」にとらわれている東京裁判の在り方に、パール判事は異議を唱えたのだ。



 番組では、「たとえ意見が違っても少数意見を明らかにしない」という提案を自ら出しながらも、パール判事の影響を受けて、約束を反故(ほご)にして少数意見を出すオランダ・レーリンク判事。そのレーリンク判事に「たとえ世界の人々の意見に反することだったとしても、自らの信念を犠牲にしてはならないはずです」と、法の正義を守ろうとしたインド・パール判事。そのパール判事に、裁判所憲章に従えないなら辞任すべきだと迫り、ヨーロッパの威信を守るため、持病を押して多数派工作を行ったイギリス・パトリック判事の三人に焦点を当てて、彼らの思想的な背景や当時の祖国の状況などを描いている。



 また、マッカーサーGHQ(連合国軍総司令部)最高司令官が「私はこの裁判には反対だった」「真珠湾を裁く短期の軍法会議を開けば、ほかには何も必要ないと思っていた」という発言が紹介されるなど興味深いところも出てくる。



 ただ、番組では三人の判事を均等に紹介しているが、できればもっとパール判事の判決文の意味合いなどを掘り下げてほしかった。東京裁判については今なお戦争の評価と相まって議論の対象となっていて、パール判事の指摘は決して過去のものとなっていないからだ。



 番組では紹介されていないが、パール判事の判決を聞いて東條英機は、このような歌を遺している。



 百年の後の世かとぞ思いしに今このふみを眼のあたりに見る



 さらに靖国神社に顕彰碑が建立されるなど、パール判事は日本人に計り知れぬ勇気を与えたのである。



 番組のナレーターは「絶対的な平和主義に基づく非暴力主義者マハトマ・ガンジーを尊敬していた」パール判事の言葉として、「戦争というものは平和への方法としては失敗であると。われわれはもはやこの失敗を重ねてはならない」「日本だけでなく世界の人々が武力を捨て政治を考えるべき時だと私は思います」と、いかにもNHKらしく平和・非暴力を強調して終わっている。そのガンジーの平和主義とはいかなるものか、という内容まで語られなかった。



≪■勇気いる非暴力主義≫


 ところが、いみじくもガンジーの非暴力主義の本質について翌十五日夜、NHKが「憲法第九条」をテーマに行った生討論番組「日本の、これから」で漫画家小林よしのり氏が語ったのであった。



 小林氏は「ガンジーの非暴力主義とは日本の平和主義者が思っているような平和主義ではない」と指摘。当時、インドはイギリスの植民地だったが、ガンジーが示した非暴力とは「横一列に並んで敵の銃弾火器を浴びてバタバタ倒れても非暴力で貫くという恐ろしいイデオロギー。私はこれに賛成ですが、恐ろしく勇気がいるのです。(これを)日本人がやれますか、平和主義者の人はやれますか」と問うた。



 裏付けのない、理想論としてだけの平和を唱えただけでは平和が到来しないことをNHKを通じて全国に流れたことは意義があったと言えよう。
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:45


 (日経BP 07/8/22)

 http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20070820/132535/


 日本の航空機産業は、敗戦後の航空機生産全面禁止令によって壊滅した。それからというもの、その再生は日本の実業界の夢だった。 



 夢の実現に最も近い所にあるのが、三菱重工業の名古屋航空宇宙システム製作所大江工場だ。かつて、“ゼロファイター”の名で知られる零式艦上戦闘機を生産していたことで知られる聖地である。三菱重工業は、この工場に何十億ドルもの資金を投入。現在、米ボーイング(BA)の新型機「787ドリームライナー」向けに炭素繊維を使用した主翼などを製造している。 



 そして、来春──。すべてが計画通りに進めば、この最新鋭の工場で70~90席の次世代小型ジェット旅客機「MRJ」(ミツビシ・リージョナル・ジェット)の製造が始まる。 



