◆米中首脳会談 「北朝鮮、イラン」平行線 米、人民元引き上げ促す
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20060421/20060421_021.shtml
【ワシントン20日青木忠興】ブッシュ米大統領と胡錦濤・中国国家主席は20日、ホワイトハウスで会談した後、記者会見に応じた。両首脳は両国関係や地球規模の問題について協調を促進する方針で一致した。しかし、大統領は「すべて合意していないが、対立点は友好と協調の精神で議論できる」と述べ、イランや北朝鮮の核開発問題など各論では具体的な進展が得られなかったことを明らかにした。大統領はまた「米国は(人民元の)引き上げを期待している」と、通貨制度の一層の改革を促した。
日中関係の改善について大統領は会談で言及すると表明していたが、米政府高官は「取り上げられなかった」と語った。
イランの核問題について、大統領は「(強制措置を可能にする)国連憲章第七章の適用は米中などが抱く懸念をイランに伝える戦術の1つだ」と国連安全保障理事会による決議に協力を求めた。主席は「われわれは平和的な解決を追求する取り組みを継続することで一致した」と答え、強硬措置に反対する姿勢を崩さなかった。
北朝鮮問題では、大統領が中国の影響力行使を求めたのに対し、主席は「6カ国協議は難しい局面にある。再開へ向けて関係国はもっと柔軟性を示せると信じている」と指摘、強硬姿勢に傾く米国を暗に批判した。
台湾問題について、大統領は「私は独立を支持しない」と明言、従来の「1つの中国政策」を堅持する方針を明確にした。主席は「大統領は中国の懸念を理解した」と米国の姿勢を評価した。
経済分野では通貨制度のほか、大統領が要求した(1)貿易不均衡(2)知的財産権(3)市場アクセス―の問題について、主席は「米国の懸念を理解している」と改善を約束した。
中国の民主化に関する質問に対し、主席は「中国は国民のために民主主義と自由を拡大している」と語った。