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◆「英国病」を克服した英国


平成13年06月21日(木) 産経新聞  実を結ぶリーダーたちの改革

 「一九九七年以降の経済成長率は年平均二・七%。過去二十五年間で最低のインフレ率と失業率。二〇〇〇年度の財政黒字は約二百億ポンド(三兆四千億円)」。英国のブレア首相は、先の総選挙(今月七日投票)で、九七年の政権獲得後の経済実績を誇らしげに語った。

◆ヨーロッパの重病人

 二十年前に、このような英国経済の復活を予想できた人がいただろうか。

 七〇年代の状況を振り返ってみると、年平均のインフレ率は一三%。政府は労働組合との賃金抑制交渉に力を注いだが、失敗に終わり、ストライキが続出した。とうとう七九年初頭には、病院、学校の閉鎖が相次ぎ、テレビをつけても「ストライキ中」の文字が映し出される事態に陥った。墓堀人のストで、死者を埋葬できない地域さえ現れたという。「英国病」が体のすみずみを蝕(むしば)んで、このまま「ヨーロッパの重病人」として沈んでいくのではないかと思われた。

 しかし、二十年の歳月を経て、瀕死(ひんし)の状況にあった英国経済が蘇った。今や英国病は、英国人の間で過去の病として語られている。一体、何が英国病を治癒させたのか。真っ先にあげるべきは、やはり「サッチャー改革」であろう。

◆痛みを伴う改革

 七九年に就任したサッチャー首相は、それまで常識であった公共投資の拡大や、福祉国家政策を放棄した。他方で、個人に自助努力を促して、市場の活力を用いることで英国病の克服を目指した。具体的には、規制緩和、減税と歳出削減、国有企業の民営化、通貨供給量の管理、労働組合の活動規制などである。

 当然のことながら、この改革は「痛み」を伴った。金融・財政両面からの引き締めは、八〇年代前半に深刻な不況を招いた。失業率も、八二年から八七年にかけて二桁を超えた。

 しかしサッチャー首相は、ひるまなかった。 「これ以外に方法がない」と発言し、痛みなしでは英国病を治せないことを説いて回った。そして八〇年代中ごろに炭労ストをつぶした頃から英国病は快方に向かい、「サッチャリズム」はメジャー政権に引き継がれた。

 九七年には、十八年ぶりに労働党政権が誕生した。ブレア首相は「第三の道」という新しい政治路線を提唱する。これは市場の活力を積極的に用いるが、サッチャリズムと異なって、貧困層の増大など「市場経済の副作用」にも配慮することが含まれる。

 政府は単に小さければいいのではなく、「市場が公益に適合するように『条件整備』という重要な役割を担う」と考える。また、人的投資に力を入れ、失業者対策では、従来型の福祉手当支給から職業・教育訓練に重点を移す政策が実施された。

 「サッチャリズム」と「第三の道」の内容に違いはあるものの、英国病の克服は、これらリーダーたちの改革によってなされたことは間違いないだろう。それでは、なぜ英国では改革を行うことが可能だったのか。

◆ビジョンを選挙で

 第一に、サッチャーやブレアは、政権獲得前から実現すべき政策ビジョンを周到に準備していた点である。例えばサッチャーは、首相になる数年前から政策研究センターの副理事長として、英国経済の衰退の原因を調べ、首相就任時には「サッチャリズム」とよばれる考え方をほぼ確立していたといわれている。また、ブレアも九〇年代前半の野党時代に党改革を進める仲間と共に、社会主義政党が進むべき方向性と具体的な政策を考えていた。

 第二に、政策ビジョンが、総選挙時に政党のマニフェスト(選挙公約)の中で提示され、国民の審判を仰ぐ点である。ブレア労働党のマニフェストをみると、様々な政策の枠組みについて、数値目標、達成手段、財源などが示されている。もちろん、これは政治的な文書なので曖昧な部分もある。

 しかし、曖昧な点は選挙期間中、専門家やジャーナリスト、他党幹部との討論で追及される。このような議論を通じて、国民は改革の内容や実現可能性について理解を深めることができる。

 第三に、政権獲得後、所轄大臣がマニフェストの実現に責任を持ち、長期に任務に携わる点である。例えば第一次ブレア内閣の二十二人の閣僚のうち、大蔵、外務、内務、教育雇用など八人の閣僚は、政権発足時から解散時までの四年間変更がなかった。逆に、働きぶりが悪い大臣はブレア首相によって更迭された。



※過去の記事で参考になるものを時々掲載しようと考えている。文藝春秋で野田聖子国会議員がサッチャー氏を理想像としていると語っているが、そのサッチャー氏がいかに指導力があったかを示した内容だ。「夫婦別性」を実現すべきビジョンとする野田氏はサッチャー氏の名前しか知らないのではないか。「知らない」という事は本当に恐ろしい。最近はマニフェストというものだけは真似をしているが、中身はかけ離れている。真似るべきは、その精神にある。
by sakura4987 | 2006-06-20 16:50

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