≪■技術大国ニッポンの意地?≫


 MRJの持つ象徴的意味合いは極めて大きい。日本はソニー(SNE)やトヨタ自動車(TM)といった世界に冠たる企業を輩出しているが、その技術とものづくりの力を国産商用航空機の分野で発揮していない。世界の大型航空機市場は欧米企業の寡占状態にあり、小型のリージョナルジェット市場はカナダのボンバルディア・エアロスペースとブラジルのエンブラエル(ERJ)の2大巨頭が牛耳っている。 


 今こそ三菱が航空機市場に打って出る時だとの声は日本国内でも大きい。既に主要航空機メーカーに部品供給を行っており、その品質には定評がある。ボーイングも、三菱の狙いが小型機分野にとどまっている限りは参入を妨害することはないだろう。それどころか、ボーイングの世界的販売サービス網を使わせてもよいとまで言っている。三菱にとっては大幅な経費節減になる。
 


 リージョナルジェット機は日本の思惑にも合致する。「単通路の小型ジェット機は航空機市場の70%以上を占めており、今後も長年にわたり高い需要が見込まれる」と、米市場調査会社のフロスト&サリバンは見る。 



 アジア諸国はさらに豊かになり、航空機利用者が増え、燃費の良い新型機への切り替えが進む。世界の航空会社の保有航空機の数は今後20年で5000機は増えるというのが三菱重工の推定だ。MRJの需要を見極めるため、今年6月のパリ国際航空宇宙ショーに客室の実物大模型を初めて持ち込み、約30社の見込み客にお披露目した。三菱によれば、手応えは上々だったという。 



 長年、MRJの展望は明るいとは言い難かった。政治的支援がなかなか得られず、専門家からは三菱が自力で開発資金を調達できるかどうか疑問視する声も上がっていた。だが、ここ数カ月間で中国の小型機製造計画に危機感を募らせた日本政府は、総額10億ドルに上ると見られるMRJの開発費のうち3分の1を助成する方針に転換した。 



≪■日本、中国、ロシア──空中戦を制するのはどこか≫


 滑り出しは順調である。だが、採算ラインに乗る事業規模を達成するには、その3倍近い金額が必要となるだろうとアナリストは見ている。 



 加えて三菱は厳しい競争にさらされている。MRJの就航開始が予定されている2012年頃までには、中国航空工業(AVIC)やロシアのスホーイもそれぞれ独自の航空機を投入しているだろう。大きく水をあけられて市場第4位、第5位に甘んじるのであれば「参入する意味がない」と、航空アナリストで作家の杉浦一機氏は言う。 



 だが、日本が一丸となって商用航空機事業を最優先に位置づけて取り組めば、おそらく問題の克服は可能だ。日本航空や全日本空輸から大口の注文が入ることが期待できるかもしれない。400機の受注を確保することが、30億ドルの総事業費を回収するための条件だ。万事がうまくいけば、2020年までには日本の悲願である新事業が利益を生み始めているだろう。
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:44


 (朝日 07/8/21)

 http://www.asahi.com/special/space/TKY200708160229.html


 月面に着陸した探査機から出てきた無人探査車が、アームを使って「日の丸」の旗を立てる――。SF映画ではなく、数年後には実現しているかも知れない光景だ。



 「かぐや」は月の周囲を回りながら観測するが、宇宙航空研究開発機構はその後継機で、月面に着陸船を降ろし、無人探査車を月面に走らせて直接探査することを目指している。早ければ13年ごろに探査車を送り込み、さらに18年ごろには地球へ岩石サンプルを持ち帰る目標だ。



 取り組みはすでに始まっている。今年2月、名古屋空港を飛び立った小型ジェット機のなかで、九州大の小林泰三・助教(33)らが将来の月面探査車の実験をした。



 ジェット機を急降下させ、重力を地上の6分の1にして、月面に近い環境を作る。直径15センチ、重さ10キロの車輪を、月の砂に似せて作った「模擬土」の上で走らせた。急降下と急上昇による飛行機酔いに苦しみながら、小林さんは15回近く「月面体験」を繰り返した。



 実験では、車輪は模擬土に埋まって動けなくなった。「水や風で摩耗しない月の砂は、表面が地球の砂よりでこぼこしている。地上での再現も難しい」と小林さん。



 月に探査機を降ろし、月面を直接探査するには多くの難題がある。自動制御の着陸機がどうやって自らの位置を正確に知るか、秒速数キロの猛スピードで飛ぶ機体をどう減速するか-。



