★★★ 日本再生ネットワーク 厳選ニュース ★★★

sakura4987.exblog.jp
ブログトップ

◆台湾の民主主義の重み 【一筆多論】矢島誠司


 (産経 06/7/17)

 台湾の最大野党、中国国民党の主席(党首)で、2008年総統選挙の有力候補である馬英九・台北市長(56)が先週、昨年8月の主席就任後初めて来日し、与野党幹部らと相次いで会談、外国特派員協会での記者会見もこなすなど精力的に動き回った。

 日本のメディアの取材も積極的に受け、その「親中、反日」のイメージの払拭(ふっしょく)に努め、日本重視の姿勢を強調して帰った。狙いは必ずしも成功しなかったようだが、産経新聞の取材に、中国との統一問題について、次のように答えていたのが印象に残った。

 「現在は条件が整っておらず、統一を考えるのは非現実的で、現状維持が適切だ。中国が自由、平等で民主的な国家となることが条件だろう。統一のプロセスが台湾人民の同意のもとで行われることはいうまでもない」(11日付)

 中国との統一は現状では非現実的、統一も中国が民主国家になることが条件、台湾人民の同意=民主主義プロセスが必要-と断言したのである。

 中国国民党は戦後、大陸で中国共産党との内戦に敗れ、1947年に台湾に逃れて以来、半世紀以上にわたって台湾を専制支配した過去を持つ。

 2000年の総統選挙で台湾生まれの民主進歩党の陳水扁候補に敗れ、初めて野に下るという屈辱を味わったが、以来、政権奪還を悲願としてきている。

 党名に「中国」という言葉を残していることに象徴されるように、根っこは中国にあり、中国との統一を望む外省人(大陸出身者)を中心とするいわゆる「統一派」の支持が多い。馬氏自身、香港生まれの外省人で「親中、反日」のイメージが消えない。

 その馬氏が、民主主義の重要性を強調し、中国が民主化されない限り、統一はできないと言う。台湾で民主主義、自由、人権といった価値観がここまで浸透した結果なのか、それとも選挙目的の発言なのかは分からない。

 しかし今や台湾では、どんな政党であれ、民意重視、民主主義をうたわないかぎり、有権者の支持を得られないのも事実だ。

 李登輝前総統のもとで急進展した台湾の民主化は、長年弾圧を受けながらも民主化を要求してきた民進党の2000年の政権奪取でさらに進んだ。

 中国共産党政権は台湾併合を悲願とし、武力統一をも辞さない構えだが、台湾住民の民主化を求めた血みどろの歴史と、民主化された現状を知らないかぎり、台湾問題の解決は不可能と知るべきである。

 くみしやすい相手と思っているはずの国民党ですら、「統一は中国が民主国家になることが条件」という時代なのだから。

 ブッシュ米政権は、台湾とは「民主、自由、人権の価値観を共有する」との表現を繰り返し、麻生太郎外相も今年3月、参院予算委員会で「台湾は日本と価値観を共有している国だ」と答弁した(国という表現は後で訂正)。

 台湾がこの共通の価値観を持つかぎり、日米の政府、議会は台湾を簡単に見捨てることは困難だ。台湾の最大の武器は民主主義だといわれるゆえんである。

 もっとも、民主主義を守りさえすれば武力統一をまぬかれる、と考えるのはナイーブに過ぎる。

 理想主義より勢力均衡、それぞれの国益優先といった現実主義で動く国際社会の現実を直視し、必要な防衛態勢を整えることが重要なことは言うまでもない。

 と同時に、汚職や不正を排し、規律を重視して、民主主義の不断の進展を図ることが欠かせない。台湾にとって民主主義の持つ意味はやはり重いのである。
[PR]
by sakura4987 | 2006-07-17 10:27

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


by sakura4987