◆役員4割女性に、守らねば閉鎖も ノルウェー中道左派政権
「非現実的」企業側は猛反発
女性の地位向上論議が盛んなノルウェーで、九月の総選挙で政権の
座に返り咲いたばかりの中道左派政権が「企業の役員の四割を女性に
しなければ企業を閉鎖に追い込むことも辞さない」との意向を示し、
波紋を広げている。だが、企業側は「非現実的だ」と反発、企業の海
外移転を迫ることになると対決姿勢を強めている。
ノルウェーでは男女平等社会実現の一環として国営企業と上場企業
を対象に女性役員を増やすことが論議になり、中道右派政権下の二〇
〇三年に「役員の四割を少数派の性にする」との法案が可決された。
女性優位の企業なら男性役員数も四割にしなくてはならない。
だが、〇五年七月までを移行期間として進展をみた上で法律施行に
踏み切る方針だったものの、上場企業五百九十社のうち、女性役員の
割合でこの規定を満たしているのは二割程度に過ぎず、現時点で法律
を施行すれば、上場企業の大半が「違法状態」になってしまう。
そのため、ベッケメレム児童・家族問題相は十一日、BBCテレビ
で「進展は不十分だ。二十年、三十年も待つ気にはなれない。来年一
月には法律の規定を守らない企業は閉鎖する罰則を確立したい」と表
明し、ノルウェー企業を恐怖に陥れた。
ノルウェーでは、今年九月の総選挙で石油収入を福祉に充当すると
訴えた労働党中心の中道左派勢力が政権を奪回。中道左派政権は男女
平等社会の実現にも積極的で、女性役員の比率が増えないことに前政
権以上に厳しい態度を打ち出したというわけだ。
企業の間では、女性が役員を務められるだけの環境が整わない限り
法律は守れないとの意見が大半で、このままでは海外移転も検討せざ
るを得ないとの声も出ている。経営者団体幹部は「(政府は)事態を
針小棒大に扱っているだけだ」と反発する。
だが、児童・家族問題省の報道官は「各種調査でも、性別で企業の
役員のバランスを図れば、利益が上がると判明した。大学生の六割以
上が女性という現状で有能な女性を見つけることは難しくなく、罰則
規定以外に有効な手段はない」と応酬。官民の男女平等論争は過熱す
る一方だ。