 宇宙機構は06年に月着陸探査検討チームを作って研究を重ねてきたが、技術は完成に近づきつつある。宇宙機構の月・惑星探査推進グループ研究開発室長の松本甲太郎さん(59)は言う。



 「20年前は、月探査の構想を立てても『いつになるの』という感じだった。今は、我々が知っている日本人宇宙飛行士のだれかが月面に立つだろうと思っている」


             ◆◇◆◇◆◇◆


 部品の取り付けミスがわかり、8月16日の打ち上げ予定は延期されたが、「かぐや」は9月中旬にも月へ向かう。



 今後、中国、インドも月探査機打ち上げを計画している。私たちに最も身近な天体・月は、どんな新しい顔を見せてくれるだろうか。
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:44


 (産経 07/8/22)


「日本がやらないなら中国にやってもらう」



 イラン石油省高官がこんな不快感を示したとの情報が、石油ビジネス業界に流れた。



 推定埋蔵量260億バレルに及ぶ世界屈指の埋蔵量を誇るイラン南西部のアザデガン油田。2004年に日本企業は75%の権益を獲得した。契約では今年6月に生産開始のめどをつけるとしていたが、開発作業は遅れた。それにイラン側が業を煮やして揺さぶりをかけたというのだ。



 昨年10月、日本側は権益の65%をイラン側に譲渡、開発には参加を続けるが、10%まで権益を減らした。



 実際、中国のアザデガン開発参入の観測は飛び交っていた。ランのメヘル通信は、国営石油公社総裁がアザデガン油田開発をめぐり中国側と協議したと報道した。その後、協議対象は別の油田と判明した。中国のアザデガン参入はうわさの域を出なかったが、それですら、外交カードとして使えるほど、中国の存在感が中東で増しているのが現実である。



 ただ、中国は中東への依存を抑えているようだ。04年の中国の原油輸入の中東依存度は45%だった。この依存度は、1993年に石油輸入国となり、輸入量がほぼ10倍になったにもかかわらず、10年前からほとんど変わっていない。



 中国はいま、中東・アフリカで猛烈な勢いで利権を買いあさっている。



 その最初の成功例が、産油国として復活したスーダンだった。スーダンがテロ支援や人権問題で国際社会の非難を浴びて孤立していた90年代半ば、すき間を縫ってスーダンに石油権益を獲得した中国は、原油生産だけでなく、1500キロに及ぶパイプライン敷設、紅海に面した積み出し港の建設などでも中心的な役割を果たした。



 こうした中国の対スーダン支援は、約20万人が虐殺されたスーダン西部ダルフール地方の紛争で国際社会がスーダン政府を非難する中でも途絶えなかった。スーダンの石油生産は、08年には推計日量80万バレルに届き、アフリカの4大産油国であるナイジェリア、リビア、アルジェリア、アンゴラに次ぐ第5位に躍り出るとされる。中国は対スーダン協力を「南々協力の大成功例」と自賛する。



 中国の原油輸入量の25%をまかなうアンゴラとのケースも国際社会の非難を浴びた。アンゴラが欧米への債務返済を滞納させる中、中国は「国際援助規範の無視」との批判を浴びながらも、借款供与に踏み切って同国指導部との関係を強めた。



 人権侵害などの問題が指摘される国への支援や相手国指導者との結びつきを優先し、効果を度外視した経済援助を絡め、「政経一体」となって利権獲得に奔走するのが中国だ。



 国際エネルギー機関(IEA)推計で中国は今や、日本を抜いて米国に次ぐ世界第2の石油消費国だ。20年までに国内総生産(GDP)を00年の4倍水準に拡大することを国家目標に掲げる中国はなりふりかまっていられない。



 一方でコンプライアンス(法令順守)重視が日本企業だ。新規油田開発には巨額の資金が絡み、ビジネスは表の世界だけでは済まない。だが、もはや裏の世界には手を出せなくなりつつあると、日本のベテラン商社マンは指摘する。



