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◆【次代への名言】4月10日・淀川長治



 (産経 2009/4/10)


 ■「私は大声で叱(しか)る。私はまだかつて嫌いになった人に逢(あ)ったことがない…どころでない。けれども実は好きだから叱る」(淀川長治)
 

 「嫌いになった人に逢ったことがない」とは、100年前のきょう、神戸で生まれたこの人のモットーだった。「好きだから一瞬無茶苦茶に嫌いになる」と続く冒頭の文章は、エッセー集『映画と共に歩んだわが半世紀』にある。

 半世紀前の天皇陛下のご成婚とともにテレビ時代の到来を告げた、少し早口の「サヨナラおじさん」。淀川さんによって映画ファンになったという方も多かろう。でも、画面で親しみのある笑顔を絶やさなかった淀川さんには別の、激しい顔があった。ある高名な作家がチャプリンの『独裁者』のラスト、人類愛を説く独演のシーンを「あれはチャプリン個人の演説。映画としては失敗」と批判した。それに対して淀川さんは映画誌の随筆で記した。「愚かなことばだ」

 その豊かで強い感受性を文章の世界にもっともっと振り向けてほしかった。次の一節は、淀川さんの文才を伝えるほんの一例、最愛の母への追想である。

 《医者がいま、ご臨終と知らす。その母に私は口をよせて「ありがとう」と告げた。すると死のまえの母の目からひとしずくの涙が落ちた。生命は消える一瞬まえまで、誰が何をささやいているかがわかっている》(『淀川長治自伝』)
by sakura4987 | 2009-04-13 14:22

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