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◆中国を増長させる「穏便な態度」 平成16年8月14日(土)産経新聞


【緯度経度】古森義久 

 中国でのサッカー・アジア杯で中国人観客が日本や日本人にののしりを浴びせ続け、日本の国旗や国歌まで踏みにじる言動をとったことは、もちろん「たかがサッカー」などという事象ではない。小泉首相の靖国神社参拝との因果関係ももちろんない。日本の首相の靖国参拝の有無にかかわらず、中国内部で長年、きわめて意図的、体系的に培われてきた反日の執念の産物なのだ。中国共産党当局は教育と宣伝で日本への嫌悪を一般国民の心に植えつけてきたのである。

 中国当局の自国民への反日洗脳工作に対しては、実は最近は日本よりも米国でその危険が頻繁に指摘されてきた。

 「中国当局は『日本鬼子』と呼ぶ対象への憎しみを若者たちに植えつけることに努め、学校での教育、映画、テレビ、その他のプロパガンダの網を日本をののしることに動員してきた。その結果、日本への憎悪は危険な状態となった」

 こんな警告を発したのはニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ニコラス・クリストフ記者だった。二〇〇二年一月のコラムである。同記者は中国通だが、日本にも駐在し、日本を批判することが多かった。だからその中国の反日工作批判には客観性がある。

 同記者は昨年十二月のコラムでも「中国政府が若い自国民に植えつけた感情的ナショナリズムは核兵器の増強よりも危険であり、その最大の表示が日本への態度だ」と論じていた。西安での日本人留学生の寸劇や珠海での日本人観光客の集団買春への反日デモも「ナショナリズムによる過剰な反発」であり、中国側は日本に対し「過去の戦争の歴史をナショナリズムのあおりでヒステリックに誇張している」とも批判した。そしてその動機は、「中国を団結させるイデオロギーとして反日ナショナリズムをあおる」ことだというのだ。

 クリントン政権で国務次官補代理として対中政策を担当したスーザン・シャーク・カリフォルニア大学教授も二〇〇二年に発表した論文で「中国指導層は近年、自己の統治の政治的正当性に不安を抱き、その対策として反日などのナショナリズムをあおるために、日本に対しては戦争での残虐行為を絶えず指摘して日本を非難する」と論じていた。同教授はその結果、中国国内での日本への悪意の態度は九九年に米軍機がユーゴの中国大使館を誤爆した直後の対米態度よりも険悪だと警告した。

 コロラド大学のピーター・グリース助教授は今年一月に出した「中国の新ナショナリズム」という書で、中国共産党の正当性を誇示するための反日ナショナリズムは日本からの譲歩を獲得する手段にも使われるとして、九八年の江沢民国家主席(当時)の対日謝罪要求の「計算された戦略」を説明していた。

 米側のこれら識者はみな日本が中国にこの種の反日の教育や宣伝をやめさせるよう積極的に抗議することを提案していた。ブッシュ大統領も二〇〇二年二月の訪中の際、清華大学での演説で中国の教科書の米国に関する記述のでたらめさや偏向を具体的に指摘した。

 中国の教科書の日本に関する記述のひどさは本紙の「日中再考」という連載でも詳述したが、とにかく小学校低学年用の読本から日本については日本軍の残虐と侵略だけをなまなましい表現で教え、南京攻略の際の「百人斬り競争」を写真入りで事実として示すのだ。しかも戦後の日本については平和主義の志向も日中友好への努力も対中政府開発援助(ODA)も、中高校でなにひとつ教えない。

 こんな現状にわが日本政府はどう対応しているのか。一時帰国の際、フジテレビの「報道2001」に招かれ、川口順子外相と同席した機会に同外相が中国の反日などほとんど懸念していない様子を目の当たりにみて唖然(あぜん)とした。川口外相は明らかに今回の反日行動をスポーツの次元でのごく一部の現象としかみず、中国当局の警備にむしろ満足だというのである。

 同外相は日本の国旗が焼かれ、国歌吹奏が妨げられ、日本公使の車の窓ガラスが割られるという深刻な事態も他国の出来事であるかのように淡々と語った。そのあまりの平然さに黒岩祐治キャスターが思わず「川口さん、怒りというのはないのですか」と問い詰めたほどだった。とにかく過小に、穏便に、なにも問題はないかのごとく、という川口外相の態度に象徴される対中姿勢こそが中国を増長させ、反日を正当化させ、長期的には日中関係を悪化させることだけは明言できる。(ワシントン駐在編集特別委員)
by sakura4987 | 2006-06-03 10:09

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