 その商社マンは「中国のやり方は国ぐるみのばらまきだ。日本企業には、とてもまねできない」とため息をつく。資源エネルギー競争で日本は後手に回らざるを得ない。


             ◆◇◆◇◆◇◆


 ■「安価で親切」中国製浸透


 興味深いのは、中東・アフリカ諸国で、中国の猛烈な「政経一体」を好意的に評価している人が少なくないことだ。



 カイロ大学政治経済学部のアジア研究センターの前所長を務めたムハンマド・サリーム教授は「中国は政治的野心をもたず、実利的な国と受け止められている」とみる。



 つまり「国際基準」を振りかざす先進国こそが「政治的」であり、「内政干渉」を避けてエネルギーや資源獲得にひた走る中国は「政治的ではない」というのだ。価値観の“逆転”が起きているといえなくはない。



 教授の指摘を裏付けるように、中国がアフリカや中東を相手にぶちあげた「協力フォーラム」への食いつきはよい。アフリカとは2000年から「中国アフリカ協力フォーラム」を発足させた。昨年11月に北京の人民大会堂で開催された第3回会合には、参加48カ国のうち国家元首35人、首相6人がそろい踏みした。



 胡錦濤国家主席は席上、(1)2009年までの対アフリカ支援倍増(2)中国企業の投資促進のための50億ドル基金創設(3)アフリカ統合プロセス支援とアフリカ連合(AU)会議場建設-など8項目の支援策を発表した。



 アラブ側ともぬかりはない。04年の胡主席のエジプト訪問の際、アラブ連盟(21カ国1機構)と「中国アラブ協力フォーラム」創設に合意した。昨年5月末に北京で開かれた第2回閣僚会合では「エネルギー分野、特に石油・天然ガス分野での協力の重要性を確認」する行動計画に調印。08年までに「中国アラブ石油協力会議」を開催することで合意した。



 もちろん、中国の浸透はエネルギー分野だけではない。サリーム教授は「これから一旗あげようと狙う30~40代のビジネスマンの中国詣でが始まっている」と語る。教授自身、今年すでに3回も訪中したが、ドバイと上海を結ぶ直行便はいつも満席。機内で隣り合わせたアラブ人たちは例外なく、「欲しい商品をすぐにそろえる中国側の対応の良さ」を口にしたという。



 カーステレオ用モーターの注文に訪れたアラブ人に対し、中国企業は「5日待ってくれ」の一言で希望通りの試作品を作り、3万個の納入契約が成立。トラクター買い付けに出向いた別のビジネスマンは空港からそのまま展示場に案内され、1日で契約が終わったと喜んでいたという。



 中国製品の品質には、中東でも依然、「安かろう悪かろう」のイメージがつきまとうが、ここでも変化は起きつつある。



 インフラ関係機器を取り扱う日本人ビジネスマンは「中国製は値段が半分か3分の1。性能は日本製に及ばないが、半分というわけではない。それなら中国製でいいではないかという技術者も出てきた。中国製の性能が追い上げてくるのは時間の問題。本当に脅威だ」と悲鳴をあげる。



 なりふり構わぬエネルギー確保と表裏一体をなすかのように、あらゆる分野で中国製品の浸透が進んでいる。日本の居場所はいよいよ狭くなるばかりだ。
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:44


 http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/ea/04/index3.html


 2004年の夏、ついにスーパーKに匹敵するような精巧な偽1万円札が出現した。わたしはこれを「スーパーJ」と名付けた。



 紙質も磁気パターンもほとんど本物と同じで、デザインはもちろん、ホログラムも低質ではあるがしっかりと入っていた。おそらくスーパーJの偽札づくりに北朝鮮は関わっていないだろう。香港と台湾のマフィアが作ったものと思われる。 



 スーパーJには人をだますタイプと機械をだますタイプの2種類がある。機械をだますタイプは見た目はいい加減で、日本人なら偽と一発で分かる。犯人たちはこれらを使い分けているようだ。 



