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◆中国小説 農民の飢餓救った日本軍 邦訳本出版 中国で映画化も決定

(産経 06・4・9)

 【北京=福島香織】一九四二年、大飢饉(ききん)で河南省の農民を救ったのは、日本軍だった-。そんな歴史の真実をとらえ、ロングセラーとなっている中国小説がこのほど日本で翻訳出版された。劉震雲さん著、劉燕子さん翻訳の「温故一九四二」(中国書店)だ。

 同小説は日中戦争の最中の一九四二-四三年、河南省を襲った干魃(かんばつ)による被災民三千万人、餓死者三百万人という大飢饉の状況を農民、蒋介石ら指導者、米国人記者、日本軍の立場から多面的に描き出した。

 飢饉の原因は天災だけでなく、中国軍の容赦ない軍糧のとりたてのせいでもあった。その中で、日本軍は餓死寸前の農民に軍糧を放出した。他の中国人から収奪したものだったとはいえ、農民はこれに応えて、猟銃やクワを握って武装し、軍糧を巻き上げてきた中国軍を武装解除させた。

 「民衆が死んでも土地は中国人のもの。兵士が死ねば日本人がこの国をわがものとする」と軍糧のとりたてを黙認する蒋介石に対し、食べることが何より優先事項だった庶民。「最後に歴史を動かすのは庶民の基本的生活の要求だった」と劉震雲さんはいう。

 河南省生まれの劉震雲さんは、当初は故郷の災害史をまとめるつもりで、祖母や叔父らにインタビューし新聞記事を集めていた。史実に初めて触れて驚愕(きょうがく)すると同時に「人の記憶は意外にあいまい。こんな大事件をみんなあまり覚えていない」と、ショックを受けた。それではいけないと、九三年に小説として発表。以来、読者の圧倒的支持を得て、今も重版が続いている。“中国の山田洋次”と称される馮小剛監督による映画化も決定した。

 翻訳者の劉燕子さんはこの小説に魅了された一読者だった。九一年に日本に留学。今は大阪で、文芸誌「藍・BLUE」編集長を務める。「日中の懸け橋になりたいと思って文芸誌を編集してきた。この小説こそ日本の人々に読んでほしい」と話している。
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by sakura4987 | 2006-04-15 11:16

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