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◆竹島はどうなる?――日本は排他的経済水域を守れるか

文芸春秋 日本の論点PLUS

 竹島の近海で日本が計画していた海洋調査に対し、韓国が激しく反発していた問題は、4月22日、日韓次官級協議によって合意が成立した。

 韓国が、6月にドイツで開かれる海底地形の表記に関する国際会議で竹島周辺について韓国名表記の提案を行わない代わりに、日本が海洋調査を中止するというものである。

 これにより物理的な衝突はひとまず回避されたが、あらためて領土問題の難しさが浮き彫りとなった。

 近代以降日本が領有してきた竹島は、韓国が1952年に領有を宣言し、54年からは実効支配を続けてきた。

 日本はこれを不法占拠であると主張、その結果、国連海洋法条約に基づき両国が主張する排他的経済水域(EEZ)が竹島周辺海域で重なり、EEZの境界線が確定できないままでいた。

 実際には、99年に発効した日韓新漁業協定によって、主張が重なる部分を共同管理の暫定水域とすることで決着が先送りされた状態になっている。

 しかし韓国は、日本の抗議を無視して過去四年間にわたり暫定水域の海洋調査を続け、さらに昨年11月には、竹島周辺の海底地形の名称を韓国名に変更する計画を持っていることが判明した。

 日本にとって今回の調査は、そうした行動への対抗措置という側面がある。

 これに対して韓国は、海上警察庁と海軍が、日本の竹島奪回を想定して策定された「竹島防衛計画」に基づく厳戒体勢を敷き、20隻近い艦艇を配置。日本の測量船が調査を開始すれば拿捕や体当たりで阻止する構えを見せたのである。

 韓国の態度がここまで強硬なのは、この問題が民族のアイデンティティと結びついているからだ。

 盧武鉉大統領は25日に発表した談話で、竹島は「日本の朝鮮半島侵奪の過程で最初に奪われた歴史の土地」だと述べ、歴史問題と結びつける考えを改めて示した。

 「反日」姿勢を見せることで国内世論を味方につけてきた盧政権としては、調査を見過ごすようなことになれば支持を失いかねない。

 とはいえ、そもそも公海であるEEZにおいて、海洋調査を行うこと自体、国連海洋法上なんら問題のない行為だ。

 韓国としても、実力で調査を妨害すれば国際法違反を世界にさらけ出すことになるし、また竹島問題が国際的な注目を集めれば、国際司法裁判所へ付託すべきという日本の提案を、「領土問題は存在しない」という理由で、突っぱねてきた態度が通用しなくなる。

 そこで谷内正太郎外務次官が、日本が調査の“延期”でなく“中止”と譲ったことと引き換えに、韓国も地名表記の提案をおこなわないことを合意に盛り込むよう強く求めた結果、「痛み分け」の決着を見ることとなった。

 アメリカから、同盟国同士が対立することへの懸念が伝えられたことも影響している。しかし、韓国政府は、表向き国民には「表記の提案は適切な時期に行う」「日本は調査そのものを撤回した」と説明しており、依然強気である。

 合意には、5月からEEZの確定交渉を開始することも盛り込まれたが、対立の再燃は必至の情勢だ。


 ●国際法上正当な行為である調査が中止に追い込まれたことは、さらに大きな問題に発展する種をはらんでいる。

 国連海洋法条約では、陸地の延長である「大陸棚」について、沿岸国が「海底とその地下の天然資源の探査・開発について主権的権利」を持つとし、さらに海底の地形・地質が一定条件を満たせば、EEZの外側まで大陸棚の限界を設定できるとしている。

 ただし、それには、延長部分までの海底地形が領土の陸地部分と一体となってつながっていることを、沿岸国が科学的な調査データにより証明しなければならない。この調査の提出期限が2009年の5月に迫っているのだ。

 すでに中国は、最新の3次元物理探査船を12隻も保有し、日本のEEZの東シナ海側だけでなく太平洋側まで調べている。

 だが日本に同様の船は1隻もなく、このままでは提出期限までに調査が終わらないかもしれない。また、調査に乗り出した場合、韓国に倣って中国が調査の中止を強く求めてくる可能性がある。

 どちらの場合も、中国の大陸棚が日中中間線を越えて認められてしまう危険があるのだ。今後は、海洋資源という経済的動機にとどまらず、明確な領土意識を持って、日本周辺海域の調査を早急に進めなければならない。

 さもなくば、周辺海域の実質的な支配権を中韓両国に奪われるばかりとなろう。
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by sakura4987 | 2006-06-28 10:21

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