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◆小泉政権5年 賞味期限が切れてきた

 (朝日社説 06・4・26)

http://www.asahi.com/paper/editorial20060426.html

 小泉首相はきょう就任5年を迎えた。佐藤栄作、吉田茂の両政権に次ぐ戦後歴代3位の長期政権である。

 吉田政権は敗戦後の独立を回復し、佐藤政権は沖縄返還を実現した。小泉政権はなにを達成したとして戦後史に残るのだろうか。

 政権末期というのは人心が離れ、よれよれになって退陣することが珍しくないが、小泉政権は異例である。朝日新聞の世論調査では内閣支持率はなお50%の高水準にある。

 「失われた10年」とまで言われた経済の超低迷期から脱し、とにもかくにも景気が上向いてきたことが高い支持率を底支えしている。

 この5年、公共事業の削減や郵政事業の民営化などをめぐって自民党内の「抵抗勢力」と立ち回りを演じた。自民党総裁でありながら「自民党をぶっ壊す」と叫ぶ。自ら攻撃する側に回ることで、党批判をかわし、野党の攻め手を奪った。

 テレビへの露出を意識したスタイルとあわせ、高い支持率を生み出す新しい政治手法を開拓したことは間違いない。

 問題は実績だ。

 米ブッシュ政権にぴったり寄り添って対米関係を安定させる一方、北朝鮮から拉致被害者とその家族を取り戻したのはよかった。だが、中国、韓国との近隣外交は崩壊状態である。

 中韓の側に問題がないと言うつもりはない。だが、5度も靖国神社の参拝を重ねた結果、首脳はおろか外相同士も満足に会談できない状況に陥ってしまった。

 あの戦争を正当化しようとする日本国内の勢力を勢いづける結果にもなり、頼みの米国にも戸惑いと不信の声が出ている。中国などとの不仲は、日本の国際的な存在感を弱めないではおかない。

 もうひとつは、5年間の改革路線の評価である。経済が拡大基調に転じたことから見れば、政策の基本的な方向は間違っていなかったと言うべきだろう。

 だが、朝日新聞の世論調査では、この5年で暮らし向きが「良くなった」という人は18%に過ぎず、「悪くなった」という人は42%に達した。衆院千葉7区補欠選挙では「改革継続」を掲げた自民党候補が、「負け組ゼロへ」を訴えた民主党候補に小差とはいえ敗れた。

 首相の「改革なくして成長なし」という一枚看板をめぐり、潮流が変わってきた。「格差」が小泉路線の結果なのかどうかには議論がある。だが、昨年の総選挙のころのような求心力が急速に衰えているのは明らかだ。

 小泉流の「賞味期限」が切れてきたということだろう。小泉後をだれが引き継ぐにせよ、単なる継承では済まないことがはっきりしてきた。

 民主党の小沢代表は首相の靖国参拝に反対し、「終身雇用と年功序列は日本社会のセーフティーネット」と言う。ポスト小泉の候補者たちも、5年とはいわないまでも賞味期間の長い明快な旗じるしを示し、競い合ってもらいたい。



◆教育基本法 「愛国」をゆがめないか (朝日社説 06・4・29)

http://www.asahi.com/paper/editorial20060429.html

 小泉内閣は教育基本法の改正案を国会に提出した。与党は連休明けに特別委員会を衆院に設け、審議を急ぐ方針だ。

 今回の改正論議は、00年に首相の私的諮問機関が教育基本法の見直しを提言して始まった。それを受けて、中央教育審議会が「郷土や国を愛する心」などを盛り込むよう答申し、与党が文案づくりの協議を重ねてきた。

 論議が始まって6年になる。与党の検討会も3年にわたった。与党の中でさえなかなかまとまらなかったのは、愛国心をどうとらえるかが、それだけ難しい問題だったからだろう。

 国を愛する心は人々の自然な気持ちであり、なんら否定すべきものではない。しかし、その愛し方は人によってさまざまだ。法律で定めれば、このように国を愛せ、と画一的に教えることにならないか。私たちは社説で、そうした疑問を投げかけてきた。

 こんな疑問を抱いている人は少なくないだろう。すでに教育現場では、どう教えるのか、愛国心を成績として評価することになるのか、といった戸惑いが広がっている。国会で政府はまず疑問や不安にきちんと答えてもらいたい。

