◆中国国防費、最大12兆円 米次官補「今年も公表の3倍」
米国防総省のロッドマン次官補(国際安全保障担当)は十六日、公表ベースで十八年連続での二ケタ増となった中国の国防費について、未公表分を含めた実質額が円換算で最大十二兆円規模に上るとの見方を示した。米議会の超党派諮問機関「米中経済安保調査委員会」の公聴会で語った。
中国政府が公表した今年の国防費は、二千八百三十八億元(約四兆一千億円)だった。
米側は、他の費目に分散された予算を含む中国の実質国防費が公表分の二-三倍に達するとみてきたが、同次官補は今年もこの判断に変わりがないことを挙げて、「今年の実質国防費は七百億ドル(約八兆二千億円)から千五十億ドル(約十二兆三千億円)と推計される」と証言した。
同次官補は、米中の安保交流が拡大しつつあることを歓迎しながらも、中国が進める海空軍装備、弾道ミサイルの急激な強化に強い懸念を表明。
台湾海峡での軍事紛争の危険を警告するとともに、東アジア地域での米国と同盟国に対する脅威となりつつあると指摘した。
一方、同委員会のバーソロミュー副委員長は冒頭発言で、中国の軍拡について「台湾への武力統一を図る際に、米国と同盟国の部隊が介入することを排除、遅延させる狙い」と語った。