 その意味では、人も機械もだませるスーパーKと比べると、1ランク低いレベルといえる。 



 だが、安心はできない。スーパーJが登場したということは犯罪グループが日本円に関心を持ち始め、偽日本円づくりにメリットを感じているということだ。これから大量に出回る恐れもある。 



 ユーロの偽札が増えてきたのも、国際的にユーロが力を持ち始め、使える範囲が広がったからだ。ユーロは“2番目のドル”になり、“3番目のドル”は日本円ということだろう。 



 スーパーJの登場とともに、わたしは偽500円硬貨が広がることを不安に思っている。硬貨は紙幣に比べると比較的偽造しやすい。極端なことを言えば、“完璧な模造品”を作ることも可能だ。 



 本コラムの1回目で書いたように、既に精巧な偽500円玉が存在する。わたしは鑑定して簡単には偽物と分からなかった。ルーペによって詳細に確認すると、本物に比べて微細な文字のずれなどを発見したが、ほとんどの人は見た目では分からないだろう。 



 だから、500円硬貨より偽造しにくい500円札に戻すべきだ。わたしはずっとそのことを言い続けている。人間は硬貨より紙幣を大切に使う。硬貨の方が心理的な価値が低いのだ。政府は国民にどんどんおカネを使ってもらいたいのだろうが、無駄にカネを使う必要はない。ましてや、犯人グループを喜ばせる500円硬貨を使い続ける理由はない。 


 
偽札は人の心も深く傷つける


 中国の海南省、福建省、台湾などの沿岸地域で水上生活をする蛋民(たんみん)という人々がいる。彼らは魚を採って生計を立てているが、その代金としてかつて日本円を受け取った人がいた。 



 それは彼にとって大きな額だったため、ビニールに包んで、船底に大切に隠しておいた。娘が結婚するときのための貯金代わりだったのだ。そして、10年後に結婚することになり、その日本円を出してみたら札が黄色く変色していたので、彼は驚いた。 



 いろいろな人を仲介して、彼は鑑定のために黄色い札をわたしの元に持ってきた。その1万円札は一目で分かるような粗悪な偽札だった。彼は「10年経ったから、こんなになったのじゃないか」とワラにもすがる思いで訴えたが、残念ながら完全な偽札だったのだ。 



 彼はすごく悲しい顔をしていたが、こればかりはどうしようもない。わたしにとってもつらい、後味の悪い鑑定だった。 



 偽札は社会や個人に経済的なダメージを与えるだけでなく、人の心も深く傷つける。まさに憎むべき犯罪といえる。 



 近年、面白半分にパソコンとプリンター、あるいはカラーコピーで偽札づくりをする若者がいるが、通貨偽造は無期または3年以上の懲役という重罪である。偽造者だけでなく、使ったり、人に渡した者も同罪だ。 



 偽札は人の心を傷つける重大な犯罪だということをもっと子どもたちに教えるべきだ。
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:43


 (産経 07/8/21)


 東シナ海の日中中間線沿いに位置する中国の春暁ガス油田の一つ、「天外天」で、生産開始を意味するフレア(炎)が確認できた=2005年9月(本社機から)(撮影・植村光貴)



 日中両国が係争中の東シナ海の海底ガス油田で、後塵(こうじん)を拝している日本の非力さを示す象徴的な会談が2004年10月にあった。当時の中川昭一経済産業相が都内のホテルで海上自衛隊幹部と極秘に会談したことである。



 日本が日中中間線から日本側の排他的経済水域(EEZ)内の海底資源を試掘した場合、中国の妨害活動に海自がどう対応するかを見極めたかったからだ。「不測の事態に海自は何をしてくれるのか」との問いに対し、海自幹部はこう答えた。「法律がないから、何もできません」



 民間石油会社「うるま資源開発」会長などとして、30年以上も東シナ海開発に取り組んできた荒木正雄氏(84)も、国としての姿勢の違いを次のように語る。



 「中国は自国の海にするため作戦を練り、着々と手を打ってきたのに、日本はただ手をこまねいていただけです」



 1968年、国連アジア極東経済委員会(ECAFE)は「(東シナ海は)世界的な産油地域になる」との報告書をまとめた。以来、中国は70年代に石油探査、80年代に試掘、90年代末には平湖ガス油田を開発、供給を始めた。2000年には中間線から中国側にわずか4キロの白樺(中国名・春暁)ガス油田の開発に着手した。



