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◆我等が父祖の国是三則に立ち返れ

主権回復の日に寄せ憲法を考える 東京大学名誉教授・小堀桂一郎

平成17年4月27日(水) 産経新聞

≪占領要項にすぎぬ現憲法≫

 四月二十八日といふ日は、日本対連合国の平和条約の効力発生による真の終戦が実現し、「被占領国」日本が晴れて独立国家主権を回復した記念日である。

 この事についての認識は、現在どの程度広くゆきわたつてゐるであらうか。それが成就した昭和二十七年以来、本年で五十三年の歳月が経過してをり、且つこの日に同志の人々と相諮つて催してゐる「主権回復記念国民集会」も平成九年の初回以来本年で九回目になるのだが、例年の盛会のわりには、上記の認識の普及効果については、なほ未だしの心細い思ひを禁じ得ない。

 本年は殊に、この集会の連年の基本主題である、総理の靖国参拝貫徹問題、被拉致同胞奪還問題、領土問題、歴史教科書をめぐる隣国の内政干渉問題等々の他に、本来の「主権」の認識に関はる憲法改正問題が浮上して、我々に真剣な思索と考察とを促してゐる。今は甚だ重大な決断の秋(とき)である。

 而して自民党案を始めとする既発表の複数の改正試案につき、憂慮に堪へない疑問がいくつかある。いま「主権」に関はる脈絡でのみその一を言ふとすれば、所詮「占領政策施行要項」にすぎない現憲法の裏面に存する基本原則の如きものをいつたいどう扱ふのか、といふことである。

 その基本原則とは、①に国民主権、②に基本的人権の尊重、③に平和主義の三項目だといふのがほぼ共通の理解に立つ公論の様である。

 つまりこれが日本占領方針三原則なのだから、先づこの原則の持つ誤りを払拭(ふつしょく)しなければ現憲法の改正は基本理念の面で発進し得ないのだが、官製の諸試案はいづれもこの占領三原則を廃棄するどころか、逆にそれを固定化しようとの意図が明白に看て取れる。これはいつたいどうしたことか。現立法府の人々は、旧敵国による日本占領をなほ続行してもらひたいのでもあるか。

≪日本になじまぬ概念導入≫

 上記の三原則が如何に独立主権国家としての日本国の面目を毀傷(きしょう)する妄誕(ぼうたん)であるか、その所以を簡単に記す。

 先づ国民主権の概念についてだが、これは現憲法中でも悪名高き「前文」を注意して読んでみれば明らかな如く、アメリカ南北戦争に於けるリンカーンのゲッティスバーク演説の、しかも誤解(乃至誤訳)を含んだ焼直しに他ならない。

 とすれば、それはアメリカ東部十三州連合といふ植民地の住民が本国に対して独立を宣言した時のあの闘争的な教条に起源を有する思想であつて〈人類普遍の原理〉どころか、近代世界の異端者的反抗思想の所産にすぎない。日本の千古の国体とは到底相容れない代物なのである。

 人権などといふのも亦米国独立宣言といふ一時の譫妄(せんぼう)から採つて占領方針中に強引に挿入した概念であつて、二千年来君民一如の国体を保持してきた我国にとつては、わざわざ口に出すまでもない余計な思想である。

 余計なものである故に、最近の人権擁護法案にその最悪の発現例を見る如く、実は大衆の私的強欲や怨恨の情念を正当化する危険な暴力装置として悪用されるであらう毒をひそめてゐる。

 平和主義も一見無害で結構な思想の如くに見えるが、実はこれの端的な表現が現行の九条2項なのだから、これは国家の自然権としての自衛権の否定であり、即ち日本は主権国家ではない、と宣言してゐるに等しい。この占領基本法施行当時、確かに我国は占領軍の管理下=保護下にあり、現実に主権国家ではなかつた。然し今こそこの軛(くびき)を投げ棄てなければ、我々は主権国家の実を回復し得ない。

 もし改正自主憲法の制定に当り、やはり基本三原則の如きものが欲しいとならば、我々は当然明治維新の鴻業(こうぎょう)に際して我等の父祖が定めた国是三則に立返るべきである。

≪一に国家安全保障の確立≫

 即ち、①に国家安全保障の確立で、これは外敵の侵寇(しんこう)に対しては領土と人民を護り、内に向かつては社会秩序の安定を通じて民生の康寧(こうねい)を確保するといふ、国家から国民に対しての約束を国憲化することである。

 ②に国家主権の尊厳で、これは国民の信仰、教育、歴史観、習俗、市民的諸権利等の内政問題には外国の干渉を許さぬ毅然たる姿勢をいふ。

 ③に積極的国際貢献の思想で、これは徳川幕府の多年に亙る一国平和主義的閉鎖的姿勢からの転換を意味した。即ち我国を国際社会の一員として、世界秩序維持のために国力に相応した貢献を為し得る国とせんとの宣言だつた。

 約百四十年の昔に我等の父祖が採択したこの三条の国是こそが、新世紀の日本国憲法の基本理念たるべきである。




※まず、人権擁護法案だが、まだまだ自民党の法務部会を通過できていないようで、反対派が良く頑張っていただいている事に、深謝したい。

また、民主党の中に反対する会も出来たようで、何とか希望が継続できている。とにかく阻止しなければならない。

ところで、上記の4月28日の「独立記念日」については、国内的にほとんど知られていないと思う。私もこの世界に入っていっとき経ってから知った。

考えてみれば、国民にとっては本当に重大な日であり、あげてお祝いと感謝と決意を新たにする日であるが、政治的にもほとんど無視され、忘却の彼方になってしまっている。

戦後すぐから基礎が出来ていない証拠だが、もうひとつ、すっかり忘れられているものがある。それは、「五箇条の御誓文」だ。

これは、明治を作るはじめにあたって、基本指針だが、実は戦後の日本を作る際の基本指針でもあるのだ。

マスコミは、昭和21年元旦の昭和天皇の詔-「新日本建設の詔」を「人間宣言」という風に取り上げているが、これも詐欺的な行為で、このときの昭和天皇のお気持ちは全く違っておられた。

「新日本建設の詔書」の冒頭には、「茲(ここに)に新年を迎ふ。顧みれば明治天皇、明治の初め、国是として五箇条の御誓文を下し給へり。曰く、一、広く会議を興し、万機公論に決すべし。……」。という具合に五箇条のご誓文が全部そのまま引用されており、最後の五箇条目の「一つ知識を世界に求め大いに皇基を振起すべし」とすべて引用された上で「叡旨公明正大またなにおか加えん。朕は茲に誓いを新たにして国運を開かんと欲す」と書かれてある。

つまり、戦後も「五箇条の御誓文」から我が国は出発したのであり、この時の詔は、別に「人間宣言」をされるために出されたのではない。

それから言うと、国民全てが丸暗記しておかなければならないのだが、その様な事は学校では教えているわけがなく、これもどこかに忘れ去られている。

現在の我が国の状況は、危機迫り、まさに「国家存亡の秋」だが、それを回避するには、過去を良く見直してみると、答えがそこにあるのだが。
by sakura4987 | 2006-06-20 15:42

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