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◆第5世代戦闘機技術の趨勢 (世界日報 06/6/21)


F22など空中戦を一新/推力偏向、武器内蔵が特徴

元統幕議長 杉山 蕃


≪F15圧倒した露製第5世代機≫

 韓国空軍に導入が始まったF15K戦闘機の墜落事故が報じられ、当局の事故調査が行われている段階であるが、早期解決が望まれる。

 他方、本年二月に行われた米空軍とインド空軍の共同訓練(コープ・インディア)での戦闘機訓練において、インド空軍側がロシアから導入したSU30MKIを投入し、米アラスカ空軍F15を相手に優勢に戦い、米国ACC(空軍航空戦闘軍団)司令官ホーンバーグ大将をして、「F15からF22へ更新が必要」と嘆かせたとする報道、J-XXと言われる中国の新戦闘機構想、ロシアのSU47、MIG1・44等の今後の展開など、近隣の空軍力の変化は盛んである。今回は、戦闘機先端技術についてコメントしたい。

 戦闘機の先進度は、大きな技術的進歩が実用化されるごとに新世代という表現が用いられる。

 一般に、現在各国空軍の有する最新鋭機と言われる機種は第四世代とされ、いわゆる超音速、全天候、高機動、先進電子機器などの能力を保有し、電子戦、データリンク能力、および相応の攻撃・防御武器が搭載可能といったところが相場である。

 これらの技術は導入される度に、航空作戦のあり方に大きな影響を与えてきたが、最近に至り、第五世代と言われる新鋭機が登場し、新しい流れを創りつつある。その代表は、現在部隊配備が進んでいる米空軍F22ラプター戦闘機である。

 F22は構想・設計段階から、二十年以上をかけて開発された米空軍の「虎の子」新鋭機である。本稿で言う航空技術的観点から大きな特徴を挙げると、二点が挙げられる。


≪F22で格段の航空技術を開発≫

 まず第一点はベクタード・スラストと呼ばれる推力偏向方式の採用である。

 上下二十度排気方向を偏向できるこのシステムは、空中での機動性能を著しく向上させ、従来の空中戦のやり方を一新するほどの効果を発揮する。

 筆者もシミュレーターを体験したが、その性能の飛躍度は、従来の世代間格差とは比べ物にならない程大きい。米アラスカ空軍F15が、インド空軍SU30MKI(推力偏向型)に圧倒されたのも理解できるところである。

 F22のもう一つの特徴は、武器の外部搭載を廃し内蔵型としたことである。

 最近の戦闘機は、十分な余剰推力を利用し、通常、十個を超えるステーションに燃料タンク、各種ミサイル、爆弾等多様なウェポンを外部搭載する。

 この外装の形態は、実戦では射耗に都度変化することから百を超えるケースが考えられる。さらに各ステーションに搭載するウェポンは単機種ではなく、対空・対地等数種類に及ぶため、千を超える形態が考えられる。

 戦闘機を開発する場合、これら全形態について、速度・G(重力加速度)・機動制限値を確立することが必要なのは言うまでもない。

 また、新しいミサイル等が開発され、装備することとなれば、また全形態での確認が必要となり、戦闘機を開発すれば、当該機が退役するまで試験飛行が必要と言われる所以である。

 F22においては、この傾向を打破するため、武器を内蔵することとしたものである。

 しかし、内蔵型は機体の大型化はもちろん、武器発射に際して、瞬時扉を開いてミサイルを抽出発射するという離れ業が必要である他、武器側にも発射後直ちに、目標を確認照準するなど格段の技術が必要である。

 F22は、これらの技術の壁を乗り越えた米国ならではの戦闘機と言える。

 このF22の影響を受けて、各国の研究開発は、ベクタード・スラスト、ウェポン内蔵型、そしてステルス形状に進んでいる。

 ロシア開発のインド空軍SU30MKIは、推力偏向においては同等のレベルにあると考えられ、形態を固定した運用で対応しようとするものであろう。もっとも、ロシアらしく、「F22そっくりさん」の開発が行われているとの怪情報もある。


≪最新技術の研究開発に投資を≫

 中国も空母保有を公言している事から、主力SU30MKKに加えて推力偏向型の導入、あるいは、J-XXへの反映に力を入れることが予想され、わが国を含めた周辺諸国は、その動向が気になるところである。

 わが国の当該技術に関しては、ベクタード・スラスト等研究は行われているものの、まだ実用化のレベルにない。再三になるが、研究開発への資源投資の必要性の声を大にしたい。

 航空自衛隊は今期防最終年に、退役の近いF4型機の後継機種を選定すべく計画されているが、これら、最新技術の趨勢と周辺諸国の軍事情勢を勘案しつつ、苦しい財務情勢ではあるが、最適の努力が行われるよう切望するものである。
by sakura4987 | 2006-06-22 06:20

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