◆市民団体が「政治的発言の自粛」撤回申し入れ
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kako/200603/14.html#06
長崎市の外郭団体「長崎平和推進協会」が、修学旅行生らに被爆体験を語る「継承部会」の会員に「政治的発言の自粛」を要請した問題で、市民団体「被爆体験の継承を考える市民の会」(代表・舟越耿一長崎大教授)は十三日、同協会に対し、発言自粛要請を撤回するよう申し入れた。
市民の会は、被爆体験の継承の在り方を語り合う集い(今月四日、長崎市)で出された意見を集約。発言自粛要請の撤回のほか、同協会会員の言論、思想信条の自由▽同協会の民主的運営―の三項目を申し入れ書にまとめた。
この日、舟越代表ら四人が同協会事務局(同市平野町)を訪れ、丸田徹事務局長に申し入れ書を提出。正副理事長が出席した上で一週間以内に回答するよう求めた。
市民の会は、同協会が継承部会員に発言自粛を求めた「政治的発言」八項目(イラクへの自衛隊派遣、憲法改正、有事法制、歴史認識・靖国参拝など)の決定経緯をただした。被爆者の岡本博さん(70)は「有事法制を制定し、憲法を変え、戦争のできる国にしようとする動きにきちんと反対しなければ、核兵器廃絶につながらない」と訴えた。
これに対し、永田博光事務局次長は「さまざまな立場の人による核兵器廃絶運動が協会の基本理念。世論を二分する問題に対する協会の統一見解は決めておらず、協会が派遣する継承部会員が賛否を明らかにすると、聞く側に誤解を与えかねない。個人的見解まで話すなと言っているわけではなく、講話内容に配慮をお願いしているだけ」と述べた。