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◆【中国暗影 成長の大矛盾】(4)見せ掛けの繁栄 (産経)


土木依存の「伸び率8%」

 今年七月、中国国家統計局は四-六月期の国内総生産(GDP)の伸び率を9・6%と発表し、同時に前年同期の成長率を6・7%から7・9%に上方修正した。新型肺炎(SARS)のマイナス影響を過大に評価した結果とされたが、今春来の景気過熱抑制策の効果を示すために、前年からの伸び幅を低く抑えるよう数字を操作したとの疑惑を呼んだ。

 独立系専門誌「財経」最新号は、消息筋の話として、曽培炎副首相が昨年同期の低い伸び率に疑問を提起し、当局が修正を迫られた結果とし、統計局が「外的要素を考慮する」傾向を批判した。昨年の成長率を当局者が年末まで8・6%と説明していたのに、今年一月の発表で9・1%になったのもその一例という。

 中国の統計については、朱鎔基前首相も不信感を示した。地方政府の水増し報告が常態化しているのも原因だ。米経済専門家のトーマス・ロースキー氏は、一九九八-二〇〇一年の成長率(平均8%)は、エネルギー消費量から「実際は2%前後低い」と分析した。実態はどうなのか。

 だれもが抱く素朴な疑問がある。毎年8%超の高成長の一方で、失業やレイオフが増え続け、消費が低迷、製品の在庫が山積していくのはなぜなのか。高成長下でのデフレ現象は、マクロ経済学では説明できない中国の特殊事情による、と米プリンストン大学の程暁農研究員は言う(草思社刊「中国経済 超えられない八つの難題」)。

 この問題については、中国国内の専門家の分析も多い。その一つは、財政出動による投資依存で高成長を維持してきたことがある。国営新華社通信発行の時事週刊誌「瞭望」最新号によると、近年のGDPに占める投資と消費の比率は六対四(先進国は逆に四対六)。海外専門家の分析では少なくとも七対三と、顕著な投資依存型だ。

 投資の中でも、とりわけ固定資産投資は伸び続け、二〇〇三年は五兆五千億元あまり(一元=約十三円)と一九八一年の五十七倍になった。過去四年間の対前年比伸び率をみても、二〇〇〇年の10・3%から〇三年の26・7%まで、各年とも固定資産投資がGDP成長率をはるかに上回る。

 固定資産投資とは、主として政府の公共事業や官民の不動産建設、つまり土木・建築への投資を指す。鉄鋼はじめ産業への波及効果は大きく、総延長が米国に次ぐ高速道路建設などインフラ整備にも欠かせないが、財政赤字や不良債権の増大など問題が多々ある。

 近年、問題化しているのは急成長中の不動産開発だ。アジア金融危機のあった一九九七年、中国は低家賃の公共住宅から持ち家制へ住宅制度を転換し、開発業者による住宅建設が本格化した。

 この背景には地方政府と開発業者の結託がある。中国では土地は国有であり、業者は土地の使用権を地方政府から買わねばならない。地方政府にとっては濡れ手に粟(あわ)の財源獲得手段となり、銀行も基準を甘くして積極的に融資してきた。政府、業者、銀行の三位一体で、不動産建設ブームが進行した。

 こうした中で、地方当局が農地を不当収用するなどトラブルが頻発し、耕地が失われた。一九九八年に穀物の作付面積は一億一千三百万ヘクタール余、生産量は五億一千万トンの史上最高を記録したが、二〇〇三年には作付面積は九千九百万ヘクタール余に減り、生産量も四億三千万トンへ激減。農産品価格の高騰の要因になった。

 矛盾を再生産しつつ中国が高成長を追求する理由は何か。程暁農氏は政治的要因を指摘する。

 一九八〇年代初頭、トウ小平氏が二十世紀末までにGDPを四倍にする目標を掲げて以来、高成長維持が中国共産党の政治公約になった。当局は社会安定のための最低ラインを7%成長に設定し、年7-8%成長の確保に手を尽くしている。

 しかし土木依存の高成長の陰で、製造業は技術革新が遅れ、利潤確保のため賃金抑制と人員整理が続く。程氏は「価格、就業、平均利潤率などのマクロ経済指標から判断すると、中国の8%成長率は、欧米諸国の2-3%に相当し、事実上不況の周辺を徘徊(はいかい)している」と結論づけている。見せ掛けの繁栄というわけだ。(北京 伊藤正)
by sakura4987 | 2006-06-03 10:09

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