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◆「南十字星」は日本人必見のドラマ

平成16年10月24日(日) 産経新聞  作家・深田祐介 

アジア解放の側面持つ戦争認識描く

≪日本現代史上画期的な舞台≫

 劇団四季はミュージカル「南十字星」の公演を開始したが、これは演劇史上のみならず、日本現代史において画期的な事件といってよいのではないか。

 この演劇は学徒動員され、インドネシアに進駐、インドネシア女性との恋愛燃えさかるなかで、BC級戦犯として処刑されてしまう日本人青年の哀話だが、観劇した私は主人公の悲運に涙しつつ、しかしこのミュージカルの上演自体が戦後日本にとり、まさに見逃すことのできないことといたく感動した。

 第一にこのドラマは大東亜戦争を戦う日本が昭和十八年以降、戦争目的を明確に打ち出した点を取り上げている。昭和十八年十一月、アジアで独立した諸国の首脳を東京に招き、「大東亜を米英の桎梏(しっこく)より解放してその自存自衛を全うする」という大東亜共同宣言を発表、外相・重光葵は「日本の戦争目的はアジア解放にあり、この目的達成をもって日本は完全に満足する」と述べるのである。

 この辺の事情は、一高、東京帝大卒の連絡将校陸軍中尉・荒井渓吉氏の手記にも明らかだ。荒井氏はインド独立の志士、チャンドラ・ボースが台湾で航空事故死する前夜、ボースの遺言ともいうべき最後の言葉を聞いた人物である。

 ボースは最後の夜、「日本ノ今次第二次大戦ノ行為ハ考ヘヨウニヨツテハ昔ノ十字軍同様」であり、「スナハチ日本ガ占領シタ、全東南アジア全民族ノ解放運動ダトイフコトニナル」と、日本国民はアジア諸国の自覚を促したとしたうえで、「救世主デアルトサヘ激賞シテヲラレタ」。今次戦争には負けたが、数百年にわたって眠っていた民族を自覚させ、独立できると教える警鐘であった、とボースは熱弁を振るった。

 翌朝、満州経由でソ連へ脱出、対英抗争を継続しようとしたボースだったが、離陸直後に搭乗した陸軍機が墜落した。脱出したボースは「生き不動」のごとき火だるまになり、仁王立ちになって数時間後に死亡する。

 欧米のアジア搾取は酷烈を極めた。「南十字星」はその好例をインドネシアを舞台に取りあげる。オランダは一八三〇年悪名高き強制栽培法を実施し、ゴム、コーヒー、砂糖など欧州で売れる商品の栽培しか事実上許さなかった。ために三毛作可能の肥沃な農地に恵まれたインドネシアでは餓死者が頻出するのだ。

 その間、オランダは歳入の五割に達する莫大(ばくだい)な利益を得て、産業革命と鉄道近代化に成功するのである。

≪波乱と感動を巧みに演出≫

 このドラマの評価すべき第二点は、戦乱の悲劇とインドネシアの音楽文化を巧みに結びつけ、波乱と感動に富んだ音楽劇を浅利慶太氏が創りあげたことだ。

 そもそもインドネシアは大変な文化大国で、民族舞踊、民族衣装ともに百数十種類を超えるといわれ、スマトラやバリの男声コーラスのすばらしさなどは圧巻である。

 この背景なしには「インドネシア・ラヤ」や、主題歌の「ブンガワン・ソロ」も生まれてこなかったに違いない。

 こうした背景のもとに創られた「南十字星」は戦後の日本人に欠落しているアジア解放の側面を持つ戦争の再認識を促し、同時に知られざる音楽文化、アジアの誇るべき音楽文化を日本に広く紹介した点において、浅利氏と劇団四季の努力は特筆ものであろう。

 第三点はBC級戦犯の受難という形ででっちあげによる過酷な戦後のオランダの復〈を取り上げた点だ。

 牛蒡(ごぼう)を支給したのを木の根を食べさせたと非難される個所は涙なしに見られない。

 まさに彼らは金庫の植民地の喪失という「金」の恨みを買った犠牲者だったのだ。

≪心に残るバー・モウの言葉≫

 大東亜会議にも出席し、戦後も首相として活躍したミャンマーのバー・モウ首相は戦後自伝「ビルマの夜明け」のなかで「歴史的に見るならば、日本ほどアジアを白人支配から離脱させることに貢献した国はない。しかしまたその解放を助けてやった諸国民そのものから日本ほど誤解を受けている国はない」と述べる。

 私は拙著「大東亜会議の真実」において、このあとに「誤解している諸国民のなかに『日本国民』も含まれているところに戦後日本の悲劇がある」と付け加えた。

 直後に故福田恆存氏からお便りをいただき、「きみの著作は最後の一行で光彩を放った」と過分のお言葉を頂戴した。

 強調する。「南十字星」は全日本人必見のドラマである。これは日本人の「誤解」を解くのに大きく貢献している。



※今年は日露戦争開戦から100年目だが、今一度ペリー来航からの歴史を検証しなければならない。石原莞爾が東京裁判の取調べの際に、「ここにペリーを連れて来い」と言ったが、まさに至言である。欧米列強の植民地支配の歴史、アジアの解放、人種差別撤廃への挑戦、そしてまた、欧米による日本の植民地化への恐怖。様々なものが入り組んだ歴史の鳥瞰が大事だ。現在の自虐史観を打ち破るには、日露戦争の意義を見直し、国民に知らせる事だろう。


当時は目に見える植民地支配であったが、現在は目に見えない欧米列強による支配が行われている。そもそもの欧米の考え方を知るためにも、心ある歴史学者の出現を待ち望んでいるが、我々も日々学び続け、様々な所で、自分の言葉で語り続けようではないか!日本の誇りを取り戻すために!
by sakura4987 | 2006-06-20 13:47

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


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