人気ブログランキング |

★★★ 日本再生ネットワーク 厳選ニュース ★★★

sakura4987.exblog.jp
ブログトップ

◆米軍再編で自衛隊は米軍の一員になる (1/2)


危険な集団的自衛権の行使は必至

前田哲男 (軍事評論家、東京国際大学教授)


≪新しい戦争概念に基づく「軍の変革」 ≫

 米軍再編とは、「フォース・トランスフォーメーション」の呼称が示す通り、正確には「軍の変革」である。たんに部隊再編成や配備地変更にとどまる“再編”ではない。

 広く軍隊体質の変換を指し、ラムズフェルド国防長官が唱導するRMA(Revolution in Military Affairs=軍事革命)と一体の“変革”と位置づけられる。

 核心には「ビジョン2020」という、米軍戦力を編成・運用両面で従来と異次元の態勢に作り替える遠大な展望が据えられている。つまり“新しい戦争”概念においての再編なのである。もとより日米間のみの問題ではない。

 ではなぜ「軍の変革」が実施されるのか。

 第一に国際情勢の変化がある。冷戦終結の結果、ほぼ半世紀にわたり維持された“対ソ包囲網” としての海外米軍基地は価値を喪失した。新たな敵は“ならず者国家”や“国際テロリズム”に変わった。その点だけなら“不良資産・遊休基地”の整理統合なので“再編”といえる。

 だが第二に、兵器技術のめざましい進展がある。一九九一年(平成三年)の「湾岸戦争」は無人・自動・遠隔化戦争の開幕を告げた。監視衛星、無人偵察機、GPS(全方位位置測定システム)、精密誘導爆弾……ここから“ラムズフェルドの” “RMA理論”が登場してくる。“重厚長大型”遠征軍に替わる“数より能力”を重視した、新たな “ハイテク帝国軍”への脱皮である。

 そして第三に、「9・11事件」が突きつけた“本土防衛戦力”の創出要因もある。事件の衝撃は、従来、「国防の第一線は敵国の海岸(国境)にあり」としてきた「前方展開戦略」に調整の要を促した。

 これらの要因が錯綜しつつ、世界三八カ国に展開している五つの方面軍(地域統合軍=シンク)四七万人余の兵員と七二五カ所の海外基地に、“再編”の大なたが振るわれているのである。

 そこで描かれている見取り図はどのようなものであろうか。

 ファイス国防次官は議会証言(〇四年六月二三日)で、「ブッシュ大統領は、米国の国防態勢の包括的な見直しの時期であると決断した。この見直しは将来のために米軍を大転換するものであり、五つの鍵となる政策課題に導かれてきた」とのべ、

(1)同盟国の役割強化、

(2)不確定性と戦うための柔軟性、

(3)地域を越える能力重視、

(4)迅速展開能力の発展、

(5)数でなく能力、

 の五点を挙げた。再編後の米軍が指向するのは、中東から極東(朝鮮半島、台湾海峡)にかけて広がる“不安定の弧”。そこに向けた、先制・迅速そして同盟国を糾合した打撃集中力の構築とされる。


≪日米安保体制を揺さぶる爆弾 ≫

 以上を念頭に置いたうえで、「在日米軍基地再編」問題にはいっていこう。それは日本に何をもたらすか? ブッシュ政権の戦略家たちの頭の中では、どのような対日要求――日米安保の“再々定義”が描かれているのか? それにわが政府は、どう対応しているのか?

 「五つの鍵」のうち、とりわけ(1)、(3)、(4)に、日米安保体制を揺さぶる爆弾が仕掛けられているのは明瞭だろう。

 なぜなら安保条約に明記された日米の軍事協力は、地域を限定(第五条「日本国の施政の下にある領域」での共同防衛)しており、かつ在日米軍の行動は「極東の範囲」(第六条)とされ、さらに装備・配置および日本からの戦闘作戦行動に関しては、日本政府の同意が求められる(六条に基づく事前協議制度)からだ。

 のみならず、(1)「同盟国の役割強化」からは、自衛隊の「専守防衛」を転換させ、米軍戦略と一体化させる意図も透けて見える。

 安保条文には自衛隊との領域外行動など想定されていないので、そこに“自衛隊再編”すなわち“集団的自衛権の行使容認”の隠し文字を読み取るのは自然なことだ。

 再編協議に関する政府の基本姿勢は、「まず戦略合意=共通の戦略目標を確立した上で個別基地問題にはいる」として、いまだ具体的事項について明らかにしていない(〇五年秋中間報告、全容発表は〇六年一月といわれる)。

 その「共通の戦略目標」とは、『防衛白書〇五年版』によれば、

 「(1)新たな脅威や伝統的な課題に対処し得る態勢を構築して、日本及び地域の安全と安定を確保するための抑止力を維持・強化するとともに、

 (2)このために不可欠な在日米軍の施設・区域が安定的に使用されるよう、地元の過重な負担を軽減していく」

 こと、とされる。

 文中にある「抑止力を維持・強化」の文言は、白書閣議決定当日に、「・強化」の部分が誤記だったとして削除され、正誤表付きの異例な形で発表された。

 しかしそうだとしても「抑止力の維持」と「基地負担の軽減」はもともと両立しがたいから、誤読であるより、思わず“本音が洩れた”とすべきだろう。つまり政府は根本のところで米構想を受け入れていると見られるのである。
by sakura4987 | 2006-06-19 11:58

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


by sakura4987