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◆もの足りなさ残ったテポドン報道 (産経 06/7/17)


怒りあれど現実的方向性示せず  【正論】現代史家 秦郁彦


≪何れが朝日の社論なのか≫

 7月5日の暁眠を破った北朝鮮のテポドンはじめミサイルの連続発射事件に対し、翌日付新聞各紙の社説はどう反応したか。

 見出しを拾ってみると、「無謀で無責任な行動に強く抗議-6者協議に誠実に」(朝日)、「国際社会は北の挑発許すな」(毎日)、「国際社会への重大な挑戦だ」(読売)、と、とりあえず怒りを前面に押し出しているなかで、産経のアプローチは少し違った。

 他紙が具体的な対抗策を示していないのに対し、「愚かな国の脅威にどう対応」と問いかけたうえ、「頼りは日米同盟」と明快に答えているのである。

 その是非は今後も論議の的になろうが、気になるのは最強硬と見えなくもない朝日新聞が、社説とは別に、同じ7月6日付の第一面に本田優編集委員の署名で「北朝鮮との直接対話に入るよう、ブッシュ政権を説得」せよと主張していることだ。

 ブッシュ大統領が北朝鮮に6者協議の場へ戻れと呼びかけ、米朝の「直接交渉」を拒否しているのは承知のうえで、しかも社説では「『ならずもの国家』と呼ばれても仕方あるまい」とした北朝鮮との取引を説く真意は何か。

 追加発射中止の見返りに日米共同の経済援助を、とでもいうのだろうか。朝日の社論(ホンネ?)はいずれなのか、読者ならずとも当惑してしまう。


≪恫喝会見でも踏み込めず≫

 今回の報道ぶりを眺めて、もう一つ気になったのは、わが国を含め関係国における民衆レベルの反応をうかがえる情報が少ないことであろう。韓国、中国、ロシア駐在の特派員は政府レベルの公式反応は報じたが、いわゆる「街の表情」を伝えたものは極端に少なかった。

 ひょっとすると反対集会もデモもなく、興奮してまくし立てる市民も見かけなかったのかもしれないが、それほど鈍感だとすれば怖い気がしないでもない。

 折から平壌には、北朝鮮政府から招かれた新聞・テレビの一行が滞在していたが、帰りがけの記者会見で宋日昊・日朝国交正常化問題担当大使から「今日の日朝関係は最悪の状態を超え、対決局面に入ったといえる。米朝関係より悪化している」「もっと強い別の対応を」と言い渡された。

 「別の対応とはミサイルを日本本土に撃ち込むことか」と聞いてみた記者はいなかったらしい。

 大使の狙いは日本の対北制裁、なかでも安保理事会に提出した制裁決議案の撤回と正常化交渉の再開にあったとみられるが、読売新聞(7月8日付)の世論調査によると、90%以上が対北制裁のさらなる強化を支持し、63%がミサイル防衛(MD)システムの整備を望み、日朝関係の正常化を急げと主張するのは28%にすぎない。

 世論の分裂を目指す宋大使の揺さぶりは通じそうにないが、実効が期待できる対抗措置はあるのかと考えると心細い。

 論理的には(1)ミサイル探知能力の向上(早期警戒衛星と新型レーダーの導入)(2)迎撃ミサイルの前倒し配備(3)ミサイル発射基地の攻撃-という選択肢があるが、自衛隊には(3)の手段も能力も欠けているから、頼るのは(1)と連動した(2)ということになる。


≪心配な国論が二分の事態≫

 しかし首都東京周辺に配備予定の地対空ミサイル(PAC3)は、半径5キロ程度のピンポイント迎撃しかできず、サリンなどの生物化学兵器搭載の弾頭だと撃墜しても、かえって被害を拡大させてしまう。

 イージス艦搭載予定の海上発射型迎撃ミサイルSM3による迎撃構想もあるが、システム全体が稼働するのは5年ぐらい先になる。それでも保有が200発とされる日本向けのノドン・ミサイルを同時発射されたら、対処しかねるというのが実情だ。

 中露韓はあてにできぬから、そうなると頼れるのは同盟国アメリカの抑止力しかない。口惜しい思いはないではないが、虚心にそれを再確認しえたとすれば、北の「暴挙」も苦い良薬になるかもしれない。

 おそらく今回、日本人の誰もがひそかに期待していたのは、ブッシュ大統領がすかさず「日本に対するミサイル攻撃を米本土への攻撃とみなし、報復する」と声明してくれることだったろう。だが、それはなかった。

 私が心配しているのは、ミサイルを撃ち込んだ後、「将軍さま」が「ミスでした。お許しください」と訴え、許すかどうかで社論や国論が二分する事態である。それはアメリカがわが国を見限る日になるかもしれない。
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by sakura4987 | 2006-07-17 10:05

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