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◆【野口裕之の安全保障読本】F22は日米同盟のカスガイ



 (産経 2009/04/23)


 ■米「中国恋慕」病

 日米同盟に亀裂が入るとすれば「集団的自衛権を行使できない」といった、極めて日本的理由からだろうと危惧(きぐ)していた。だが、そうでもないことを米オバマ政権が実証しようとしている。日本が次期主力戦闘機の最有力候補とする米空軍第5世代戦闘機F22の対日輸出を渋っているのだ。中国の異常な軍拡を前に、F22は東アジアの「自由と民主主義の空」を守る守護神になるはずだ。ところが、オバマ政権は中国に配慮し逡巡(しゅんじゅん)している。歴史の節目ごとに発症してきた、米国の「中国恋慕」病が、またぞろ日本の国益を脅かそうとしている。

 F22はラプター=猛禽(もうきん)類の愛称にたがわず、その実力はすさまじい。「144対0」「241対2」という模擬空中戦の結果に世界の空軍関係者はあぜんとした。F15/16/18など、日本はじめ同盟国に現役配備中の米名戦闘機385機を撃墜しながら、自らは2機しか失わなかったのだ。形状・構造や素材から敵レーダーが捕捉できない(ステルス性)のだから勝負にならない。超音速飛行能力や超機動性でも、多くの戦闘機メーカーが「負け」を認める優れモノなのである。 

 機密保護を理由に、米議会が輸出を認めない現実は一面において当然だが、2007年の日米首脳会談で当時の安倍晋三首相は日本を例外扱いする形で情報提供を求めた。中国の第4/4・5世代戦闘(攻撃)機やミサイルに関する性能・配備数が急激に向上している死活的脅威を抱えているためだ。90年代のロシア空軍主力機Su27や改良型のSu30、イスラエルの協力で国内開発されたJ10も侮れない。10~12年後にはF22のようなステルス機配備まで見込まれている。

 ■発注中止の裏側 

 中国や北朝鮮、ロシアなど「顕在的脅威」が跋扈(ばっこ)する東アジアはいまも冷戦構造を残しているにもかかわらず、ゲーツ米国防長官は6日「冷戦時代の発想で設計された」としてF22の「新たな発注中止」を発表した。中露を「潜在的脅威」とする従来型から、アフガニスタンでの非対称戦やテロリズムを念頭に計画の大幅見直しにも言及した。F22も例外ではない、というわけだ。

 もっとも、発言は「観測気球」の側面があり、額面通りには受け取れない。議会内の、特に共和党を中心に、中国をにらみ日本へのF22譲渡を必要と考える議員も少なくない。軍需産業やその労働組合から支援を受けている議員も、米政府の「暫定方針」を見過ごせない立場。オバマ大統領が最終判断していないのは、議会などの反応を見極めたい意向からだという。

 「発注中止」の背景には、2001会計年度の198億円が年々値下げされたとはいえ、今でも1機140億円という値段の問題がある。前任機F15の2倍以上で、国際的経済危機下では手痛い支出ではある。同盟国であってもやすやすとは輸出できないほど優秀で、それが量産を控えさせ、価格をさらに押し上げる悪循環も生み出した。当初計画では750機であった生産機数が、現在では187機にまで縮小されている。

 ライン縮小には243~381機が必要だとしてきた米空軍内でも反発が強い。44州で2万5000人が生産にかかわる軍需産業側も生産継続を主張。日本向け生産が始まれば米経済・雇用対策に大きく貢献することは確実だ。日本が米国と開発し、運用中の支援戦闘機F2にはほぼ同額が投資されており、費用対効果を考えれば日本としても「巨額」負担ではない。

 ■核保有論台頭も

 オバマ政権は北朝鮮の核・ミサイル問題で、日本の頭越しに譲歩する気配を見せ始めた。日本の領海にジワジワと迫る中国とも手を結ぶのか…。米国が中国の軍拡や言論・民族・宗教弾圧に目をつぶり誼(よしみ)を通ずるのなら、日本の政治・経済の中枢を占める「親米保守」は雪崩を打ってタダの「保守」に看板替えするだろう。行き着く先は、核保有に向けひた走る「嫌米保守」「反米保守」かもしれない。

 F22の対日輸出は、日米離反の悪夢を防ぐのみならず、日米両国のカスガイになるのである。
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by sakura4987 | 2009-04-25 09:44

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