 教育基本法は、戦前の教育勅語に代わる新しい教育の指針としてつくられた。教育の機会均等、男女共学などの理念を掲げた11条から成り、「教育の憲法」と呼ばれている。

 改正法案では、生涯学習、大学、家庭教育などの項目が加わり、条文が18に増えている。だが、与党の協議では、教育の目的に「愛国心」の言葉をどう盛り込むかがもっぱら焦点だった。

 愛国心を入れたい自民党と、愛国心が戦前のような国家主義につながることを恐れる公明党がせめぎ合った。その結果、伝統と文化をはぐくんできた我が国と郷土を愛するとの表現になり、「他国を尊重し」という言葉も加えられた。

 それでもなお心配が尽きないのは、ひとつには、気に入らない相手を「愛国者ではない」と決めつける嫌な風潮があるからだろう。

 イラクで人質になった日本人が自衛隊派遣に反対していたとして、自民党議員が国会で「反日的分子」と非難した。韓国や中国に強硬姿勢をとらなければ「売国」だと言わんばかりの論評も目立つ。「売国」や「反日」というレッテル張りがひどくなっている。

 基本法の改正が、こうしたゆがんだ愛国心に拍車をかけないだろうか。

 教育は国の将来につながる重要な政策である。その理念をうたう基本法は、憲法に準ずる重い法律だ。

 「国を愛する」を教えるとはどういうことなのか。その影響はどうなのか。さらに今の時期に基本法を変える必要はどこにあるのか。

 さまざまな分野の人たちの意見に耳を傾け、各地で公聴会を開くなど、ていねいな審議が求められる。野党と論議を尽くすことは言うまでもない。



◆共謀罪 乱用の余地を残すな (朝日社説 06・4・28)

http://www.asahi.com/paper/editorial20060428.html

 犯罪を実行しなくても、何人かで話し合って合意しただけで罪になる。そうした「共謀罪」をつくろうという法案の審議が衆院法務委員会で始まった。従来の政府案に加え、与党と民主党がそれぞれ修正案を提出している。

 麻薬や銃の密輸などの国際犯罪や暴力団犯罪の取り締まりを強めるのがねらいだ。もともと政府が組織的犯罪処罰法の改正案として提出していた。

 これに対し、私たちは社説で、共謀罪の必要性を認めたうえで、「共謀罪の規定があいまいなため、組織犯罪だけでなく、市民団体や労働組合も対象にされかねない」と指摘し、「対象を絞って出し直せ」と主張してきた。日本弁護士連合会などは「思想の取り締まりにつながる」と批判していた。

 与党と民主党の修正案は、こうした批判に応えたものだ。

 共謀罪を適用するのは、暴力団などを想定し、「対象となる罪を実行することを共同の目的とする団体」に限定する。罪となるのは、共謀するだけでなく、下見をするといった「犯罪の実行に資する行為が行われた場合」という文言を加える。これが与党案だ。

 政府案より対象を絞ろうとする姿勢は評価したい。しかし、条文はやはり抽象的でわかりにくい。拡大解釈の余地が消えたとは言えない。

 それに比べ、民主党の修正案はすっきりしている。対象とするのは「組織的犯罪集団」とはっきり書く。対象となる犯罪は国際的なものに絞る。罪を問われるのは、共謀した者が犯罪の具体的な準備をした場合に限る。

 国際的な犯罪集団に対象を絞ろうという姿勢が明確になっている。「自分たちも共謀罪の対象にされるのではないか」と心配する市民は少なくなるだろう。

 政府はホームページで「共謀罪が適用されるのは、暴力団のような組織的な犯罪」「仲間で漫然と相談したり、居酒屋で意気投合したりするくらいでは共謀罪は成立しない」と説明している。

 そう言うのなら、もう一歩進めて、民主党案のように「組織的犯罪集団」しか対象にしないとはっきり書き込むべきだろう。法律はいったんできあがれば、捜査当局によって都合よく解釈される恐れがある。それが怖いのだ。

 ここは原点に戻って考えてみたい。そもそも共謀罪をつくろうという背景には、暴力団やマフィアによる国際犯罪に対抗するため、6年前に国連で採択された国際組織犯罪防止条約がある。日本も署名したが、加盟国になるためには共謀罪などの国内法を整備する必要がある。

 この条約の本来の趣旨を生かすには、いくつかの国にまたがる組織犯罪に限定するだけで十分だろう。

 共謀罪をつくるにあたっては、乱用の余地を残してはならない。国民の権利を大きく侵害しかねないからだ。対象を厳しく限定した民主党案を軸に、国会でじっくり論議してもらいたい。
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by sakura4987 | 2006-04-30 10:32

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