◆金融制裁の効果じわり? 金総書記の誕生日の贈り物中止
http://www.sankei.co.jp/news/060322/kok069.htm
偽造通貨問題などで米国の金融制裁を受けている北朝鮮の国内で、外貨不足の影響が出始めていることがわかった。
今年2月16日の金正日総書記の誕生日には恒例の住民や子供、党幹部への贈り物ができなかったほか、本来なら1年で最も食糧が不足するこの時期に、平壌の自由市場で毎年値上がりするはずのコメの価格が、今年は買う人が少ないため、下落する現象が起きているという。
情報関係筋によると、2月初旬、北朝鮮の地方の朝鮮労働党機関に中央から「今年の贈り物は各地方で調達すること」との連絡があり、恒例の金正日総書記の誕生日を祝う贈り物が事実上、中止となったという。
故金日成主席、金正日総書記父子の誕生日は北朝鮮で民族最大の祝日で、1972年からは政令で「名節」に定められ、子供には砂糖や菓子、家族には食糧や油などが支給されてきた。
首領の絶対化、神格化の手段のひとつの「贈り物」ができなかったことは、資金繰りのただならぬ困難ぶりを示している。これは昨秋に始まったマカオの銀行バンコ・デルタ・アジアに対する金融制裁と、それに同調する各国金融機関の対北政策の影響で北朝鮮側の貿易決済が滞るなど、極端な外貨不足が生じているためとみられている。