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◆【正論】上智大学名誉教授・渡部昇一 日本の次期首相選ぶのは誰なのか

(産経 06/3/15)

◆靖国テコに内政干渉強める中国


≪「参拝するなら会談せず」≫

 「小泉首相の次に首相になるのは誰だろうか」ということが話題になって久しい。「自民党の党員たちが選ぶに決まっている」というのが常識だ。

 アメリカの大統領ならアメリカ人が大統領選挙人を選ぶ。日本では日本人が国会議員を選び、その国会議員たちが首相を選ぶ。いずれも究極的には国民が選ぶ。

 戦前の日本では元老(昭和では西園寺公)、その後は重臣(木戸侯)が適任者を天皇に推薦し組閣の大命降下となった。しかし陸軍が反対したため宇垣内閣が成立せず、また米内内閣が潰(つぶ)れたりしたので、日本の首相は実際上、日本陸軍の許可・許容によって決まるような形になった。

 戦後の被占領時代には占領軍が旧日本陸軍の代わりになった。鳩山一郎が選挙で第一党になった党の党首でありながらも、民政局のケーディスの意にかなわず、公職追放になった。日本が占領されていた時代に偉くなった人、得した人は、たいてい敗戦利得者であった。

 日本が独立を回復してからは、日本人による選挙が基本となった。ところが最近になって再び日本の首相を決めるのに外国が露骨な干渉をし始めた。占領軍のように公職追放令は用いないが、もっと陰険なやり方を使う。それが靖国神社問題の本質である。

 中国の江沢民前主席とその後継者たちは、いわゆるA級戦犯が祀(まつ)られている靖国神社に日本の首相が参拝するのはけしからんという。「参拝するなら首脳会談をしない」などと露骨な内政干渉、いな宗教干渉をやっている。

 その尻馬に乗って韓国の大統領も同じことを言っている。小泉首相がその要求に屈しないので、ようやく日本が独立国であることがわかるのである。


≪干渉に不感症な政治家も≫

 しかし「靖国神社に参拝する日本の首相とは会談しない」という北京やソウルのご機嫌をとるために、「靖国神社には参拝しない」という総裁候補級の自民党員が出てきている。

 小泉首相が「一国の首相が自分の国の中で行っていけない場所があるのはおかしい」と至極真っ当な意見を述べているのに、「私なら参拝しないで、別に無宗教の慰霊塔を建てる」と主張している自民党員がおり、それを支持する大新聞がある。

 北京やソウルは、占領時代のケーディスみたいな役割を演じている。占領下ではケーディスのやり方を批判した新聞はなかった。あの時代なら言論統制も仕方がないが、外国によって日本の首相決定を左右されるような干渉がなされているとき、その外国の肩を持つのが日本の大新聞という状況はどう説明したらよいのだろうか。

 かつて宮沢喜一氏が「中韓の感情に配慮するような歴史教科書を作らせる」という約束(いわゆる近隣諸国条項)をしたために、日本の歴史の検定権を北京やソウルに与えてしまったのと同じ構造ではないか。

 そこでA級戦犯について、どれだけ本当のことが知られているのだろうか。東京裁判の冒頭において「A級戦犯に対する裁判の管轄権」を清瀬一郎弁護人に問われたウェッブ裁判長は答えることができず、「あとで答える」と言った。

 後になってスミス弁護人から「裁判管轄権を示しえないような裁判はデスミス(公訴棄却)さるべきである」と追及されても裁判長は示しえなかった。裁判の最後までそれが示されることはなかったのである。

 弁護人たちのこの指摘は無駄ではなかった。法制史学者であり東京裁判の弁護人の一人であった滝川政次郎博士が指摘する如く、A級戦犯の罪状だけで死刑になったA級戦犯容疑者は一人もいない。死刑になったのは他の罪状をくっつけての上である。


≪なぜ日中間の最大問題に≫

 A級だけの犯罪(?)ならば死刑は一人もいなかった。いなA級戦犯の裁判管轄権自体がなかったのである。死刑になった七人は生き返らせることはできないが、せめて終身刑であったならば、独立回復後に政界に復帰しても、外国からも非難されることがなかったのである。

 こんなことを北京やソウルや朝日新聞は知っているのだろうか。毛沢東や周恩来も取り上げなかった靖国神社問題がなぜ今ごろ日中の最大政治問題に江沢民時代あたりからなったのか。

 日本政府はその理由を中国政府に対し、文書で返答するよう要求してもらいたい。そしてその返事があったら、その内容をわれわれにも知らせてもらいたい。
by sakura4987 | 2006-03-17 17:45

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