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◆【ドル帝国溶解】(中)独仏の迂回作戦 「租税回避地」狙い撃ち



 (産経 2009/4/10)


 紙幣を乱発すれば価値を失い、国家は破滅的打撃を受けるという経済学の常識は米国には通用しない。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年9月に勃発(ぼっぱつ)した金融危機に対応するため、わずか4カ月で一挙に平時なら十数年もかかる追加資金供給に踏み切った。同時にゼロ寸前まで金利を引き下げたがドル相場は安定し、インフレ懸念もない。

 原油など国際商品や金融資産の大半はドルで取引されている。金融商品に投資していた欧州の金融機関が危機後、清算しようとしたらドルが払底し、欧州各国は米国に頭を下げてドル資金を融通してもらうしかなかった。商品市場からもドルが消え、原油相場は暴落、産油国ロシアからは投資資金が逃げ出した。

 金融危機までは、ドイツやフランスは欧州統一通貨「ユーロ」圏を拡張したが、危機の波及でユーロ圏から脱落する国が出そうな情勢になった。ロシアのプーチン首相はルーブル建ての石油輸出の準備を進めてきたが、今やその野望も吹き飛んだ。

 米国発金融危機のもう一つの側面は、挑戦者の意気をくじく米国の「焦土作戦」とも映る。米国自体、大量の失業者を抱え、大手金融機関や大手自動車3社の経営危機に見舞われているが、同時に基軸通貨ドルの威力を見せつけた。

 これに対し、フランスのサルコジ大統領は怒り、危機打開のためにワシントンで開かれた昨年11月の第1回20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)で「米ドルはもはや世界の基軸通貨ではない」とぶち上げたが、あえなく不発に終わった。

 今月2日にロンドンで開かれた第2回サミット前夜、サルコジ大統領はメルケル独首相と長電話し、金融規制の強化要求で一致した。最も重視したのが、「租税回避地(タックスヘイブン)」への監督・規制強化である。米議会でも課税逃れする企業や金融機関が問題視され、オバマ大統領も同意したことで独仏案はほぼ全面的に通った。

 ドルに代わる基軸通貨の検討を促した中国の胡錦濤国家主席やロシアのメドべージェフ大統領に比べると地味だが、周到に熟慮を重ねた上での独仏連合の対米本土迂回(うかい)作戦である。

 タックスヘイブンとは何か。主に英国領ケイマン諸島などカリブ海のリゾート地なのだが、超低税率を餌に世界の企業や金融機関、投資家の本社を帳簿上受け入れている。

 米国の金融機関の利用が活発化した契機は、2001年の「9・11」米中枢同時テロ後に制定された「愛国者法」である。愛国者法はテロ資金の監視強化を定めたが、中東産油国や中国の資本家など身元を知られるのを嫌う者が拠点をロンドンとケイマン諸島など英領に一斉に移した。世界の余剰資金はこれらの地域を経由し、米国のヘッジファンドや金融機関の投資ファンドに流入。米財務省統計によれば、昨年9月末で米金融機関の対外負債の4割、約180兆円がカリブ海にある。

 その米金融機関は住宅ローン債権などをベースにした証券化商品や金融派生商品を大量発行し、米欧を中心に販売した。タックスヘイブンはドルの信用を増殖させる米金融資本の巣窟(そうくつ)になっている。これらを厳しく取り締まれば、ドルの金融パワーは大きくそがれる。ケイマンに直結しているロンドンからユーロ関連の金融取引シェアを奪回できる。独仏連合はオバマ政権を欧州の規制の土俵に呼び込めば、焦土作戦に巻き込まれなくて済むと踏んだのだろう。米欧間の国際通貨の主導権争いはこれから本番を迎える。
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by sakura4987 | 2009-04-13 14:16

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