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◆人間力は人と一緒に暮らす力 人力は一人で生きる力


平成16年10月23日(土)  産経新聞

 ぼくには、雨風の中を屋根に上がって、吹き開けられた穴を塞ぐ力がない。引きちぎられた電線を繋(つな)ぐ技術も、断水した水道の代わりに、生活水を手に入れて運ぶ能力もない。また山のような廃材や瓦礫(がれき)を分別しながら処分する腕力もない。つまり人力がないのである。

 ぼくは結構人間力はあると自惚(うぬぼ)れていたのだが、今度ばかりは、人間力ではない人力に欠けていると、痛感させられたのである。

 伊豆半島に上陸し、類を見ないほどの強力さで、アッという間に通過した台風22号のため、わが家はとんでもない被害を受けた。かなりの大屋根が砕かれてしまったのである。吹き飛ばされたとか、倒されたとかいうのは、風の被害であるが、今回はそんなものではなかった。

 時間にして一秒、竜巻かミサイルかという衝撃である。ぼくはパッカリと穴があき、ザアザアと雨が降り込む修羅の光景を呆然(ぼうぜん)と見やりながら、これは風ではない、そうだ、これはカマイタチの巨大なものだと思った。

 カマイタチをご存じだろうか。ぼくの子どもの時代に、野原で突然膝小僧をパックリと切られることがあり、これをカマイタチにやられたなと言われた。旋風の中心が真空になり、人間の膝小僧を切り裂くことになるのだと、解説されたことを覚えている。

 わが家の台風22号による被害は、局部的惨状というやつで、まさにそのカマイタチを連想させるものであったのである。カマイタチは鎌鼬と書く。

 ところで、今回は、そのことが主題ではない。主題は人間力と人力の差である。まさに、自然の猛威に蹂躙(じゅうりん)され、文明の力を封じ籠められ、生活インフラを断ち切られた中で、その差を痛感して立ちつくしたのである。

 現代は、社会も人間も、どこにいてどのような人生観を持とうが、都市型社会生活になってきて、他人に依存し、他人に振り分け、そのことがお互いさまで成立させる人間力の時代である。しかし、そのことが徹底し過ぎ、人力をあまりにも忘れ過ぎたのではないかということである。

 これは何も、被害にあって無力を覚えたぼく自身の反省だけではなく、多くの人が人力を忘れていることへの警告である。

 仕事を分け合って社会を成立させているということと、人の力を持たなくてもいいということとは、イコールではない。何かがあったら、すぐ電話を、二十四時間お助けしますというシステムに包まれているのは心強いが、かといって、過信はよくない。全面依存でも自分の力を失うだけである。巨大なカマイタチの一噛みで、電気も消えるし、電話も通じなくなる。そんな時のために、まずは人力、自らの力と、思ったのである。(あく・ゆう=作詞家、作家)




※私も人力は相当落ちていると思うが、確かに、最近の若者は特にこの人力はないようだ。我々の子供の頃はコマの芯を打ち付けたり、削ったり、台風が来たら壁に板を貼り付けたりと、親と一緒にやっていたが、最近は鉛筆も削れないという。多くの人にお世話になって生活していることには大いに感謝しなければならないが、やはり自主独立の精神は忘れさせないためにも、子供には相当の負荷を掛けなければならない。 
by sakura4987 | 2006-06-21 16:32

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