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◆日本防衛の対象は日本周辺のみにあらず (2/2)


世界規模の米軍再編と協同せよ


志方俊之 (帝京大学教授)

トランスフォーメーションと日米安保体制

 わが国は、地理的に「不安定の弧」の東端にある「アーチの橋台部」に位置する。非核・領域防衛(専守防衛)を基本とするわが国の安全保障にとって、死活的なのは、

(1)核抑止力(核の傘)、

(2)地理的に近い北朝鮮・東シナ海・台湾海峡の安定、

(3)エネルギー資源の供給地である湾岸地域の安定、

(4)わが国への海上輸送路が通っている東南アジア諸地域の安定であろう。

 つまり、わが国が生き残るために絶対に必要な要件、すなわち「死活的国益」は、わが国以外の地域(「不安定の弧」)の安定にある。わが国の領域(領土・領海・領空)だけを守っても、わが国の安全は担保されないことが分かるだろう。

 しかしながら、国連平和維持活動(PKO)や人道復興支援活動などへ自衛隊を送るという現在の範囲を越えて、平和構築のためとはいえ自衛隊を世界各地に派遣して戦闘任務につけることは難しい。これは現行憲法では無理な話であるし、国民の大多数が認めることはないだろう。

 自衛隊だけでわが国の安全保障が全うできないのであるから、わが国は日米安保体制を維持・強化して、自衛隊には出来ない次の三つのことを米軍に依存しなければならない。すなわち、

(1)核抑止力、

(2)日本有事の場合、自衛隊が「盾」(領域防衛)の役割、在日米軍には「矛」(策源地攻撃など)の役割、

(3)日本周辺以遠の地域における海上連絡線(SLOC)の維持と戦力投影である。

 わが国が分担すべき役割は大きく二つある。

 第一は、わが国は不安定の弧に米軍が戦力を投影し、必要に応じて戦力を展開できる「ハブ」として、米空軍、海軍、海兵隊に安定した「基地および施設を提供」することである。そのためにも、沖縄の普天間飛行場移設問題の早期決着をいそがなければならない。

 第二は、ミサイル防衛や対テロ活動のように時間に猶予のない状況が想定されることから、日本有事や周辺事態において、自衛隊と米軍が、現在以上に密接に連携して機能できるようにすることである。

 韓国における米韓両軍の関係と比較しよう。平時は両軍は並列であるが、有事には韓国軍は国連軍たる在韓米軍の「統一指揮」を受ける。したがって、そのための司令部も常設されている。

 他方、わが国の場合は、自衛隊と在日米軍は平時も有事も、あくまで並列であるから、日本有事の場合は、両部隊の司令部が密接に「協同(情報の共有と相互調整)」しなければならない。

 そのために必要なことは、常日頃から協同訓練を励行すること、そして為し得れば両者の司令部を地理的に近い場所に置くことである。

 この線に沿って実施が検討されているのは、地上部隊にあっては、米本土にある「第一軍団司令部」を座間駐屯地に置くこと、および陸上自衛隊の「中央即応集団(仮称)」の司令部をその近くに置くこと、航空部隊にあっては、航空総隊司令部を横田基地へ移して在日空軍司令部と同じ地域に置くこと等である。

 横田に米空軍の頭脳があり、横須賀に米海軍の頭脳があるから、座間に米陸軍の頭脳が揃うことで、日米安保体制の実効性はますます高くなる。


≪国益の観点から議論を ≫

 しかしながら、米軍のトランスフォーメーションに伴う在日米軍基地の再編・再配置問題の決着は、普天間飛行場の移転先問題一つとってもわかるように、容易ではない。

 グローバルかつ長期的な視点で行われている米軍のトランスフォーメーションを、単に「飛行場移設問題」という「部分的設計図」で捉えてみても、日米両国の安保対話は実を結ぶことはない。

 確かに、基地を抱える自治体にとって、その負担は大きい問題であるが、政府や国民は、「死活的な国益」の追求と「自治体が蒙る負担」を軽減する二つの問題との間に、早期に調和点を見出し政治的決断をしなくてはならない。
by sakura4987 | 2006-06-15 09:26

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