 日本は、自国が主権的権利を持つ海底資源がストローのように吸い上げられそうになり、やっと重い腰を上げた。



 経済産業省は04年、資源探査船をチャーターし、日本側海域で初めて立体的な地質構造の探査を行った。その結果、春暁ガス油田の地質構造が日本側まで連続して広がっていることが判明した。05年4月、経産省は中間線の東側海域の北緯28度以北に鉱業権を申請していた帝国石油に試掘権を付与した。



 日本側海域に鉱区申請していたのは帝石に加え、うるま資源開発、石油資源開発、芙蓉石油開発の4社だった。30年以上にわたり、棚上げされていた開発が動き出すかと思われたが、試掘には至っていない。試掘への妨害行動が予想されるためである。



 さらに経産相が05年秋、中国に毅然(きぜん)と対応する中川昭一氏から、対中融和派の二階俊博、続いて甘利明の両氏に代わり、この問題を棚上げしようと判断したことも背景にある。



 中国の行動は露骨だ。前述の資源探査船に対し、中国側は拡声器で大音量を流し、音波調査を妨げた。国家海洋局の調査船は日本の調査船の前方にしばしばたちはだかった。05年9月には中国海軍の最新鋭のミサイル駆逐艦など5隻が周辺で活動した。唐家●国務委員(元外相)がその5カ月前、日本の試掘に対し「問題が根本的に変化する」と警告したことを具体的に示したかったのであろう。



 これらは、中国が大陸から沖縄トラフまでを自国の大陸棚として日本は一切権利はないとの立場をとっているためだ。



 一方、日本は1996年に成立させた「EEZと大陸棚に関する法律」で、「資源開発などの権利は200カイリ(約370キロ)まであるが、その行使は中間線までとする」とした。東シナ海は東西が400カイリに満たない。国連海洋法条約は「衡平(こうへい)な解決」を求めているが、日本は日中間の中間線を境界と設定したのだ。双方の主張が食い違う海域の境界線は政治交渉で決着するしかない。それを日本は政治交渉する前に自分から線を引き、一方的に交渉から降りてしまった。



 日本側海域内の原油・天然ガスの推定埋蔵量は、日本の国内消費量の1年半分にあたる約30億バレル相当とされる。自国の直接的な経済権益を守ろうとしない日本はこのままでは宝の海をみすみす失いかねない。



 ■横取りされる海底のガス油田



 日本が自国海域での試掘を棚上げせざるを得ない理由の一つは、政府、自民党内部の意見がまとまっていないことだ。



 「日本の国民、日本の権利、日本の経済的利益を守るというのは国の責務と考えています」



 中川昭一自民党政調会長が経産相だった2005年10月の参院経済産業委員会答弁だ。それまでの日本側海域での探査、試掘権付与などの対応は中川経産相主導である。



 これに対し、後任の二階俊博前経産相は昨年1月、地元の和歌山県で「私は試掘の道をとらない」と述べた。二階氏は昨年6月、試掘権を付与された帝国石油のトップ2人を経産省に呼び、「あなた方は本当に試掘に行かれるつもりか」とただしたとインタビューで明らかにしている(「二階俊博の挑戦」)。 



 帝石側は「平和の海でなかったら、試掘に行けません」と答えたというが、許認可を握る主管官庁首脳の試掘への意向は痛いほどわかったのではないか。



 日本政府のまとまりの悪さも問題だ。



 自民党が03年に発足させた海洋権益に関するワーキングチーム(武見敬三座長)では、次のような責任のなすりあいが演じられたという。



 日中の中間線を策定するために外務省が中国と政府間協議を行った際、経産省資源エネルギー庁は傘下の機関による日本側海域の地質構造の調査データを提供していなかったことが判明した。「外務省から情報を欲しいといわれなかった」とエネ庁は主張した。



