◆小を見捨てて大が成ろうか
◆その名セリフの一つに〈何事も小から大へひろがる。小を見捨てて大が成ろうか〉がある。兵庫県加古川市の二家族七人が殺害された事件と惨劇に至るまでの警察の対応で、これを思い浮かべた
◆七人殺しには過去何年にもわたり、いくつもの予兆があった。石を投げたり、包丁を振りかざしたり、殺すぞと脅したり……。被害者、住民たちは何度も警察に相談した
◆「いつかは殺(や)られる」と言っていた人もいる。が、警察の対応ははかばかしくなく、保健所に相談したこともあった。重なるトラブルは事実上放置されたまま惨劇を招いた
◆当初、警察は住民の相談は確認していないと言っていたが、一転、事実を認めた。住民の恐怖感を警察は共有していなかったと言えるだろう。「きちんと対処してくれていれば……」と住民は思う◆〈小を見捨てて大が成ろうか〉の重みを改めて思う。
(2004/8/4/読売新聞)

