◆【双方向プラザ】国連分担金の負担比率
国民総所得基礎にして算出 非常任理事国の日本が19%
【読者から】「来年から議論が本格化する国連分担金見直し
交渉で、日米が共同歩調で過大な負担の削減を求めることを確
認した」(10月30日付1面)とありました。分担金の負担
比率は何に基づいて決まるのですか、上位の国、また、アジア
主要国の負担比率はどのぐらいですか。=男性読者
◇ 国連の運営費や職員人件費は百九十一の加盟国が納める国
連分担金でまかなわれています。二〇〇五(平成十七)年の総
額は十八億二千八百万ドル。日本の負担率は、トップの米国(
22・0%)に次いで19・47%、約三億四千六百万ドルと
なっています。
日本が国連に加盟した一九五六(昭和三十一)年の国連分担
金は全体の1・97%でしたが、高度経済成長とともに上昇し
たのです。
これに対し、米国を除く安全保障理事会常任理事国の四カ国
(英国、フランス、中国、ロシア)の国連分担金は合計で15
・3%にすぎません。常任理事国入りを果たしていない日本は
、それを上回る分担金を拠出しているのに、国連での発言権が
十分に確保されていないのが実情です。
分担率は三年に一度、見直すことになっています。その基準
は各国の支払い能力、つまり経済力です。国民総所得(GNI
)を基礎として算出されますが、発展途上国には対外債務や一
人当たり国民所得に応じた「割引措置」がとられます。また、
分担率の上限は22%、下限は0・001%と決められていま
す。
GNIに基づけば中国は4・8%を負担しなければならない
のですが、割引措置の恩恵を受け、日本や独英仏などは本来の
負担率よりも多く拠出せざるをえないのです。日本は14・7
%拠出すればいいのですが、5ポイント近くも上積みされてい
るのです。
分担率は二〇〇六(平成十八)年六月に次の三年間の見直し
をめぐる協議がスタートし、年末までに結論が出されます。各
国の専門家が集まる「分担金委員会」での審議を経て、国連総
会第五委員会で各国の協議が行われ、国連総会で決定されると
いう段取りです。
日本の常任理事国入りへの展望が開けない中、町村信孝外相
(当時)は今年九月の国連総会一般討論演説で「より公平かつ
公正な分担率」の実現を求めました。常任理事国入りできなか
った場合は負担率引き下げを求める考えを示すとともに、分担
率が2%余の中国が日本の常任理事国入りに反対していること
を牽制(けんせい)する狙いがあったとみられています。
中国の王光亜国連大使は強く反発しましたが、米国のボルト
ン国連大使は「常任理事国入りが実現しない場合、19%の高
い分担率を維持できないという主張が出てくることには相応の
理由がある」と日本を擁護する発言を行い、ロシアのデニソフ
国連大使も一定の理解を示しています。ただ、分担率の見直し
の決定は総会の「全会一致」が慣例となっており、日本の要求
の実現には高いハードルがあると言わざるをえません。 (杉
本康士)

