◆日本の新聞は割高?米国では高級紙でも一カ月920円! (ライブドア 06/6/5)
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2045895/detail
日本の新聞は割高で、内容が薄いなどと言われている。内容はともかくとして、値段はどうなのだろう。そこで米国の有力紙の値段をネットで調べてみた。
結果は、経済一流紙といわれる米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が1カ月あたり8ドル25セント(約920円)(ただし、日曜日は休刊)、世界の高級紙といわれる米ニューヨーク・タイムズ(NYT)が19ドル40セント(約2200円)だった。
一方、日本を代表する経済紙である日本経済新聞は4383円。日本のオピニオンリーダーといわれる朝日新聞、読売新聞、毎日新聞などの全国紙は、なぜか一律の価格で、1カ月3925円。単純に比較すれば、日経はWSJの4.7倍、朝日・読売・毎日はNYTの1.8倍になる。
なぜ、日米間で新聞価格にこんな格差があるのだろうか。日本国内では独占禁止法上の「新聞の特殊指定」があるため、値引き行為が禁止されている。このため、日本の新聞を定期購読すると景品を付けるなどで対応している。
商品券のクオ・カード(朝日新聞)や、読売巨人軍の原辰徳監督の写真入り図書券(読売新聞)を付けることで、消費者にサービスしているのだ。
一方の米国には、新聞の特殊指定はおろか、再販売価格維持(再販)制度そのものが無い。米国の新聞は長期購読すると価格の割引がある。
WSJの場合、1年契約すると年間99ドル(約1万1000円)と7割引に設定されている。NYTにしても3カ月契約すれば、1週間あたり4ドル85セント(約543円)と5割引に相当する。
もちろん、NYTやWSJの価格は、宅配されての値段だ。ただし、米国は国土が日本の約25倍と広いので宅配されない地域もある。
とはいえ、郵便でその日のうちに配達されるなど、日本と同じ宅配制度が整い、宅配率は71.4パーセントに達する。
基本的に朝刊だけだが、日曜版の充実ぶりは日本の新聞とは比べものにならない。これは企業努力のたまものといえる。
米国には新聞の特殊指定など、政府による新聞優遇策は皆無に近い。けれども、NYTやWSJなど、安くて質の高い新聞が存在する。
翻って、日本新聞協会は新聞の特殊指定を撤廃すると、値引き競争が起こり、宅配制度が崩壊すると共に、新聞の質が低下すると主張している。
さて皆さん、少し考えていただきたい。日本の新聞の値段をどう判断すれば良いのだろうか。日本の宅配制度をどう評価すればよいのだろうか。そして、値引きを禁じる新聞の特殊指定はホントウに必要なのだろうか。