 その外務省は中国に無用の波風を立てないという事なかれ主義を取ってきた。



 1992年、中国が日本の固有の領土である尖閣諸島を中国領土と明記したとき、日本政府の抗議は駐北京公使による「口頭」でしかなかった。中国は同時に南沙諸島も自国領土としたが、領有権を主張していたベトナム、マレーシアは「撤回すべきだ」と文書で抗議した。口頭では国家の意思は明確な形で残されたとはいえない。



 日本側の準備不足も目についた。日本自らが海底の地層を立体的に調査しようとしても日本は三次元の物理探査船を持っていなかった。ノルウェー船籍の探査船をチャーターしたわけだが、中国は12隻、韓国は4隻保有している。



 ただ、日本も自国の海洋権益が危うくなったことで、不備を少しずつ是正し始めている。



 今年4月にはEEZでの試掘などを可能とする海洋建築物の安全水域設定に関する法が成立した。長年、中国の海洋進出をウオッチしてきた平松茂雄元防衛研究所研究室長はこれを一歩前進とみるが、安全水域に中国の船舶が立ち入ったとき、だれが安全を確保するのかという重大な問題が欠落していると指摘する。



 海上の治安維持は海上保安庁の担当だが、公海上で外国船舶に権限を行使することはできない。海上自衛隊に海上警備行動が命じられても、海保と同じ権限しか与えられていない。「普通の国」の軍隊なら必ず保持している平時の自衛権を持っていない自衛隊は動こうにも動けない。



 一方、中国は「海洋大国」への道を国家戦略に掲げ、春暁ガス油田周辺の海を「中国の表玄関」(中国軍関係者)とみている。日本は中間線の中国側海域を含めた共同開発を提起したが、中国の回答は尖閣諸島周辺と日韓大陸棚共同開発区域であり、日本の主張を受け入れる気配はない。



 日本が国のかたちを整え、中国にきちんと向き合うことで、初めて「平和の海」とする交渉の機運が熟するのではないか。


 ●=王へんに旋
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:43


 (産経 07/8/19)



 「京都の金閣寺と銀閣寺の間に、21世紀のチタン閣寺を建立できないか」。東大生産技術研究所の岡部徹准教授は、熱い口調で提案する。



 銀灰色に輝くチタンは軽くて強く、さびにくいという、すぐれた性質を備えた金属だ。岡部氏は続ける。「白金やタンタル、ニオブなどで、記念コインをつくって発行するのはどうでしょう」「オールチタンのビッグなクリスマスツリーを建てれば、冬の観光名所ができあがる」



 いずれも新しい提案だ。しかし、岡部氏は観光振興や記念事業に力を入れようとしているのではない。レアメタル資源の効果的な備蓄策のアイデアを示しているのだ。



 レアメタルの日本語は「希少金属」。地上の資源量が少なかったり、精錬が難しい金属の総称だ。チタン、白金、タンタル、ニオブはいずれもレアメタルの仲間である。厳密な定義はないが、17種類の希土類元素を1鉱種として数え、全部で約30鉱種とされることが多い。



 どうして岡部氏は、レアメタルの重要性を叫ぶのか。



 「ハイテクの名で呼ばれる機器類は、ほとんどそのすべてに多種多様なレアメタルが使われているからです」



 液晶パネルの透明電極にはインジウムが、リチウムイオン電池にはコバルトが、パソコンのハードディスク用の小型精密モーターにはネオジムがそれぞれ使われている。



 これらは、ほんのわずかな一例。枚挙にいとまがないという表現がふさわしいのがレアメタルとハイテクの関係だ。



 「レアメタルなしに、現代文明社会は成り立ち得ません」



 そして日本は、世界のレアメタルの25%を使う世界一の消費国。同時にレアメタルの研究開発に関する超大国なのだ。



 電子技術情報産業をはじめ、発光ダイオードやディスプレーを生産する光産業、車の排ガスを触媒で処理する環境産業が今の日本経済を支える。



 だが、その日本の足元が揺らぎかけている。



 レアメタルの価格高騰と入手難が原因だ。レアメタルは、地球上に均等分布していない。産出地域は、中国やロシア、南アフリカなど一部の国に限られている。こうした資源国が、自国の需要を優先するとともにレアメタル輸出を控えだした。従来の輸出奨励策を打ち切り、昨年11月以降、逆に輸出税を増やし始めた中国がその代表だ。



