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◆大人たちの絵本


平野啓子 平成17年3月23日(水) 産経新聞

◆大人たちの絵本_e0006194_16434895.jpg


 「いつでも、どんなときでも、あなたを愛している」。こんなふうに言ってくれる人が、自分の身近に一人いるだけで、どれほど生きる力がわいてくるだろうか。

 そんな無償の愛を子守歌で息子に聞かせる母の姿を描いた絵本「ラヴ・ユー・フォーエバー」(岩崎書店)は、全世界二千万部のベストセラーである。子供に即興でお話をつくるというアメリカの“お話おじさん”ロバート・マンチ氏の作品だ。

 私はこの絵本の話をぜひ多くの人に聞いてもらいたいと思い、読み聞かせをしてきた。最初は子供向けのイベントで。しかし、主催者の男性が涙ぐんで聞いてくださる姿に行く先々で出会い、ビジネスマン対象の講演会などでも読んできた。

 大人向けの場では、絵本を取り出した途端、客席に「子供じゃないのに、なぜ」という空気が広がる。しかし、公演終了後、若いビジネスマンの方々も年配者も、男女を問わず涙ぐんで、「母親を思い出した」「親の愛を改めて感じた」といった感想を話してくれる。

 どんなときにも自分を信頼して見守ってくれる存在を、大人も-特に今の時代は-求めているのだろう。その信頼関係の原点が母と子の絆(きずな)なのかもしれない。

 昨年、韓国・ソウルでこの絵本を読んだときは、ハングルで記入されたアンケートに、「愛の深さがわかった」という感想が何通も見つかった。

 先日、ある中学校の卒業講演でこの絵本を読むと、育ち盛りの男の子たちも集中して聞いていてくれた。絵本では、子守歌を母親が、息子が大人になるまで歌い続ける。一生、子供を心配する母の愛は中学生の皆さんの目にどのように映っただろうか。

 親は命がけで自分を守ってくれる存在なのだということを、実感するのはずっと先でも、今、そのことを胸にしっかり刻み込んで卒業してほしい、と心から願った。

※早速、購入した。そうなんだ、その通りなんだ。たった一人でいいんだ。たった一人から愛されれば人間は強くなれるんだ。現在の道徳の崩壊も難しいようで、意外と単純な事なのだ。

このたった一人を求めて、人間は彷徨い、目立ちたがったり、強がったりしているのだ。たった一人から愛されたいがために。この事は、この「桜魂」で一貫して言って来た事だ。

子供の頃はこれを母親に求め、その内に友人や恋人に求め、夫婦に求め、最後には子供に求めたりするが、なかなか満足できずに、不満をぶつけたりして、その関係がおかしくなったりする。

よく知られた話だが、2人にそれぞれ2メートルのお箸が渡された。食事をする時、どうすれば食べる事が出来るかという問題だ。答えは、お互いに食べさせてあげるというものだが、ここに人生の不思議さが隠されている。

実は、人に「ああして欲しい、こうして欲しい」と求めている間は、この欲求は絶対に尽きる事がないのだが、自分から人に何かをしてあげるようになると、徐々にこの欲求不満はなくなっていく。

心に病がある人は、ほとんどの場合この「ああして欲しい症候群」なのだ。であるならば、その欲求を断ち切って、自分には何が出来るかという方向に考え方を変えていかなければならない。

この方向性を変えるコツは、過去をよく振り返る事だと思う。過去、自分から人に対してどれだけの事をやってあげたか。逆に人から、親からどれだけのことをやってもらったかを、よく振り返ることだ。

そうすれば、自分がやってあげた事はほとんどなく、やってもらった事のほうが多い事に気が付くはずだ。そこから、感謝という気持ちが芽生えると、人は変わっていく事が出来るのだ。そうすれば、報恩という気持ちもまた出てくるようになる。

自分としてやるべき事は、よく過去を振り返ると同時に、自分の子供や周囲の人が、そのたった一人を求めているという事もよく理解して、愛深き人間になるよう努力する事だろう。

特に子供は親が全世界なのだから、親から愛情を与えられていないと思えば、全世界が敵になってしまう。その様な、心に深い傷を負った人が立ち直る事は、なかなか難しいものだ。

だから男女共同参画社会など絶対に間違っていると、繰り返し、繰り返し、訴えているのだ。愛とは関心を寄せる事。愛とは人と人を結びつけるもの。愛とは平凡な中において与え続ける事。愛とは常に心の中に存在し続けてあげる事。

愛なき人生は不毛であり、愛なき人生は悲しみであり、愛なき人生は孤独である。お互い、そろそろ人に求める事は止めて、人に何かをしてあげる事が出来る人間に変わって行こう。

そして、この日本国中が、愛に満たされた光輝く家庭で一杯になるように、心から祈り続けていこう。
by sakura4987 | 2006-06-20 16:48

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