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◆教科書と外国人参政権の関係


平成13年7月17日(火) 産経新聞 作家 曽野綾子

◆頭もたげた日頃からの疑念

 最近、教科書論争が盛んで、時々私にも「どう思いますか」と質問する人がいるのだが、私は知識の守備範囲が極めて狭い。誰でも一つのことを調べていけば専門家に近い知識を与えられるので、私にもその手の領域がないではないのだが、内外の教科書に眼を通す暇などないから、一切発言できなかった。

 しかし教科書問題以前から、不思議に思っていたことがある。それは、日本に滞在する外国人に選挙権を与えないのは、日本がまことに狭量なせいでこれをすぐ改めなければならない、という理論であった。ほんとうにそうかなあ、と思っていたのだが、怠けていて調べる気にはならなかった。しかし私に言わせれば、その国の国民でもない人に、政治の力を与えることはどう考えてもおかしい。

 先日既存の教科書の抜粋を見ていたら、次のような引用があって、私の日頃からの疑念が再びむくむくと頭をもたげてきたのである。

 「わが国に定住している外国人は選挙権がなく、公務員となることについても制約を受けています」(大阪書籍)

 「近年、日本に住んでいる外国人の選挙権や公務員になる権利などが問題となっているが、いまだ実現されていない」(教育出版)

 「定住外国人には、選挙権をあたえられていないとか公務員になれないなどの制限もある。こうした差別や制限をなくしていく努力は、これからも取り組んでいかなければならない」(日本書籍)

 これらの文章は明らかに非難の口調で、外国では定住している人に選挙権を与えているのに、日本だけがそれを認めていないようにも読める。仕方がない、この点だけ調べてみるかと思ったのである。

◆米国には外国人参政権なし

 するとおもしろいことがわかった。まずイギリスは、旧英連邦と数百年間もイギリス領だったアイルランドの市民、いわば身内にだけ、国政、地方レベル共に選挙権と被選挙権を与えている。カナダは、一部の州で英国臣民などに限って州議会選挙と地方選挙の選挙権と被選挙権を与えている。しかし国政レベルでは英国臣民であろうとなかろうとだめだ。これらはつまり誰にでも定住外国人に選挙権を与えるのではなく、昔の「英連邦」だった国の人達だけを特別扱いしているということである。

 オーストラリアでは国政レベル・地方レベル共、一九八四年一月二十六日以前から選挙人登録を受けている英連邦市民だけに選挙権のみを与えているが、被選挙権はない。新参者はだめ、ということだ。

 一番気になるアメリカはどうかと言うと、国政レベル・地方レベル共、外国人には一切の選挙権・被選挙権を認めていない。かつて州によって外国人に参政権を与えていたところがあったというが、今はそうではないらしい。

◆参政権与えずが普通のこと

 スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、オランダでは、国政レベルでは全く与えていないが、地方レベルでは、選挙権・被選挙権共に一定の年数以上を合法的に居住していたという条件を満たした人ならいいらしい。

 アイスランドは、国政レベルはノウ、地方レベルでは三年以上居住している「北欧諸国の市民」だけに許されている。イタリア、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルク、ギリシャは国政・地方レベル共に選挙権・被選挙権共に一応は与えられていない。一応というのは一部の国では法律による参政権の付与が可能だということになっている。これらの国もEU(欧州連合)市民に対しては地方参政権のみ与えているところが多い。フランスはEU市民の参政権を除いて、国政・地方レベル共に選挙権も被選挙権もない。中国、韓国、北朝鮮、フィリピンも同じである。

 右にあげた教科書が当然のこととして書いているように、定住外国人に国政レベルで選挙権を与えている国は、ニュージーランドとチリだけ。その両国も、被選挙権はない。チリの被選挙権は五年以上在住の場合、ニュージーランドでは一九七五年までに選挙人名簿に登録されていた、古い移民だけである。

 こうして見て来ると、在住外国人に簡単に参政権を与えないということは、諸外国でもごく普通のことらしい。

 教科書問題でも、歴史観の相違がある点については、私は何とも言えない。しかしこうして調べればすぐわかる単純な法律に間違いの記述があるのをほうっておくというのはどういうことなのか。私も今まで何もしなかったのだけれど、教科書検定というものも、実にいいかげんなものなのだろうか。




※教科書記述と参政権をからめる曽野さんならではの文章力で羨ましい。以下に教科書検定がずさんになってしまったかの好例であり、かつ、在日外国人に参政権を主張する公明党やその他の野党が常識はずれかが良くわかる。国際交流などと上辺だけのヘラヘラした笑顔より、学ぶべきを学ぶ真摯な態度を期待したいし、その精神があれば参政権問題など本来俎上にも乗らないはずである。
by sakura4987 | 2006-06-21 13:14

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