 インジウムの価格は5年間で8倍を突破。高張力鋼に使うバナジウムは6倍を超えた。近年の高騰ぶりは、まさに新興国の経済発展と符合する。



 このため国内企業は必要量の確保に躍起になっている。安定入手のためには、独自技術の公開もいとわないという企業も現れているほどである。日本の製造業は中国などの一部の国に首根っこを押さえられかねない危機に直面している。


                   ◇


 ≪中国頼みの怖さ思い知る≫


 もしも、缶ビールが姿を消すと、日本の夏はどうなるだろう。



 そんな空想に現実感を添える出来事が、国内のアルミ缶の3割を生産している神戸製鋼所で起きた。今春のことである。アルミの強度増加に欠かせないマンガンの必要量を調達できない可能性が生じたのだ。



 神戸製鋼は長期契約によって南アフリカから使用するマンガンの半分の安定供給を受けてきた。残りを、中国からそのつど買っていたが、1トン約2000ドルであった年初の価格が、5、6月には7000ドルにまで急騰したのだ。



 マンガン価格はその後4000ドル程度にまで下がったが、中国頼みの怖さを思い知らされた同社は、南アとの長期契約を増やし、中国からの輸入を10%以下に抑える方向に転換し始めた。



 レアメタル確保のために、苦渋に満ちた決断を下した例もある。高性能磁石用合金を製造する昭和電工の場合である。



 高性能磁石に欠かせないレアメタルがネオジムだ。高性能磁石用合金の性能は、結晶の出来具合に左右される。その結晶の作り方にこそ、昭和電工の競争力の源泉があった。



 「だが、増大する需要をまかなうに足る資源確保のためには、ある程度の技術流出はやむを得ない」(海老沼彰電子材料事業部長)と判断した同社は、ネオジム鉱山を保有する中国企業と合弁会社を設立。2003年末、内モンゴル自治区に国内と同水準の工場を稼働させ、今年7月には中国に2カ所目の工場を設立した。


                  ■□■


 「レアメタルの急騰には、国際的な投機筋も関与しています」



 レアメタル専門商社、アドバンスト・マテリアル・ジャパン(本社・東京都港区)の中村繁夫社長が舞台裏の一角を明かしてくれた。



 「石油に比べると市場規模が小さいので、一部の思惑で相場の操作が可能なのです」



 中村氏は資源国や投機筋に翻弄(ほんろう)されやすいレアメタル問題の解決に、資源外交の重要性を説く。



 世界のデジタル革命で日本が先導的な役割を果たし、真の平和維持に貢献する。そのうえで、資源国と同一経済圏を構築し、安定供給の道を開くという長期対策だ。



 「短期対策としては、レアメタル備蓄制度の拡充も必要でしょう」



 国は茨城県高萩市に敷地面積3万7000平方メートルの国家備蓄倉庫を備えている。備蓄の対象はニッケル、クロム、タングステン、コバルト、モリブデン、マンガン、バナジウムの7鉱種だ。



 国が備蓄している7鉱種は重要だが、金を出せば手に入る。その一方、インジウムなど、IT(情報技術)時代に不可欠な鉱種の備蓄がない。これらは現代の軍事技術にも不可欠だ。「元素政策の転換が必要です」と中村氏は語る。



 日本政府は6月からレアメタルの安定供給対策に乗り出した。従来の備蓄一辺倒から、リサイクルや代替材料の開発、鉱山開発への公的支援の強化策などを盛り込んだことは評価されている。



 しかし、代替材料の開発には時間がかかるうえ、実効性も不透明だ。



 中村氏は「直面しているのは、かつてのオイルショックのエネルギー危機と異なるレアメタル危機だ。日本人はデジタル時代の新たな危機を実感していない」と警鐘を鳴らしている。
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:42

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


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